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iPODは嫌いだ!  〜「Rio Eigan」購入記     2003/12/8

 1インチ、1.5GBHDDを搭載した、MP3/WMA対応デジタルオーディオプレヤー「Rio Eigan(アイガン)」を購入しました。使用感を報告させて頂きます。


■いかにも…

 HDD内蔵のデジタルオーディオプレヤー、Apple「iPOD」がバカ売れです。でも、私は嫌いです。全く購入する気はありません。
 iPODについては、機能面での問題点はほとんど感じません。嫌いな理由…、うまく説明できません。デザインや雰囲気が持つ「いかにもApple感」…とでも言いましょうか、最初から「おしゃれでハイセンスな音楽ツール」としてギリギリまでコンセプトを詰めてあるところが、何となく気に食わないのです。
 Appleという企業や、MacintoshというPCが特に嫌いなわけではありません。出版関係の仕事をしている以上、DTPプラットフォームとしてのMacintoshは、いまや絶対的な存在です。さらに私は、1987年に購入したMacintosh Plus以来のMacintoshユーザーであり、初代のLaserWriter・NTXなんかも購入しています。1980年代後半頃は頻繁にサンフランシスコのMacWorld/EXPOに出掛け、当時は自他共に認めるMacintoshエバンジェリストでした。一時期は、Macintosh用の市販ソフト開発にも手を出したものです。
 そのMacintoshから一歩引くようになったのは、やはり1990年代後半です。Macintoshに「クリエーターやデザイナーなど感性で仕事をする人間が使うパソコン」「Macintoshはおしゃれ」…といった一種のステータスが確立してからでしょう。Macintoshが嫌いになったのではなく、一部のMacintoshユーザーとApple社のイメージ戦略が鼻につくようになったのです。そんな私にとって、iPODは「おしゃれな人間の持ち物」的な自己主張が強く感じられて、どうも気に入らないわけです。

■iPODは重すぎるし、収録曲数も多過ぎる

 デザインやコンセプトの好き嫌いは別にしても、一言でいってiPODは重すぎます。個人的な感覚は別にして、iPODが数十GBのHDDを内蔵するプレヤーとしていかに小型であろうとも、数十グラムのシリコンメモリ型のMP3プレヤーを愛用する私にとっては、日常携帯するにはやはり「大きくて重過ぎ」るのです。
 マウンテンパーカのポケットに入れておくと、デジカメを入れているようなずっしり感がありますし、カバンに放り込んでおいても、他にいろいろなデジタルガジェットを持ち歩いている私にとっては無視できない重さです。

 次に曲数の問題があります。20GB のiPODは、数千曲を持ち歩くことが可能ですが、どう考えてもこれだけの曲数を日常持ち歩く必要性は感じません。私は実はHDD内臓タイプのMP3プレーヤーを既に所有しています。それはCreative「NOMAD Jukebox 2」で、10GBのHDDとUSB2.0インタフェースを備えた製品です。これを私は、同じCreativeのアクティブスピーカー「M85-D」と組み合わせて、「デスクトップ・ミュージックシステム」として使っています。MP3が1500〜2000曲収録できますので、手持ちのお気に入りのCDを100枚分ほどエンコードして収録し、日常のBGM用に使っています。最初から、持ち歩くつもりはありませんでした。
 iPODは「Jukebox 2」よりは小型・軽量ですが、5000曲以上を持ち歩いて聴くニーズは、私にはありません。

■で、1インチ/1.5GB HDDに決めた!

 さて、現在ポケットに入れて愛用しているMP3プレヤーは、やはりCreative の「NOMAD MuVo」です。これは以前使っていたIntel「Pocket Concert」」と同じく128MBのメモリを搭載したタイプです。単4乾電池1本で動作する点も気にっていますし、使い勝手も上々です。基本的にはラジオやボイスレコーダー機能を使わないので、これで十分という感じでした。しかしながら、やはり128MBではCD2枚分程度しか収録できず、これは通勤用としてはともかく、出張時などに持ち歩くには少な過ぎます。
 256MBまたは512MB型のシリコンメモリ製品(Rio SU30 512MBが第一候補でした)に買い換えようと思いましたが、それもありきたりな選択です。そこに登場したのが、容量1.5GBの1インチHDDを搭載したシリコンプレヤーでした。新しい物好きの私は、「これだ!」と思いました。
 同じ1.5GBの1インチHDDを搭載するmp3ポレヤーとしては、先にRio「Nitrus」が発売されましたが、デザインはどうも好きになれませんでした。Creative「NOMAD MuVo2」も1インチHDD搭載機ですし、専用リチウムイオンバッテリーが着脱可能な点にも惹かれます。しかし「Rio Eigan」の実物を見たとたん、ほとんど他の製品のことを考えずに購入しちゃいました。

■データ容量、機能にはほぼ満足

 MP3とWMAに対応した「Rio Eigan」の重量は約86g(電池込み)で、本体サイズは幅59.2×奥行き19.8×高さ76.7mmのシンプルな直方体で、手のひらにスッポリ収まります。使いやすい大きさです。ガンメタリックと称する色は、まあほぼ「適当な光沢感のある黒」で、質感は悪くありません。
 内蔵型リチウムイオン電池は交換できませんが、5時間の充電で16時間の再生が可能と、私の利用形態なら1回の充電で1週間は使えます。ACアダプターはちょっと大き過ぎるのが難ですが、海外でも利用可能な240Vまで対応するタイプです。
 そして、1.5GBというデータ容量は実に手頃です。カタログにはWMA(ビットレート64Kbps)でCD1枚60分として換算するとアルバム50枚分、750曲が収録可能…なんて書かれていますが、普段私が聞いている128bitでエンコードしたMP3ファイルなら、250〜300曲程度といったところです。300曲だってアルバム20〜25枚分程度。これは、日常持ち歩く楽曲数としては十分ですし、出張などに持っていけば入れ替えなしに2〜3日は楽しめる曲数です。
 インタフェースはUSB2.0で、100曲以上を転送してもストレスは感じません。

■操作性

 操作ボタン類はシンプルで少なめです。片手で操作できる中央部のリオ・スティックと、右肩部のジョグダイヤル(ロータリーホイール)が基本です。この2つを使った操作については、おそらく好みが分かれるところでしょう。慣れるまでに少し時間がかかりますが、私は3日ほど使ったら、ほぼポケットの中でブラインド操作できるまでにはなりました。
 まあ、握りやすい本体サイズとデザインなので、片手で操作すること自体は非常にやりやすいと言えます。
 液晶の視認性には、あまり期待しない方がよいかもしれません。表示面積はまずまずですが、視野角は狭くけっして見やすくはありません。バックライト付きながら、夜間の視認性はさらに下がります。

■音質

 イヤホン出力は6.3mW+6.3mWです。SENNHEISER「MX300」が附属しています。このSENNHEISERのインナーヘッドホンを通して聞く音は、かなり解像感の高いものです。感動するほどよい音…ではありませんが、低音もよく出ており、音にメリハリもあって悪くないと思いました。インナーヘッドホンは少し大きめですが、私の耳にはよく合います。
 イコライザー機能は充実しており、ノーマル、ロック、ジャズ、クラッシック、ポップス、トランスの6種のプリセットモードと、5バンドの個別調整が可能な本格的なカスタムイコライザーモードを搭載しています。私は主にロックを聴いていますが、とりあえずはノーマル設定で問題はありません。ロックモードにすると、少しくどい音になりました。

■付属の「Rio Music Manager」

 本体機能がシンプルな分、附属ソフトへの依存度が高いのが「Rio Eigan」の特徴でしょう。この「Rio Music Manager」は非常に多機能ですが、個人的には必ずしも使いやすいソフトではありません。あまり多機能なプレイリスト自動作成や、いきなりファイル転送が始まるオートシンクロ機能なんかは、かえって使いにくい感じ。
 ソフト機能については説明するのが面倒なので、以下に広告のコピーをそのまま掲載しておきます。

 「…このクラスでは初のID3等のタグ情報や再生情報による自動プレイリスト生成機能を搭載。従来のCDやMDのようなアルバムごとの再生だけではなく、複数のアルバムや個別に転送した楽曲をアーティスト毎、アルバム毎、ジャンル毎、年代毎といったさまざまなプレイリストを自動的に生成。ホイール操作だけで簡単に指定して再生することが可能です。 また、新たに追加した楽曲から優先して聴く「新しい音楽」モードも搭載。自分の完全なカスタムプレイリストを作成してRio Eigenで再生することもできます。
 パソコンのハードディスクにある音楽ライブラリとRio Eigenに収録した楽曲ファイルとの間で、自動的に楽曲の更新を行うことができます(オートシンクロ)。全ライブラリの自動更新だけでなく、ユーザーの指定した同期プロファイルに基づいてアーティスト、ジャンルなどに限定した設定が可能なため、パソコン側のライブラリが大きくても、自動同期を有効に活用することができます。たとえば、お気に入りのアーティスト名を登録しておけば、パソコンにそのアーティストの楽曲が新たに追加されると、Rio Eigenをパソコンに接続するだけで自動的に転送し、更新します。同様に、プレイリストを指定すればパソコン上で追加したプレイリストの楽曲も自動で更新されます。さらに同期する容量の設定、不要なファイルの自動削除設定など、さまざまカスタム同期設定が可能です…」

 最後に結論を書いておきますが、「Rio Eigan」は、製品サイズと収録曲数には満足。そそてシンプルな機能と音質にもほぼ満足です。操作性にはちょっとクセがあり、必ずしも「良い」とは言えない…というのが個人的な感想です。そして、附属ソフトは、多機能ながらユーザーインタフェースを含めてイマイチ…と感じました。
 まあ、買って損はないと思います。

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