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私的デジカメ購入指南    2005年秋

 ここでは、デジカメの選択基準と購入法について「個人的で、主観的な意見」を書きます(僭越ですが…)。短期間の使用や仕事で使ったものを含めれば、数十台のデジカメを使用した経験に基づく意見です。「購入指南」という大げさなタイトルを付けていますが、人様に購入時の参考にして頂こう…などといった大それた思いはなく、あくまで自分の考えていることを書き連ねただけです。
 私はプロのカメラマンでもプロの評論家でもありません。特別、デジカメに詳しいわけでもありません。また、デジカメの良し悪しについてはいろいろな意見があるでしょうから、あくまで「一ユーザーの個人的で独断的な見解」と認識した上で、お読み下さい。また、世の中には私と異なる選択基準を持っている方も多いので、他の意見も参考にしながらご判断下さい。
 私の場合、「購入法」とは言っても、まあ「デジカメなんて好きなもの、気に入ったものを買えばいい」…というのが、話の基本です。雑誌に掲載されるインプレッションや比較評価記事などを、あまり気にすることはない…と思います。


■予算とデザインで選ぶのが基本

 購入にあたって何か特別な使用目的や撮影対象がないのであれば、あまりスペックにこだわらず、実売価格デザインを主要な選択基準として「直感的な好き嫌い」の感覚を大事にして選択すべき…と思います。過去1年以内に発売された最新機種に限って見れば、普及価格帯以上の製品ならばメーカーや機種による性能差はあまりないのが現状です。
 例えば、最近ほぼ全メーカーから商品化され、デジカメ市場で主流となっている「500万画素、光学3倍ズームのコンパクト機」の場合、どれも基本機能や画質にはほとんど差がありません。要するに、メーカーの差や機種の違いによる個性はあっても、同一価格帯の製品ならば、概ね「画像を撮る」という基本機能に大きな差はないということです。
 また、価格帯が大きく違えば当然製品機能に差は出ますが、よい外光条件でフルオートで撮影した画像を比較した場合、価格差ほどの画質差はないのが現実です。例えば、コンパクト機であれば、500万画素機で実売価格3万円以下のローエンド機で撮影した画像と、実売価格が6万円以上の700〜800万画素ハイエンド機で撮影した画像の画質の差は、一般的な用途で使う素人なら識別できないレベルです。

 そして、デジカメを購入するにあたって、他人の評価なんてまったく気にする必要はありません。例えば、個人デジカメサイトによくある「購入ガイド」の大半は、論評している機種全部を実際に使ってみた結果によって書かれたものではありません。デジカメ関連の掲示板などで初心者からの質問に答えてアドバイスしている人なども、同じように大半がカタログスペック中心に答えています。自分が使って気に入った数機種を中心に、あとはスペックだけを見て比較検討したものが多いようです。逆に、全ての機種を使って比較するプロの評論家やライターのコメントは、一般ユーザーの撮影時にはあまり関係のないような細かいスペックにこだわっていたりします。操作性に関する評価などは、ライターの好みが反映されたものに過ぎません。しょせんは他人の好みに基づく評価ですから、参考程度に考えた方がよいと思います。
 かく言う私のサイト内に書かれているデジカメに対する評価も、至って主観的で個人的なものです。しかも、「たかがシロートの意見」…と思ってください。

 低価格・低画素のエントリークラスの製品が、必ずしも初心者向けではありません。逆に初心者だからと言って、ハイエンドクラスの高機能機を購入してはダメというわけでもありません。予算に余裕があれば、初めてのデジカメとして最高級の一眼レフタイプを購入しても、いっこうに構いません。一般的に、ハイエンド機種の方がフルオートできれいな画像が撮れるので、余計な機能を使わなければ初心者にも使いやすい場合が多いのです。よく「機能が多いと初心者には使い切れない」という、わけのわからない意見を述べる人もいますが、そんなことはありません。初心者がいきなり高級機を使う場合は、不要な機能やよくわからない機能は使わず、オートでだけ撮影していればよいのです。一般的に多機能・上位機種の方が、画素数が多いだけでなく、よい光学レンズを使っていたりAF精度が高かったりするので、初心者がフルオートで撮影する場合でも美しい画像が撮れます。

 ともかくデジカメの購入にあたっては、まず購入予算を決めましょう。ズバリ言いますが、初めてデジカメを購入するのなら、実売価格2万円あたりを最低予算と考えるのが妥当だと思います。そして上限でも3万円台で十分と考えます。
 「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、デジカメに関しては技術進歩と製品サイクルが極端に速く、あまり高い製品を購入するとかえってお金を無駄にすることになる可能性もあります。大手各社ともに四半期ごとに新製品を投入するペースですから、半年ぐらい前に発売された上位機の型落ち品を狙うのも有効な買い方です。
 現在のメーカー各社の製品ラインアップと各製品の性能、実売価格の動向等から見れば、デジカメ本体に3万円も出せば「あらゆる用途でほぼ満足できる、光学3倍ズーム搭載の500万画素機」…を購入することが可能です(2005年9月現在)。また、ローエンド機種、型落ち機種の特売品、不人気機種などを狙うのなら、2万円程度の予算でも相当にレベルの高い400〜500万画素機を購入することが可能です。逆に、ハイエンドに属する700万画素機を3万円台で購入することも可能です。現在、安価な光学3倍ズーム搭載500万画素機は、どのメーカーの製品でも実売価格が3万円以下にまで落ちています。
 そして、本体予算とは別に、大容量記録メディア購入用の予算として5千円〜1万円程度を見ておくとよいでしょう。
 一方、本体購入予算が10万円…という方は、初心者であろうとなかろうと、遠慮なく10万円をめいっぱい使って好きな機種をお選び下さい。最新機種同士で比較すれば、値段が高い機種、特にデジタル一眼レフの方が高画質で高機能…、これもまた厳然たる事実です。実売価格10万円前後を予算にすれば、ズームレンズ付のデジタル一眼レフや高倍率ズームを搭載した800万画素機、さらには「マニア向けハイエンドコンパクト機」を購入できる時代になりました。
 ただ覚えておくべきは、過去1年以内(2004年後半以降)に発売された普及価格帯以上のデジカメならば、一般的な用途(日常のスナップや旅行時の撮影に利用し、それをパソコン画面上で鑑賞するか2Lサイズ程度にプリントする…といった用途)の範囲では価格差ほど機能や画質の差がない、という現実です。

 ちなみに、2005年後半におけるデジカメの売れ筋は「500万画素のコンパクト機」です。「実売価格が3万円台、光学3倍ズームの500万画素機、または実売価格が4万円台、光学3倍ズームの600〜800万画素機」あたりが、コンパクトデジカメのメインストリーム機種と言えるでしょう。

■購入前に無理に用途なんか決めなくてもいい!

 一般的なデジカメ購入ガイドには、「デジカメを購入する時には、まず用途を決めて、目的に合った機能のデジカメを購入しよう」とか、「用途を決めてから相談しよう」などと書いてあることが多いですね。でも「用途をはっきりさせろ」と言われても、普通は「なんとなくデジカメが欲しい」という人の方が多いかもしれません。また「用途を決めず、いろんなことに使いたい」という方もいるでしょう。デジカメを購入するにあたって、無理に用途や目的を決める必要はありません。特に、初めて買う時には、用途がはっきりと決まっている方がヘンだと思います。
 では、「とりあえずデジカメが欲しい」「いろんな用途で使いたい」という場合、あらゆる機能がついた多機能機種を選ぶ必要があるのでしょうか? いやそんな必要はありません。最近の普及機クラス以上のデジカメなら、機能面ではたいていどんな用途にも対応します。例えば、500万画素で3倍ズームを搭載し、総重量(バッテリー込み)が200g前後…といった普及価格帯の機種は、どのメーカーにもあります。だいたい実売価格が2万5千円〜4万円の範囲に収まるはずです。最近では、500万画素クラスでも3万円台で購入できるのが普通です。このクラスの機種なら、メーカーや機種を問わず、実用上の機能差はほとんどありません。ホームページ用だろうと、日常スナップ用だろうと、旅行用だろうと、何にでも使えます。乱暴な言い方をすれば、CCDの画素数だって400万でも500万でも700万でもたいして変わりません。いや、用途と使い方によっては、300万画素も800万画素も画質はたいして変わらない…とも言えます。主にパソコン画面で縮小した撮影画像を鑑賞し、たまに2L判かハガキサイズ程度にプリントする…という使い方であれば、300万画素機で撮影した画像と800万画素機で撮影した画像の差は、ほとんど識別できないレベルです。
 「用途がはっきりしない」、「いろんなことに使いたい」といった場合には、最初に述べたように「まずは購入予算を決定し、その予算内で一番カッコイイと思ったカメラを選べばOK」…です。他人の意見はむろん、カタログスペックなども無視して構いません。ともかく、外観とフィーリングで決めましょう。機能で判断して選ぶよりも、外観が好みでフィーリングが合った機種を選んでじっくりと使い込んだ方が、デジカメに愛着が沸くし、結局はたくさんの画像を撮ることで楽しいデジカメライフを送ることができます。

 ホームページ用限定とか、日常スナップ用限定とか、マニュアル機能を駆使して凝った写真が撮りたい…など、デジカメ購入時に用途や希望をはっきりさせられる場合は、たしかに機種選択は簡単になります。例えば、マクロで花や虫が撮りたい…といったケースなら、マクロに強いことはむろん、ウェストレベルでローアングル撮影できるようなデジカメを選択すれば使いやすい…、などと答えることができます。
 またホームページ用の画像を撮影するだけなら、それほど高画質・高解像度機は必要なく、小さい画像を掲載するだけなら300万画素機でも十分に間に合う…などと答えることができます。たしかにその通りですが、小さい画像でも高解像度の撮影画像を縮小した方がより美しい画像が得られることも事実です。240dot×180dot程度の小さな画像でも、オリジナルサイズの画像の画質の差は、けっこうはっきりと出ます。つまり、あまりに機能の低いデジカメで「美しい画像」を撮影するのは、逆に難しいとも言えます。だからホームページ用の小さめの画像が撮れればOKという場合でも、できれば500万画素程度のデジカメを購入しておいた方が無難でしょう。また、こうした用途なら100〜200万画素のCCDカメラを搭載した「カメラ付き携帯電話」でも十分に実用になります。

■日常的に持ち歩くかどうか…

 個人的な見解ですが、デジカメ選択時には、広い意味での「用途」として「日常的に持ち歩くかどうか」を、まず考えるべきだと思います。「どんな場面で使うか」よりも、「頻繁に持ち歩くかどうか」の方が、デジカメ選択要素としては重要です。これを決めることによって、デジカメのサイズと重量へのニーズがシビアに決まります。要するに細かい機能面の問題よりも、「サイズと重量」の問題が重要だと思うのです。重くて大きいデジカメを購入すると、毎日持ち歩くのが億劫になります。
 もし、日常的にデジカメなんかを持ち歩かない、または「今日はデジカメを使うぞ」という日だけ使う…というのであれば、重量やサイズの問題はあまり重要ではありません。ショルダーバッグなどに入れて持ち歩けばよいのですから、あらゆる機種が選択範囲に入ります。
 個人的には、例え手ブレの危険性が高くても、「軽くて小さいデジカメ」をお勧めします。軽くて小さいデジカメなら、持ち歩く時間が増えると思うからです。日常的にいつも持ち歩き、たくさんの画像を撮ってこそ、「デジカメうを使う面白さ」があると思いますこちらこちらこちらを参照して下さい)。小さいデジカメには「手ブレを起こしやすい」という問題がありますが、フィルム代のかからないデジカメですから、手ブレしそうなシチュエーションでは、何枚も撮影すればよいだけです。
 私は、バッテリー込みで400g以上ある機種は日常持ち歩くには重過ぎるし、スナップには使いにくいと考えます。全く個人的な感覚ですが、頻繁に持ち歩いて使うなら、250gあたりが重さを負担を感じないギリギリの限度であり、総重量200g以下ならポケットに入れてもほとんど苦にならず理想的です(いずれもバッテリー/メディア込みの総重量です)。
 デジカメを使う場所や場面も考えておきましょう。例えば海外旅行へ持っていく場合、サイズの問題だけでなく、バッテリーの種類や寿命の問題などがあるからです。いずれにしても、頻繁に持ち歩いてたくさんの画像を撮影するのならば、軽くて小さくてバッテリー寿命が長い機種をお勧めします。
 海外旅行に持っていくデジカメをお探しの方は、こちらを参照してください。


■機能

 デジカメは、年々多機能化する傾向にあります。これだけ多くの製品が発売されている中で、初心者が「本当に自分に必要な機能」を決定することは困難です。とりあえずは、「シャッターボタンを押すだけのフルオートで美しい写真が撮れるカメラ」を選ぶのか、「マニュアル設定を活用して最高の条件の画像を得たい」のか…という、基本スタンスを決めれば十分です。撮影に関する機能の多くは、カメラや写真の知識が無ければ完全に使いこなすことは難しいのです。
 多機能な機種が使いやすいとは限りません。一般の撮影では、全く不要な機能がついている機種も多いのです。多機能、高機能という言葉に惑わされず、自分の撮影スタイルに対して本当に必要な機能だけを備えている機種を選びましょう。むろん、逆に「高機能機が使いにくい」とも限りません。
 あくまで個人的な考えですが、これから初めてのデジカメを購入しようと考えてこのページを読んでいるような方なら、まずは「フルオートできれいに撮れる」シンプルなカメラを選んだ方がよいと思います。

 また個人的な考えですが、「初心者はオート、ベテランはマニュアル」…的な考え方はヘンだと思います。よく「最初はフルオート撮影で満足しても、慣れるに従っていろいろな機能を使いたくなる。だから将来を考えて初心者でもある程度の機能を持つ機種を選んだ方がいい」…という意見を述べる人がいます。しかし私自身は、むしろ銀塩カメラを使い始めた頃にはマニュアル一眼レフを操作することが面白く、写真を撮り慣れるほどオートで撮るようになりました。つまり「写真を撮る」という行為を楽しむために、オートで素早く撮ることを優先するようになったのです。「慣れるにしたがってオートを使いこなせるようになった」…ということです。
 個人的には、「オートできれいに撮れるカメラは十分な機能を有している」「どんなに高度なマニュアル設定機能を持っていてもオートできれいに撮れない機種はダメ」…と考えています。
 シャッターボタンを押すだけできれいな写真が撮れる…、それもまた優れたデジカメであることの証しです。

撮影機能
 例えば「ホワイトバランスの設定」なんてものは、ある程度の銀塩写真の知識(色温度に関する知識)がないと、まず完全には使いこなせません。「リアルタイムヒストグラム表示」なんて機能は、意味すらわからない人が多いでしょう。マニュアルの露出補正だって、撮影条件に応じてEV値のプラスマイナスを経験的に割り出せる人は少ないはずです。露出モードの変更や測光条件のマニュアル設定なども同じです。だから、こうした機能はあってもなくても、とりあえずは初心者にとってさほど大きな問題ではありません。操作に慣れてきて「作画」を意識するようになると必要になる…と言う人もいますが、私は日常スナップはむろん、旅行時の撮影などでもフルオート撮影専門で、マニュアル設定機能なんてほとんど使いません。
 逆に「仕事用に商品撮影をしたい」なんて場合には、オートブラケティング機能やマニュアルフォーカス機能を持っている機種は便利です。絞りとシャッター速度も自由に決められる方がいいし、被写体の条件によってはスポット測光なども必要になります。場合によっては外部ストロボ端子も必要です。つまり、何を撮るか、どういう撮影をするかによって必要な機能は異なります。
 カメラマニアや写真を趣味にしている人ではない「普通の人」が選ぶデジカメは、「とりあえず何も設定しないでシャッターを押すだけできれいな画像が撮れる」ことが、まず重要だと考えます。その場合、高度なマニュアル撮影機能は不要…と、割り切ってもよいと思います。

付加機能
 ここでいう付加機能とは、「静止画像を撮影する」ということと直接関係のない機能のこと。例えば「動画撮影機能」「音声記録機能」などが代表的なもので、その他、過去には「MP3オーディオの再生」「携帯電話を接続してWebアクセス」…なんて製品もありました。
 はっきり言って、「カメラ」として使う限り大半の付加機能は不要です。MP3プレヤー機能を一体化した製品などは、デジカメとMP3プレヤーを別々に持っていた方が使い勝手はいいはず。MP3プレヤーを使っているうちにバッテリーがなくなれば、肝心なシャッターチャンスに撮影ができません。何か特別なニーズがない限り、シンプルな機能のカメラを選択することをお勧めします。
 デジカメの動画機能については、評価が難しい問題です。個人的には、「デジカメに中途半端な動画撮影機能は不要」だと考えています。この点については、こちらを参照してください。
 いずれにしても。付加機能については「あった方がよい」と考えるよりも、「なくてもいい機能はいらない」と考えるべきです。

PCインタフェース
 USBケーブルでパソコンと接続して撮影画像を読み出そうと考えるユーザーが、最も多いかもしれません。「パソコン接続キット」を別売で用意している機種もあるようです。しかし高画質機の場合は、USB経由のPC接続キットでの読み出しには一定の時間がかかることを認識しておきましょう。例えば512MBのメディアいっぱいに撮影データが入っている場合、USB接続では(USB2.0であっても)、読み出しに最低1〜2分くらいはかかることを覚悟する必要があります。
 また、同じUSBで読み出すのならば、PC接続キットを利用・購入するよりも、利便性が高い「メモリカードリーダー」を使うことを薦めます。特に「複数のデジカメを所有している」場合には、多種のメディアに対応したカードリーダーを使用するのが便利です。マルチカードリーダーは、安価なものなら2〜3,000円で購入できます。当然ですが、転送速度の速いUSB2.0に対応したカードリーダーを選びましょう。
 読み出し速度が速いのは、カードアダプタです。PCMCIAカードスロットを持つノートPC等を所有しているのなら、こうしたカードアダプタは非常に便利です。また最近のノートPCの一部は、最初からCFカード、メモリースティック、SDカード等のスロットを装備している機種が増えてきました。
 なお、充電機能を持つUSB接続のクレードルを使ってデータを読み出せる機種も増えてきました。クレードルは日常利用には確かに便利ですが、読み出し対象のパソコンが限定される、旅行時に嵩張るクレードルを持って行かなければ充電できない…などのデメリットもあります。複数のデジカメを所有している場合、クレードル対応機が混ざるとかえって面倒だったりします。

■操作性

 操作性は個人的な好みに左右される部分が大きいのですが、基本的には「操作体系がシンプル」であることが第一です。
 液晶画面表示を利用したメニュー選択方式の場合、メニュー表示の階層構造が深くなっていると、目的のメニューに達するまでに時間がかかり、操作が面倒です。モード切替など基本的な機能設定については、液晶表示を使わないダイヤル選択式などが便利です。さらに、ストロボのON/OFFや露出補正など頻繁に使う機能は、それぞれ専用ボタンに割り当てられている方が便利です。また、各種操作ボタンの位置にも留意しましょう。
 設定したパラメータが1回撮影するごとに初期状態に戻る…機種も、使いにくいと思います。ストロボ設定やマクロ設定、露出補正など、同じ条件で連続撮影する時など1回ごとに再設定が必要になるのは不便です。
 その他、シャッターボタンのタイムラグなども気になるところ。このタイムラグが長いと、液晶モニタに映った画像とシャッターボタンを押した時に実際に撮れる画像が違う…点は理解しておきましょう。むろん、咄嗟のシャッターチャンスを活かすために、電源を入れてから撮影スタンバイになるまでの起動時間は、短ければ短いほどよいのは言うまでもありません。
 光学ファインダーの有無にも留意しましょう。バッテリー節約時だけでなく、一般撮影時においても光学ファインダーを利用しての撮影は意外と便利。光学ファインダー撮影は、しっかり構えられるので手振れしにくいのです。ファインダーの位置はむろん、「視野率」が高いことも重要です。

 …とまあ、一般論を書きましたが、操作性なんてのは、要は「慣れ」の問題です。デジカメが商品化されてからずいぶんと年月が経つので、どのデジカメメーカーも経験値を積んでいます。昨今のデジカメなら、まず「操作性が決定的に悪い」という製品はありません。雑誌のインプレッション記事などで「操作性に難がある」「ボタンの配置が悪い」などと書いてあっても、それはあくまでインプレッション記事を書いたライターが短時間操作した結果に基づく感想に過ぎません。またライターの好みの問題もあります。従って、あまり操作性に関する他者の評価を気にすることはありません。自分の購入したデジカメの操作に、早く慣れることを心掛ければよいだけです。

■ズームの必要性

 最近の普及価格帯機種では、光学3倍ズームの搭載がトレンドです。撮影位置を変えずに被写体を拡大・縮小撮影できる光学ズームは確かに便利ですが、ズームのおかげで失うものもあります。
 まずは、ズームの搭載によってカメラのサイズと重量は大きくなります。電源ONから撮影開始までのスタンバイ時間が長くなり、軽快性や速写性が失われます。また光学ズームは、高倍率になるほどレンズの明るさが犠牲になります。
 そして、ズーム搭載機を使うと、自分で「最も良い撮影位置を確保する努力」をしなくなる点も問題です。さらに、画角やズーム操作を気にすることで被写体への注意がおろそかになるとか、シャッターを押すまでに時間がかかって被写体の状況が変化してしまう…などの問題もあります。ズーム搭載機選択にあたっては、こうしたマイナス点も考えましょう。私は個人的には、スナップ目的のカメラに3倍程度の半端な光学ズームは必要ない、または「あってもなくても同じ」と考えています。超コンパクト機によるスナップ撮影…という使い方がメインなら、ズームレンズ搭載によるデメリットの方が大きいかもしれません。ここへ来て、単焦点の広角レンズを搭載した「マニア向けハイエンドコンパクト機」が発売されたのも、写真上級者にズームを嫌うユーザが多いという事実を反映しています。

 逆に、6倍以上、10倍とか12倍などの高倍率ズーム機は、それなりに面白い使い方ができます。スポーツの撮影、レースの撮影、野鳥観察など、高倍率ズームを必要とする撮影場面もたくさんあります。また特に目的を持たず、高倍率ズーム機を遊びに使っても面白いかもしれません。200o以上の望遠になると、通常の遠近感から外れた「視線方向に風景を圧縮した」感覚の独特の画像を楽しむことができます。ただし、高倍率ズーム機できれいに撮影するためには手ブレ対策が必要になります。最近では、手ブレ補正機構を搭載した高倍率ズーム機も増えてきましたが、初心者には歓迎すべきことです。
 さらにズームレンズは、「撮影画像のパースペクティブ」を変化させられる…というメリットがあるので、商品撮影時などには、3倍ぐらいのズームが搭載されていた方が便利に使えます。花や虫などのマクロ撮影を頻繁に行うケースでは、特にテレマクロが便利に使えるでしょう。
 あとデジカメの場合は、光学ズームと画像処理で拡大する「デジタルズーム」を意図的に混同して表記している例もあります。デジタルズームは、大きく画質が損なわれることを忘れないで下さい。

■撮像素子の種類

 光を電気信号に変換するのが撮像素子。人間の眼と同様の役割をする半導体デバイスです。デジカメに使われる撮像素子には、主にCCDとCMOSがあります(最近は「LBCAST」や「Foveon X3」など、新しいデジカメ用撮像素子も実用化されています)。
 まずはCCDですが、これは画素数(○○万画素と呼ばれる)、スキャン方式、画素配列、フィルターの種類(原色/補色系)、チップサイズ(画素ピッチ)など、様々なスペックがあります。
 現時点では、一般的に見てCMOSよりもCCDの方が美しい画像が得られます。またCCDの方が感度が高いので、暗い被写体に対してノイズの少ない画像が得られます(CANONのデジタル一眼レフ用高性能CMOSやSONYの大ピクセルサイズCMOSのような例外もあります)。CMOSを採用している製品は安価なトイデジカメが多く、普及機クラス以上のデジカメでは事実上CCD採用機しかないので、あまり気にする必要はないでしょう。
 画素数については別途詳述しますが、画素数が多いほど得られる画像の解像度は高くなります。スキャン方式にはインターレース(飛び越し走査)とノンインタレース(順次走査:プログレッシブ)があり、ノンインタレースの方が高画質。ただし、最近のデジカメ専用CCDは基本的に全てがノンインタレースです。画素配列は、回転処理などが容易な正方画素が一般的です。最近は見かけ上の解像度を上げるために素子を45度回転配置した「ハニカム構造」CCD(富士写真フィルム)も登場しています。

 さて、CCDスペックの中では無視されがちですが、画質決定にあたって、それなりに大きな意味を持つのが「チップサイズ」です。「300万画素2/3インチ(型)」とか「500万画素1/2.5インチ」とか「800万画素1/1.8インチ」表記してある中の「1/2.5インチ」「1/2.5型」という部分です。チップサイズ、すなわちCCDの素子面積は「ラチチュード」「ダイナミックレンジ」や「S/N比」に大きな影響を与える点に留意しましょう。チップサイズが大きい、つまり1つ1つの画素が大きいCCDの方が感度が高く受光キャパシティも大きいので、一般的にはノイズが少ないと考えて下さい。
 ただし、チップサイズの大きいCCDを盲目的に賛美するユーザーもいますが、「チップサイズが大きいCCDを使っているデジカメは絶対に高画質」とは言い切れないことも事実です。それどころか、最新のデジカメの多くは、チップサイズの違いなど感じさせないほど、ノイズ除去技術や画像処理技術が進んでいます。また、CCDのチップサイズを小さくすることで、デジカメのコストを下げることが出来るほか、低消費電力化、小型化にも有利です。最近のデジカメは搭載CCDのチップサイズを小さくする傾向にありますが、これには多くの理由があるわけです。
 デジカメの画質決定のパラメータは多様であり、チップサイズや画素数はあくまで画質決定要因の一部に過ぎません。従って、必要以上にチップサイズにこだわる必要もないでしょう(こちらを参照)。

 さて、一部のトイデジカメなどで多く使われているCMOSはどうでしょう。CMOSはCCDより低価格でしかも低消費電力であることから、トイデジカメだけでなく携帯電話搭載カメラなどに多く使われています。一般的にCMOSはCCDと較べて、感度、ダイナミックレンジ、色再現性などの性能が劣ります(一眼レフタイプなど一部高級機種用にCCD並の高性能CMOSが使われていますが、あくまで例外です)。従って、一般的にCMOS搭載機とCCD搭載機を比較した場合、CCD搭載機の方が美しい画像が得られる…と考えてください。

■画質決定のパラメータ

 「CCDの仕様・性能」、「画像処理回路」、そして「レンズを含む光学系の性能」…の3点が、最も大きな画質決定要因なります。

CCDの画素数
 現時点(2005年9月)ではハイエンドが700万画素以上、500万画素がメインストリーム、400万画素以下がエントリー…といったところでしょうか…。既に500万画素機の一部のエントリー機化が進みつつあり、逆に6〜800万画素機のメインストリーム化も進んでいます。コンパクトな700万画素機、800万画素機も次々に登場しています。こうした中で、300万画素以下のローエンドデジカメは、100万画素以上のCCDやAF機構の搭載が進む「カメラ付き携帯電話」との競合が始まっています。
 いずれにしても、日常的なスナップ用途、記念写真用途なら300〜400万画素あれば、とりあえずの鑑賞には十分です。そして現時点での私のお勧めは、安くなった500万画素クラス。現時点で最もコストパフォーマンスに優れる500万画素クラスの製品は、日常ユースの範囲内では、700万画素以上のハイエンド機となんら遜色のない画像が得られます。400万画素なら実売価格2万円台で、500万画素なら実売価格3万円台前半までで、かなり多くの製品が選択できます。
 さて、一般論としては「画素数が多いほど高画質」と考えても間違いではありません。しかし、「画質はCCDの画素数だけでは決まらない」というのも事実です。確かに画素数が上がれば解像度は上がります。情報量の多い画像が得られるわけです。しかし、問題は「ノイズ」です。例えば画素数が多くてもCCDのチップサイズが小さいと、ノイズの多い画像になりがちです。あくまで一般論ですが、素子面積の小さいCCDは1つの画素あたりの明るさ(受光キャパシティ)が足りないので、普通はより多く電気的に増幅する必要があります。これによってノイズも増幅され、いわゆる「荒れた画質」になることがあります。CCD素子の光学特性を改善したり、ノイズリダクション回路で改善することが可能ですが、本質的に解決しきれない部分もあります。さらに「解像度や収差など光学レンズの性能」の問題もあります。
 だからといって、画素数と画質の関係を無視してもよい…ということではありません。基本的には「多画素機種の方が情報量が多く高画質」であることは確かです。しかし、これは「画質」の定義にもよりますが、例えばチップサイズが大きい300万画素CCDの方が、チップサイズが小さい800万画素CCDよりも画質がよいケースなどもあるかもしれません(だからと言ってチップサイズの大きいCCDを使った機種が絶対に画質がよいとも限りませんが…こちらを参照)。また、画素数もチップサイズも同じCCDを使っていても、機種が異なると画質に差が出てくることがあります。画質の良し悪しは、サンプル画像を自分の目で見て直感的に選ぶのが一番です。
 最近は500万画素以上の製品が一般的になってきましたが、Web公開用から印刷原稿用(目的によりますが…)までを考えても、300〜400万画素あれば実用上は大きな問題はないはずです(こちらを参照)。逆に激安の800万画素不人気機種…なんてのも、狙い目かもしれません。
 まあ、入門用として初めてデジカメを購入する場合は、あまり安価でおもちゃっぽい製品ではなく、できれば500万画素以上のCCDを搭載した有名メーカーの製品を選んだ方が多目的に使えて使いやすいことは確かです。

フィルター
 いわゆる「原色系」か「補色系」か、という話です。ブルー、グリーン、レッド3色の原色フィルターに対し、イエロー、シアン、マゼンタ、グリーンの4色を配列したのが補色フィルター。イエロー、シアン、マゼンタがそれぞれブルー、レッド、グリーンの補色であることから補色系フィルターと呼ばれます。原色フィルターより補色フィルターの方が高感度ですが、色再現性は原色フィルターの方がよいとされています。
 ただ、最近のデジカメは画像処理系のチューニングによる発色結果が重要視されるため、あまりフィルターにこだわる必要はありません。極論すると、一般ユーザーにはどっちでもいいような話です。原色フィルター採用機の方が圧倒的に多いのですが、稀に補色フィルターを採用した高画質機、高級機も製品化されています。

画像処理回路
 デジカメで得られる画像において、画像処理回路の占める位置は極めて大きいのです。いわゆる「画像の雰囲気」のようなものは、どのように画像をチューニングするかによって大きく変わります。一見派手で発色のよい画像が得られる機種(記憶色重視型)と、一見地味な画像が得られる機種(色再現性重視型)とがあります。デジカメで撮った画像はフォトレタッチによってどのようにでも変えられるので、「素材」が欲しいのなら、出来る限り画像処理回路でのチューニングを抑えてある自然な発色の機種を選ぶべきです。反面、赤ちゃんや子供を撮った家庭内スナップなどそのままプリントする場合は、多少派手めの発色の画像が得られた方が、見栄えがするようです。
 機種別にチューニングが異なるので一概には言えませんが、メーカー別の傾向で言えば、発色が鮮やかなのがコダックや富士写真フィルム、反対に抑え目なのがニコン、キヤノン、中間的なのがオリンパス…などと、かつては言われていました。しかし、最新の機種で較べると、こうした「メーカー別傾向」はほとんどなくなったのが現状です。同じメーカーの製品でも機種によって発色の傾向は異なります。この発色傾向については、メーカーの公式サイト上のサンプル画像などを自分の目で見て、好みで選んでください。
 また、普及価格帯以上の機種であれば、発色傾向という面で実用上の大きな問題がある製品は存在しない…と考えてもよいでしょう。雑誌のインプレンション記事などにはいろいろと書いてありますが、現実的にはあまりこだわることはないと思います(発色についてはこちらを参照)。

光学レンズ系
 光学系、すなわちレンズは、オーバー300万画素の時代に入って、非常に重要な画質決定要素となっています。光学系の良し悪しの判断基準はフィルム式の銀塩カメラと同じです。すなわち、「(F値が)明るいこと」、「収差が少ないこと」、「解像度が高いこと」…などが、よい光学系の条件です。特に高倍率のズームレンズの場合、望遠側で明るさが足りない(F値が大きい)ことがあるので注意しましょう。
 ただ、光学系の良し悪しについては、一般ユーザが判断しにくいのも事実。高画質機を購入する際は、専門家のインプレッション記事などを参考にせざるを得ません。ただ、普及機以上で「この機種は光学系がダメ」という例はほとんどありませんから、ご心配なく。一般のユーザーは、あまり気にする必要はありません。

■バッテリー

 用途や利用場面を考えて、バッテリーの種類とバッテリー寿命に留意しましょう。
 まず、充電式の専用リチウム電池オンリーの機種は、出先でのバッテリー切れへの対応が難しくなります。あらかじめ充電済みのスペア電池を持つ方法もありますが、専用電池の場合は価格が高いのが問題です。長期的に見た入手性にも疑問があります。また、充電器の電圧仕様や電源プラグの形状によっては海外での利用ができない場合もあります。
 単三型のニッケル水素電池を使う機種は、電池も安くて使いやすいと思います。緊急用にアルカリ電池も使えるとなお便利だと思います。あとは、銀塩カメラ用の汎用リチウム電池を使う機種は、コストが高くはなりますがバッテリー寿命と入手性に優れます。旅先のカメラ店や海外でも入手できる点を評価します。
 旅行先でのバッテリー持続時間を重要視するなら、光学ファインダーの有無と使い勝手も重要です。液晶モニタをOFFにするとバッテリー持続時間は1.5〜2倍に延びます。バッテリー残量が少ない時には、光学ファインダーを活用することで省電力を図ることができます。また光学ファインダーは、視野率が高い製品を選びたいものです。
 ちなみに私は、海外旅行時には、旅行先での利便性や携帯性を重視して単三型ニッケル水素電池利用型のデジカメ(アルカリ電池も利用可能な製品)を持っていくことが多かったのですが、最近はバッテリーの種類にはあまりこだわらなくなりました。最近は、寿命も長く小型で高性能のリチウムイオン電池を採用した機種が増えてきたので、バッテリーの種類にはあまり神経質になることはないかもしれません(こちらを参照)。

■記録メディア

 スマートメディア、CF(コンパクトフラッシュ)カード、SD(MMC)カード、富士写真フィルムとオリンパスが採用するxDピクチャーカード、ほぼSONYだけが採用するメモリースティック(DUO含む)…の5種が中心。特に最近になって、スマートメディア採用機がなくなり、SDメモリカードとxDピクチャーカードを採用する機種が増えてきました。どの媒体を選んでも、使い勝手や価格はたいして変わりません。記録メディアの種類は、あまり気にする必要はないと思います。将来性や互換性、価格などいろいろな理由で、CFカード、SDカード、メモリースティックの3種が使いよいでしょう。
 またCFカード対応製品の一部に、小型HDD「IBM Microdrive」(バッテリーの消費は激しい)をサポートする機種もあるので、長時間撮影時や、高画質モードの大量撮影時には便利です。他に、記録メディアに新規格3.5インチMOや大容量FDDを採用するデジカメもありますが、現時点では一般ユーザの選択肢にはあまり入らないでしょう。
 また、初めてデジカメを購入する時には、同時に、予算が許す範囲でできるだけ大容量の記録メディアを購入しましょう。大量に撮影してもDPEコストが不要なのがデジカメのメリットです。メモリ残量を気にせずに大量撮影を楽しむためには、大容量のメディアを使った方がよいと思います。

■デザイン

 デザインは、デジカメ選択の最も重要な要素の1つです。しかし、こればかりは人それぞれ好みが違います。自分のフィーリングに合ったデザインの製品を選んでください。
 ところで、外観・形状で、すごく重要なポイントが1つあります。それは「グリップのしやすさ、ホールドのしやすさ」です。
 銀塩カメラでもデジカメでも、初心者が撮影に失敗する原因で最も多いのが「手ブレ」なのです。ピンボケと思っている写真の大半は、実は手ブレが原因。だから、よい写真が撮りたいのなら、撮影ポジションでしっかりホールドできて手ブレしにくい形状のカメラを選択すべきです。デジカメ購入する際には、必ず店頭で実機に触れて撮影ポジションで構えてみましょう。
 「頑丈さ」「耐候性の高さ」も重要なポイントです。デジカメは日常的に使うのならば、多少荒っぽく扱っても壊れない(壊れにくい)ものにすべきです。「工事現場用デジカメ」のような製品は必要ないと思いますが、メモリカード収納部やバッテー収納部のフタの部分など、壊れやすい可動部の作りには留意して製品を選びましょう。堅牢なデジカメであればこそ、毎日安心して持って歩くことができるのです。

 最後に、あくまで個人的な好みによる見解を繰り返しますが、日常的に使うデジカメは、小型で軽量の製品の方が利便性が高いと思います。デジカメに限らず「カメラは撮ってナンボ」です。写真を撮らなければカメラを持っている意味はありません。軽くて小さいカメラなら、日常的に持ち歩いてたくさんの画像を撮ることができます。メーカーや機能を問わず、「いつも持ち歩こう、たくさん写真を撮ろう」という気にさせてくれるカメラが、よいカメラです。

■カメラ付き携帯電話について

 最後にカメラ付き携帯電話についても触れておきます。最新のカメラ付き携帯電話の中には、200万画素でAF機能付きの端末や、マクロ機能を搭載する端末、ストロボを搭載する端末までが登場しています。既に、300万画素CCD搭載端末や光学ズーム搭載端末も発売されました。さらに、高品質の動画撮影が可能な端末も増えてきました。Exifをサポートしている例もあります。200万画素クラスのCCDを搭載する端末であれば、日常スナップ中心の用途なら、はっきり言って「完全にデジカメ代わり」として使えます。デジカメが欲しいと思ったとき、デジカメを購入するのではなく、手持ちの携帯電話端末を高機能カメラを搭載する端末に買い換える…といった選択も、十分に妥当性があると思います。
 ただ、200万画素とは言っても、携帯電話端末用カメラに使われる撮像素子はチップサイズの小さいものを使わざるを得ないので、感度やダイナミックレンジなどの点で劣ることになります。また、レンズでも大きな差が出ます。携帯電話搭載カメラは口径の小さいレンズを使っているため、レンズの収差などが出やすいのです。デジカメよりも起動時間や記録時間が長めなのも欠点でしょう。こうした差があるとは言え、パソコン画面でVGA程度に縮小して見たり、Lサイズ程度のプリントしたり…という使い方なら、ほぼ1〜2万円クラスの200万画素デジカメと遜色のない画像を提供してくれます。
 ただし、「写真を撮る楽しさ」や「カメラを持つことの喜び」…といった部分では、単体のデジカメを使った方が絶対に面白いと考えます。例え安価な200万画素機でも、やっぱり「デジカメはデジカメ」です。カメラ付き携帯電話では味わうことができない、「写真を撮る楽しさ」を味わうことができると思います。

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