●普段どおりの生活
依然として情報が不足しています。私が政府に要求したいことは基本的に、CNICのこちらのページに書かれていることと同じです。そして、twitterでも書きましたが、フランス、ノルウェーなど海外の気象関係機関が放射性物質の飛散シミュレーションを公開しているのに、日本政府が緊急時環境線量情報予測システム(SPEEDI)のシミュレーション結果を公開しないのは実に不可解です。
東京・練馬区に住み、毎日池袋のオフィスに通っている私は、当然ながら現在の状況では、まだ東京から避難するつもりはありません。東京でも昨日来、数日前の3倍程度の放射線量が計測されていますが、まだ健康に大きな害をもたらすレベルではありません。クライアント企業との連絡も今のところ通常通りですし、特にキャンセルされた仕事も無い以上、仕事を続ける義務があります。自分の家庭でも、特に買い占めや買い溜めもしていません(スーパカブだけはガソリン4.5リットル満タンにしておきました)。
ただ、今後、福島第一原発で核燃料の溶融(メルトダウン)、大規模な爆発、使用済み燃料プールからの放射能大量放出…といった事態に至り、東京上空に大量の放射性物質が降り注ぐという状況が予測される場合には、当然ながら東京から脱出することになります。こうした事態がいつ訪れるかわからないので、準備だけでもしておこうと考え、いくつかのことを実行しています。
まずは、仕事関係です。私の仕事は基本的にネット環境があればどこでもできるのですが、社内のメイン端末内の大量のデータをポータブルHDDにバックアップして持ち出せるようにしています。また、ノートPCへのデータ移行も進めており、基本的には2台のノートPCと数台のポータブルHDDを持ち出せば、日本中どこでも仕事ができるように準備しています。
クライアントのシステムを預かっているサーバーは、富山のデータセンターと東京のデータセンターに分散されています。当然全てがRAID構成で、さらに別のHDDにもバックアップする形になっています。しかし、特に東京データセンター分は、長時間大規模停電も含めて今後何が起こるかわからないので、オフラインのバックアップを作ろうとダウンロード作業も始めました。
個人的には、移動中でも飲んでいる時でもリアルタイムで情報を得られ、家族も含めて誰とでも連絡を取れるように、バッグの中に複数の端末を入れて持ち歩いています。具体的には、ドコモ回線のWiFiルーター、iPod Tuch、au回線のIS05、ドコモのガラケーの3種類と、外部充電装置を持ち歩いています。先日の震災直後の徒歩帰宅体験以来、バッグも持ち歩きやすいようにKELTYの18リットルのデイパックに変えた他、靴もロックポートのウォーキングシューズを履くようにしています。デイパックの中には、バンドエイド、抗生物質、傷薬を入れ、さらにラジオ、LEDライト、予備電池、GERBARの小さなナイフも入れています。
さあて、こんな生活がいつまで続くのでしょう。でも、毎晩飲むのはやめません。新刊書を買って読むのもやめません。できるだけ普段どおりに生活し、消費して、経済の活性化に少しでも貢献しようという気持ちは変わりません。