2010年06月10日

●日本の「ガラパゴス多機能ケータイ」を見直す

 SC-01Bを使い始めて2ヶ月ちょっと経ちました。複数のアドレスを集約したGmailとiモードメールを受信できること、必要に応じてフルブラウザを利用できること、一元化したスケジュール管理ができること、Twitter端末として便利なこと、青空文庫ビュアーによる暇つぶしの読書、2chブラウザで時々ニュー速のスレを見ること、GoogleMapsで位置と経路を調べること…等々の使い方によって、手放せない端末となっています。小さなキーボードによる文字入力も快調です。
 しかし、既存のiモード携帯をやめてSC-01Bに全面移行するためにには、決定的な問題があります。それはsuicaが使えないことです。私は、suicaに常にクレジットカードから入金しておき、通勤や仕事での交通費の支払いはむろん、コンビニやキオスクでの日常の買い物、そして駅中の書店での文庫本や新書の購入に利用しています。いまやモバイルsuica無しの生活は考えられません。モバイルsuicaの利用がSC-01Bでできるようにならない限り、全面移行は不可能です。

 一方で、私は既存のiモード端末が、意外と高い利便性を持っていることをも再認識しています。私が普段使っているケータイはドコモの「P-09A」という端末で、特に最新の多機能端末ではありませんが、先に挙げたSC-01Bでやっていることは、事実上全てこのiモード端末でも可能です。フルブラウザを使わなくても、iモードブラウザ上でTwitterクライアントも動くし、2chブラウザもあります。Gmailもiモードブラウザ上で普通に使うことができます。青空文庫を読むこともできます。GPSも搭載しており、地図アプリも使えます。SC-01Bと同じくBluetoothも搭載しています。加えてP-09Aには、SC-01Bには無いワンセグチューナーが搭載され、先に挙げたモバイルsuicaが使えるのです。しかも、TwtterクライアントもGmailも、使ってみるとけっこう使い易いのだから、笑っちゃいます。実際に私は、時々iモードからwitterに投稿しています。結局、SC-01BにあってP-09AにないのはWifiだけであり、逆に言えばP-09AがWifiを搭載していたら、下手をするとSC-01Bよりも使い勝手が良いかもしれません。

 日本の多機能ケータイはガラパゴスだと言われていますが、私が普段使っているiモード端末を見る限り、機能も使い勝手もスマートフォンと遜色はありません。これで、このガラパゴス多機能ケータイのSIMロックが解除され、さらにWifi搭載が一般化したら、iPhoneやらAndroidやらが、ガラパゴス多機能ケータイを完全に駆逐するのはけっこう難しいとも思えてきます。
 そんなわけで、iPhoneやAndroid向けの仕事が増えつつつある私の会社も、当面は公式サイトビジネスも含めて日本のガラパゴス多機能ケータイ向けの仕事にも注力していくべきだ…と、あらためて考えている次第です。

2009年08月07日

●格安パソコンを2台購入

 私が自宅と2ヶ所のオフィスでそれぞれ仕事に使っていた3台のPC(いずれもCeleron D 320~340程度のマシン)が、ここのところ一斉に不調になってきました。で、今回はまず2台を新規に購入した次第。私の場合、仕事で使うPCはハイスペックマシンは不要。なんといっても、仕事の9割が文章を書くこと、プレゼン資料を作ること。だからWord、Excel、PowerPointの3つのソフトがサクサク動けばよいわけです。で、オフィス用に購入したのは、DELLのvostro220Sというチープなマシン。CPUはE5200でビデオは当然オンボード、HDDだけは500GBにBTOでアップして、19インチのモニタ付きで約5万円という代物。むろんOSはWindowsXPで、今回はXP proへのダウングレードです。Winndows7へのアップグレード権付きですが、まだ当面はXPを使い続ける予定です。

 自宅用も同レベルのDELLのマシンにしようと思いましたが、それも芸がない。久しぶりに自作しようかとも考えましたが、5万円以下のパーツ代でと計算すると、たいしたマシンはできません。たまたまパーツを買おうと見ていたアキバのfaithのサイトで、CPU:Athlon X2 5050e、メモリ:PC6400 DDR2 4GB、ビデオカード:nVIDIA GeForce 9500GT 512MB、HDD:500GB、ドライブ: DVDスーパーマルチ、11-in-1 カードリーダ…という組み合わせに、400W電源のケース、さらにOSがXP Home Editinへのダウングレード付きという完成品を4万円台で見つけ、これをパーツ購入で自作してもほぼ同じ価格になると考えて、購入してしまいました。Athlon X2 5050eなら、将来Windows7にしてもVT機能を持っているのでXP仮想モードが使えます。自宅のマシンは、たまにデジカメ画像のRAW現像やDVDのリッピングなどもするので、まあ、ちょうどいいスペックですね。AMDを搭載したマシンを使うのはホント久しぶり。10年くらい前には、AMD K6-2-300あたりを使ったマシンをやたらとたくさん作り、オーバークロックなどをしていた記憶がありますが、あの頃以来のAMDマシンということになります。

2007年09月06日

●ニッチなビジネスモデル

 さて、たった30万円の資本で始めたCPビジネスですが、これで行けると確信したのには理由があります。まず、事務所を持たないので家賃等の経費は一切かかりません。固定電話1本だけを引いて、それが経費の全てです。さらに、出資した3人は、ライター(私)、デザイナー、サーバー管理も出来るプログラマーという顔触れ。要するに、一切外注費を使わずに、各自が本業の片手間の作業で完全に自前でコンテンツを作れ、その後の管理もできるわけです。ただ、3人で作れるコンテンツとなると限られているのも事実。で、最初に展開するコンテンツとして「心理テスト」を選びました。
 そうと決まれば、まずコンテンツ内容を決め、キャリア向けに公式サイトの企画書を書くことからスタートです。約1か月でコンテンツの主要部分を制作、企画書をキャリアに提出しました。最初に提出したキャリアはA社とB社です。この間の詳しい経緯やコンテンツ内容の詳細は書けない部分もありますが、とりあえずこのコンテンツ企画書は2社の審査を無事通過しました。晴れてCPになったわけです。

 ところで、心理テストとか占いとかの公式サイトは、最近ではよほど有名人が監修しているサイトか、古くからやっているサイトでなければ、採算がとれるほどの会員を集めるのは難しいのが実情です。例えば「占い」の例で見ると、上位キャリアのA社やD社あたりで、公式サイトには数百のコンテンツが並んでいます。その中で会員数が数万人規模というサイトは10%もありません。大半が5000人以下で、会員数1000人以下の公式サイトもたくさんあります。一般的な話として、仮に、月額315円、会員数2000人のサイトを運営するとしましょう。毎月入ってくるお金は、回収代行手数料を引けば55万円程度。年間売上は700万円弱です。サーバーの予算に月額10万円を掛け、コンテンツ制作を安く外注して200万円、サーバー管理に月額10万円の外注費を払ったとします。それだけで、初年度は400万円以上のお金が出ていきます。その上、2000人の会員数を維持するためには、ざっと見ても毎月30万円以上はアフィリエイトや順位上げのためのクリック購入などの宣伝費を注ぎ込む必要があります。コンテンツの追加・更新の手間や人件費等を考えると、ほとんど利益は出ないか赤字になります。

 でも、今回作った会社の場合、コンテンツ製作費や管理費の外注費用はゼロの上、サーバーも自社のもので月額5万円以下です。こうなると、一定のアフィリエイト費用やクリック購入費用を使っても、2000人の会員数を維持すれば年に200~300万円の利益を出すことが可能です。会員数が1500人でも、150万円程度の利益は出せるでしょう。となると、こうした会員数1500~2000人規模のつつましい公式サイトを10サイトぐらい、しかも3キャリアで運営すれば、年間4~5千万円ぐらいの粗利を出すことができるかもしれません。加えて、回収代行システムが使える公式サイトであれば、時期を見て物販などの付帯ビジネスも展開できます。これが、今回のビジネスモデルとなります。最大の問題は、年間5~10ぐらいのコンテンツを自前で作れるか、そして人を使わずに管理できるか…という点です。


●先が見えないCPビジネス

 携帯電話のコンテンツプロバイダ(CP)、いわゆる「公式サイト」によるコンテンツ販売ビジネスは、ここへきて頭打ちになっています。モバイルCP大手のインデックスやサイバード、ザッパラス、「モバゲータウン」のDeNAなどは、まだまだ手を替え品を替えで、SNS系などいろいろと新しいビジネスモデルを展開していますが、着メロや着うた、占いやちょっとしたゲームなど、公式サイトのコンテンツは軒並み低調な状況が続いています。

 さらに、総務省は既存大手キャリアに対してSIMロック型ビジネスモデルの見直しを迫っており、大手キャリアによる現在の閉鎖的・独占的な課金回収システムが、今後いつまで続けられるのか、まったくわからない状況です。もし今、誰かが新たにCP事業に参入したいなどと言ったら、よほどユニークなビジネスモデルでない限り、まずやめた方がいいと忠告するでしょう。

  私自身が関わっている会社では、最初のブラウザフォンであるiMODEサービスがスタートした1999年から携帯電話関連のシステム開発やコンサルの仕事をしています。まだ、最大手のインデックスがiMODEの公式サイトを始めたばかりの時代です。そのインデックスやサイバービズ(現在のザッパラス)、ジーモードなどいくつかのCPが起業して大きくなるプロセスを、ずっと見守ってきました。現時点でも何社かのモバイルCPをクライアントとしており、モバイルCPのビジネスモデルは熟知しています。むろん、自身の会社もCPに参入するチャンスが何度もありながら、なぜか自身でモバイルCPビジネスをやることには魅力を感じませんでした。

 そんな私が、なぜ今さらコンテンツプロバイダを始めるのか…という理由となると、自分自身もいま一つよくわかりません。単なる気まぐれという部分もあります。ただ、次の2つのことは言えます。
 第一に、現金30万円で始められる仕事は、CPぐらいしか思いつかなかったこと。
 第二に、CPビジネスが儲からなくなった時代だからこそ、逆に面白いビジネスモデルがあるんじゃないかと考えたこと。
 …以上の2つが、新たにCPビジネスをやってみる気になった理由といえば理由です。

●30万円で始めた新会社

 小資本で短期間にお金を儲ける…とは言っても、莫大なお金を儲けようというのではなく、ちょっとお小遣い稼ぎをしようと思い立ち、先ごろ、新しく会社を作りました。できるだけ初期投資を抑えたかったので、合同会社(LLC)を設立することにしました。友人3人と10万円づつ、合計30万円の現金を出資し、あとは手持ちのノートPCやデジカメなど現物出資を加えて適当な資本金を設定、登記しました。
 むろん、司法書士の手を借りるまでもなく、ネット上から申請書の雛型をダウンロードしてパソコンで書類を作成、電子定款、電子公告の形にしたので、登記にかかった費用は6万円の印紙税だけ。書類作成に要した時間も1時間もかかりませんし、近所の法務局へ2回行っただけで、無事法人登記は完了しました。

 さて、手許にはたった30万円の現金。これで何を始めたかと言うと、「モバイル・コンテンツプロバイダ」です。5年前、いやせめて3年前にCP事業をスタートさせるならともかく、モバイルCPビジネスが終焉に向かいつつある今さらやっても…という意見が大半でしょうが、実はけっこう考えたあげくの小資本ビジネスです。

こ の、超小資本新会社のビジネス展開の経緯を、今後このBlogで報告していこうと思っています。