●ニッチなビジネスモデル
さて、たった30万円の資本で始めたCPビジネスですが、これで行けると確信したのには理由があります。まず、事務所を持たないので家賃等の経費は一切かかりません。固定電話1本だけを引いて、それが経費の全てです。さらに、出資した3人は、ライター(私)、デザイナー、サーバー管理も出来るプログラマーという顔触れ。要するに、一切外注費を使わずに、各自が本業の片手間の作業で完全に自前でコンテンツを作れ、その後の管理もできるわけです。ただ、3人で作れるコンテンツとなると限られているのも事実。で、最初に展開するコンテンツとして「心理テスト」を選びました。
そうと決まれば、まずコンテンツ内容を決め、キャリア向けに公式サイトの企画書を書くことからスタートです。約1か月でコンテンツの主要部分を制作、企画書をキャリアに提出しました。最初に提出したキャリアはA社とB社です。この間の詳しい経緯やコンテンツ内容の詳細は書けない部分もありますが、とりあえずこのコンテンツ企画書は2社の審査を無事通過しました。晴れてCPになったわけです。
ところで、心理テストとか占いとかの公式サイトは、最近ではよほど有名人が監修しているサイトか、古くからやっているサイトでなければ、採算がとれるほどの会員を集めるのは難しいのが実情です。例えば「占い」の例で見ると、上位キャリアのA社やD社あたりで、公式サイトには数百のコンテンツが並んでいます。その中で会員数が数万人規模というサイトは10%もありません。大半が5000人以下で、会員数1000人以下の公式サイトもたくさんあります。一般的な話として、仮に、月額315円、会員数2000人のサイトを運営するとしましょう。毎月入ってくるお金は、回収代行手数料を引けば55万円程度。年間売上は700万円弱です。サーバーの予算に月額10万円を掛け、コンテンツ制作を安く外注して200万円、サーバー管理に月額10万円の外注費を払ったとします。それだけで、初年度は400万円以上のお金が出ていきます。その上、2000人の会員数を維持するためには、ざっと見ても毎月30万円以上はアフィリエイトや順位上げのためのクリック購入などの宣伝費を注ぎ込む必要があります。コンテンツの追加・更新の手間や人件費等を考えると、ほとんど利益は出ないか赤字になります。
でも、今回作った会社の場合、コンテンツ製作費や管理費の外注費用はゼロの上、サーバーも自社のもので月額5万円以下です。こうなると、一定のアフィリエイト費用やクリック購入費用を使っても、2000人の会員数を維持すれば年に200~300万円の利益を出すことが可能です。会員数が1500人でも、150万円程度の利益は出せるでしょう。となると、こうした会員数1500~2000人規模のつつましい公式サイトを10サイトぐらい、しかも3キャリアで運営すれば、年間4~5千万円ぐらいの粗利を出すことができるかもしれません。加えて、回収代行システムが使える公式サイトであれば、時期を見て物販などの付帯ビジネスも展開できます。これが、今回のビジネスモデルとなります。最大の問題は、年間5~10ぐらいのコンテンツを自前で作れるか、そして人を使わずに管理できるか…という点です。