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2010年06月11日

●欲しいデジカメがない…

 ホントに、私はデジカメを買わなくなりました。以前も書いたように、ここ約1年間は、F200EXRとF70EXRの2台を中心に、時々GRD2を持ち出すという感じで使っていますが、新製品ウォッチは続けていても、この2台を決定的に上回るようなスペック、魅力のあるカメラが商品化されません。評判の高かった一部機種、例えばリコーCX3とキヤノンS90は短期間使う機会がありましたが、別に欲しいとは思いませんでした。
 昨今流行りのミラーレス一眼にも魅力を感じません。仕事も含めてちゃんと撮るなら普通のデジイチを使いますし、日常使ったり旅行に持っていくにはミラーレス一眼と言えども大き過ぎます。コンデジの2倍以上の重量とサイズのカメラを、毎日使うカバンに入れておく気にはなれません。リコーのGXRは少しだけ食指が動きましたが、いちばん使いたい50mmF2.5をつけた状態で420gを超えるとなると、ミラーレス一眼と大差ない重量です。私が毎日持ち歩くカメラ、海外旅行にもって行きたいカメラの重量の上限は、200gがメドです。
 思えば、この「WS30の世界」というサイトは、2001年からもう9年間も書き続けており、トイデジからスタートして、いろいろなデジカメを追っかけてきました。それが2008年~2009年頃になって普及価格帯のコンデジに1000万画素素子の採用が定着し、画像処理エンジンの完成度も飛躍的に高まり、一方で撮像素子にはブレークスルーといえるほどの劇的な機能向上はなく、もとよりレンズを含む光学系はずっと昔から決定的な進歩が無い状況にあって、画質向上をメインとする普及価格帯~中上位価格帯のコンデジの基本機能の高度化はほぼ頭打ちになった…、と言えるのかもしれません。コストに糸目をつけずに、細かい部分で徹底的に高画質を追求すれば話は別でしょうが、実売で2~3万円前後のデジカメは、いまやどの機種を買ってもそこそこの性能が得られ、裏を返せばどれを買っても大差がないという状況です。
 基本機能以外の撮影機能では超高速連写やフルHD動画撮影、それ以外の付加機能ではGPSの搭載や無線LAN機能の搭載に始まり、プロジェクター機能3D撮影機能などいろいろな高付加価値化の試みがなされていますが、これらの機能に対する評価は、まあ個人的な好みとニーズの領域です。結局「日常記録用カメラ」として使うには、いまや実売価格が1万円台の半ばの機種でも、そう大きな不満はないでしょう。そして、それ以上に携帯電話やスマートフォンに搭載されるカメラの基本機能の向上が、エントリークラスから普及価格帯のデジカメの存在意義さえ、危うくしようとしています。私自身も、最近はスマートフォンのカメラを使う頻度が最も高い状況にあります。
 メーカーさんにお願いをしたいのですが、こんな私がすぐに欲しくなるような魅力的なコンデジ、200g以下の小型・軽量・高性能コンデジを、ぜひとも商品化して下さい。

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