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海外旅行に持っていくデジカメ  その1       ※ 逐次内容を追加予定

 私はレジャーやビジネスで海外旅行をする機会が比較的多く、旅行時には必ずデジカメを携帯して、かなり大量に画像を撮影します。海外旅行時に銀塩コンパクトカメラと併用する形でデジカメを使い始めたのは1997年頃からで、当時は小型・軽量のVGA機 Fuji「DS-10」をよく使いました。その後SANYO「DSC-X100」やFuji「FinePix1500」を愛用するなど、その時代ごとに小型・軽量機を選択して使ってきました。
 こうした経験を元に、海外旅行へ携行するのに適したデジカメの特性と、一般的な海外旅行時における写真撮影に関する注意点について、経験から得た独善的知識を書いてみたいと思います。
 ただし、私がよく訪れるのは北米大陸とアジア各地の都市部、ヨーロッパの一部に限定されているので、本文章には南米、アフリカ、豪州等での経験は含まれていません。また「電源も売店もない人跡未踏の秘境」へ行く…、というケースでは全く参考になりませんので悪しからず…(笑)。


■安全を考えると…

 実を言うと、「海外旅行に適したデジカメ」などというものはありません。「小型・軽量、バッテリー寿命の長さ」などが海外旅行向きデジカメの条件…などと言いますが、結局のところ自分が気に入ったデジカメ、使い慣れたデジカメを持っていくのが一番です。もし海外旅行のために初めてデジカメを購入する…というのなら、早めに購入して操作に慣れて下さい。
 また、旅行目的や旅行スタイル、渡航先などによって携行するデジカメに関する条件は変わります。最初から写真撮影自体が旅行の目的であり、作画用に一眼レフタイプのデジカメと画像記録用のノートPCを持っていく…などという人もけっこういるようです。高画質の写真を撮ることが海外旅行の最大の目的…という人ならば、重かろうと大きかろうと高画質のデジカメを持っていけばよいのです。でも、バックパッカースタイルで身軽に長期旅行…という場合には、重くてかさばるカメラを選択することはあり得ません。
 つまり、海外旅行で「どんな写真を撮るのか」「何のために写真を撮るのか」…という目的の問題になります。また、「旅行のスタイル」の問題でもあります。雄大な風景を美しく撮りたい…という人もいれば、街角のスナップを撮るのが目的…という人もいます。目的や使い方によって、最適なデジカメは変わります。ともかく最近のデジカメなら、対応電源の条件やバッテリー寿命の問題などを含めて、それなりに工夫さえすれば「海外で使えない」という機種はありません。

 さて、こうした話はともかく一般的に考えれば、海外旅行に持っていくデジカメは、やはり小型・軽量・堅牢で操作性のよい機種を選ぶのが基本でしょう。荷物は軽い方がいいし、現地で出歩く時にもカメラを持っていることが目立たない方が安全です。さらに、堅牢なボディとレンズ保護機構があって、ケースに入れずにハダカでポケットに入れて持ち歩けるデジカメなら、なお便利です

 「海外旅行で持ち歩くカメラは小さい方がよい」という最大の理由は、画質や操作性の問題ではありません。やはり、安全上の問題です。海外では、カメラを所有していること自体が、窃盗や強盗の対象として見られることが多いという事実については、言うまでもありません。アジアなどの所得の低い国ではカメラを持っていることが「お金持ち」であることを示していますし、アメリカの大都市部などでも、低所得者が多いダウンタウンではカメラを所有していることが、強盗被害の対象となりやすいことは確かです。
 また「ところ構わずカメラで撮影する」という行為が、観光客の懐を狙っている犯罪者に対して「用心していない」ということを示している…という問題があります。たとえ観光客が多い観光地であっても、カメラによる撮影行為は、出来る限り目立たないように行った方が、安全の度合いは高まります。カメラを持って街を歩く場合には、出来る限りカメラを持っていることがわからないようにした方がよいし、写真を撮影する場合にはサッとカメラを出して目立たないように手短に撮影した方が安全です。海外旅行に、小型で操作性のよいカメラをお勧めするのは、こうした理由もあるのです。起動時間や記録時間が短く、簡単・軽快に撮影できるデジカメなら撮影に要する時間も短くなり、衆人環視の中でカメラを露出している時間も短いので安全…ということです。また、くれぐれも、ネックストラップで首からデジカメをぶら下げて歩く…なんてことはやめましょう。
 
 私は、海外旅行で街歩きをする場合に、半日程度ならできるだけカバン類を持たずに手ぶらで歩くようにしています(真夜中のニューヨークで地下鉄でクラブ回りなんかを平気でやりますから…)。従って、私が要求する「小型・軽量デジカメ」とは「ポケットに入るサイズ」を意味します。また、東南アジアなど暑い地方や夏季の旅行ではジャケット類も着ません。そこで、ジーンズの前ポケットや綿パンのサイドポケットに楽に入るサイズで、堅牢なデジカメが理想です。
 私は、デジカメが普及する以前に、海外で銀塩コンパクトカメラを常用していました。小型でよく写るカメラをポケットに入れて海外の街を歩く…という私のスタイルは、銀塩カメラの時代から変わっていません。

 まあ、一般的には小型のバッグ類を持って歩くケースが多いでしょうから、そこまでの小型・軽量を求める必要はないでしょう。とはいえ、スナップ撮影を目的とする旅行用デジカメとしては、バッテリー込みで200g以下の製品が1つの目安です。気軽に持ち歩くためには、上限でも250gと考えてよいでしょう。手持ちのデジカメの例で言えば、Kodak「DC3800」やNikon「COOLPIX2500」、そしてKonica「KD-300Z」などバッテリー込みで200g前後のデジカメならば、なんとかポケットに入れて持ち歩けます。バッテリー・メディア込みで120gしかないSONY「DSC-U10/20/30」や、さらに軽いCASIO「EX-S20」、総重量145gのFiji「FinePix F402」あたりなら、携帯性は完璧です。シャツのポケットやジーンズのポケットにも入りますから、カメラを持ち歩いていることを周囲の人に知られずに済みます。。しかし、約300g近くになるSANYO「DSC-MZ1」や300gをちょっと超えるSONY「DSC-V1」あたりだと、持ち歩くにはなんとなく大きくて重過ぎるし、目立つ感じがします。
 むろん、このあたりの重量感覚やデジカメ携帯方法などについては個人差がありますので、実際に長時間持って歩いてみて自分で決めてください。大きくて重いカメラを持ち歩くことは全く苦痛じゃない、かえって楽しい…という方なら、無理に小さいカメラを購入する必要はありません。
 デザインも重要なファクターです。個人的には、いつでも撮影できるようにケース等に入れずに裸でポケットに入れて持ち歩くことが多く、レンズ部が収納されるタイプ、レンズバリヤーを備えているタイプの方が使いやすいことは確かです。シャッターチャンスを逃さないし、バッグから出す動作がないのでさりげなく撮影でき、周囲に目立たず安全です。

 もうひとつ、「なるべく安いデジカメ」というのも、1つの選択基準になるかもしれません。高価なカメラを持っていくよりも、落としたり壊れたり、そして盗難にあったりしてもダメージの少ない安価なカメラを持って行く方が気が楽です。ただし、トイカメラの画質は論外。せっかくの旅行だからある程度の画質で記録したいのが人情です。そうなるとやはり、安いとは言っても実売価格3〜4万円程度の200〜300万画素機あたりが選択にあたっての目安になります。

■電源とバッテリー

 小型のデジカメはバッテリーも小さいわけで、その意味では「小型であること」と「バッテリーが長持ちすること」は矛盾する機能となります。バッテリー込みで200g以下の重量のデジカメは単三または単四ニッケル水素電池を2本使うタイプか、または専用のリチウムイオン電池を使うタイプが中心になります。
 「緊急時を考えれば単三アルカリ電池が使える製品がいい」と書いてある例が多いのですが、必ずしもそうとは限りません。「充電用のAC電源が利用できるホテルに泊まる」という旅行ならば、充電式のリチウムイオン電池を使うデジカメでも特に問題はありません。毎日ホテルに帰って充電することを前提とすれば、要するに丸1日の撮影に電池が持てばよいわけですし、確実を期すのなら予備電池を持ち歩けばよいのです。また、滞在先で充電する場合、単三型ニッケル水素電池でもリチウムイオン電池でも充電の手間と条件は同じです。
 また緊急用の単三アルカリ電池というのは、必ずしもどこでも入手できるわけではないので、単三型電池対応にこだわる必要はあまりないと思います。海外対応の充電器を使えないような場所では、単三電池だって簡単には入手できません。私は旅行先の中国の地方都市で、単三電池をどうしても買えなったことがあります。ともかく自分のデジカメが電池交換なしで撮影可能なコマ数を正確に知っておくこと、心配ならスペアバッテリーを持って歩くこと…が基本です。
 例えば、フル充電で60枚程度しか撮影できないので「バッテリーの持ちが悪い機種」…と言われているKonica「KD-300Z」を実際に海外に持って行きましたが、スペアバッテリーを持っていたおかげで問題なく100カット以上の丸1日の撮影をこなすことができました。だいたい、通常のスタイルで1日に100枚以上撮影できる機種なら、特にストレスを感じることはありません。
 とは言っても、リチウムイオン電池の場合でもニッケル水素電池の場合でも、電池が長持ちする機種の方が安心なのは言うまでもありません。手持ちのデジカメの例では、Nikon「COOLPIX2500」などは小型のリチウムイオン電池を採用しているにも関わらずフル充電で120枚は楽に以上撮影できますし、Kodak「DC3800」の場合も1700mAの単三型ニッケル水素電池2本で120枚以上の撮影が可能です。小型リチウムイオン電池を採用するFiji「FinePix F402」に至っては、使い方もよりますが300枚以上の撮影が可能です。この程度の電池寿命があれば、予備電池を1組持っていれば、1日に相当な枚数を撮影するケースでも問題なく対応できます。最近のデジカメの中には、FUJI「FainPix A201」のように液晶OFFなら5000枚も撮影可能という極端な機種もあります。SONY「DSC-U10/20/30」も、単四型ニッケル水素電池2本で500枚以上の撮影が可能です(時々再生したりすると、800mA×2で200〜300枚前後の撮影枚数になります)。
 また単三型電池2本タイプなら、「CR-V3型リチウム電池」というカメラ専用のリチウム電池に対応している機種を選ぶのもよいでしょう。ニッケル水素電池2本なら70〜80枚程度しか撮影できなくても、CR-V3を使うと150枚以上撮影できる…という機種も多くあります。またCR-V3型電池は、海外でも大都市のカメラ店ならほぼ確実に入手可能です。
 なお、バッテリーの残量が心配な場合は液晶モニタをOFFにし、できる限りストロボを使わずズーム操作も控えることで、消費電力を大幅に減らすことができます。液晶モニタを常用する場合とOFFにする場合では、電池寿命が2倍近く変わる例が多いようです。その意味では、光学ファインダーが付いている機種は安心です。自分のデジカメの「省エネ撮影法」について、よく研究しておきましょう。
 さて、滞在先ホテル等での充電についてですが、最近のデジカメに添付されているリチウムイオン電池の充電器やニッケル水素充電器は、たいてい100〜240Vに対応しています。私が実際にデジカメを持って行ったアジア、アメリカ地域の都市部及びヨーロッパの主要都市に限定すれば、これで対応できなかった場所はありません。他の地域でも、ごく一部の例外を除けば、100〜240V対応の充電器があれば間に合うはずです。
 むしろ、電源プラグが問題になることがあります。こちらこちらのサイトを見て、訪問先国や地域のAC電源の電圧とプラグ形状を調べておき、必要なら電源プラグ変換アダプタや専用の電源ケーブルを持っていけばよいのです。

■撮影した画像の保存

 個人的には、仕事で海外に出かけるケースが多いので、たいていの場合ノートPCを持参します。従って、撮影画像の保存についての問題はありません。しかし、一般的にはノートPCなど持っていかない人の方が多いでしょうから、そうなると大量に撮影したい時には撮影画像の保存をどうするか…という問題が生じます。
 HDDを内蔵しバッテリー駆動が可能なモバイル・ストレージ機器もありますが、いずれもかなりのサイズ・重量の上、利用形態は限定されます。重量が大して変わらない点と使い勝手の問題を考えると、「VAIO-U」や旧型リブレットのような1kg以下の小型軽量パソコンを持っていった方が合理的でしょう。
 いずれにしても、PCを持っていかないとなると、基本的には「可能な限りたくさんのメディアを持っていく」ことしか大量撮影への対応の方法がありません。しかし、メディアを大量購入するにはお金がかかります。ここで考えてみましょう。同じ容量のメディアでも、撮影画像のデータ量によって記録枚数が異なる…という点がポイントです。また、同じデジカメでも撮影モードによって1画像あたりのデータ量が異なる…という点も重要です。

  ◆画質がよくデータ量の少ないデジカメを選ぶ
  ◆最高画質で撮影するのではなく、画質とデータ量のバランスがよい撮影モードを選択する

 結局、どの程度の画質を許容するかという問題になります。Webサイトでの公開が目的だからといって、VGAモードだけで撮影するのも、後で撮影画像を鑑賞する際に不満が残ります。
 私は、海外旅行の記録用画像の画質は、基本的に「200万画素機の最高画質モード」を基準に考えればよいと考えます。200万画素あれば、A4サイズにプリントする…といった目的でもない限り、ほとんどの用途に十分な画質が得られます。200万画素機の場合、1600×1200の画像サイズ、最高画質モードで、128MBのメディアを使うと120〜140枚の画像を撮影できる…という機種が多いようです。安価な128MBのメディアを2枚持っていけば、機種にもよりますが200〜300枚の画像が撮影できるわけで、とりあえずは普通の人が1日に40〜50枚撮影すると考えると、1週間の海外旅行で撮影するのはこの程度の枚数で十分ではないか…と思います。

 もっとたくさん撮影したいという場合、選択肢は3つあります。

  @記録メディアをたくさん持っていく
  A撮影画質(解像度)を落とす
  Bデータ量が少ない(圧縮率の高い)撮影モードで撮影する

 @はお金がかかります。そこで、AかBを選択するのがリーズナブルな方法です。実際に海外で使ってみた私の手持ちの小型デジカメを例に、いろいろと見てみましょう。

 例えば、Nikon「COOLPIX2500」やSANYO「DSC-MZ1」の場合は、128MBのCFカードを使って最高画質で120〜130枚撮影できますが、Kodak「DC3800」の場合は最高画質の圧縮率が高いため、128MBで250枚近く撮影可能です。しかし、その「COOLPIX2500」も画質を一段落としたNORMALモードで使うと、128MBのCFカードで250枚近く撮影できます。
 従って、1回の旅行で最低500枚を撮影したい…、しかし持っていくCFカードは128MB2枚が上限…という場合、画質優先で考えると、「COOLPIX2500」のNORMALモードと「DC3800」のFINEモードの比較…ということになります。ちなみに、この場合どちらでも画質に大きな差はありません。128MBのカード2枚で500枚の撮影ができるのなら、1週間以内の旅行なら十分という人が多いでしょう。
 また手持ちのカメラの例で言えば、300万画素の「KD-300Z」などは、TIFFを除く最高画質のSUPER FINEモードでは1枚あたり1.5MBに達し、128MBのSDカードで65枚前後しか撮影できません。しかし、次の画質であるFINEモードなら800KB前後に過ぎず、300万画素を活かす2048×1536dotの画像でも、128MBのSDカードで120枚以上撮影することができます。実際に、旅行の記録画像としてはこのあたりで十分な画質です。むろん画像サイズをもっと落とせば、さらに画像データ量を下げて撮影枚数を増やすことが可能で、1600×1200dotでも200万画素機レベルの画像を撮影することができます。このレベルの画像なら、パソコン上で鑑賞するのはむろん、2Lサイズ程度のプリント出力をしても十分にきれいなはずです。
 Fuji「FinePix F402」も、200万画素機ながら画像データサイズが小さいので海外旅行向きの製品です。128MBのxDピクチャーカードなら、2Mモード(1600×1200)で319枚も撮影できます。実際に短期間の中国旅行に持って行きましたが、起動が速く軽快で、使い勝手も画質もバッテリー寿命も申し分ありません。高感度撮影が可能なので、夜景スナップや室内撮影に強い点が特に良かったですね。
 SONYの「DSC-U30」もいいですね。今のところ、私の海外旅行用デジカメのベスト機の1つです。旅行記録に十分な画質の200万画素機ながら、1枚あたりの画像データ量は500KB以下で、64MBのメモリースティック1枚で1632×1224dotの画像を122枚も撮影可能です。また、「DSC-U30」は、256MBのメモリースティックPROが利用でき、これなら約450枚の撮影が可能です。1週間以内の旅行なら、256MBのメディア1枚で十分という方も多いでしょう。現行デジカメとしては最小に近い製品サイズ、入手しやすい単四型リチウムイオンバッテリーの採用、長いバッテリー寿命、そして1秒という高速起動…等々、よほど画質にこだわる人でない限りは海外旅行には最適のデジカメの1つと言えます。実際に私は、DSC-U30を持って行ったバンコクでの6日間で300枚以上を撮影しましたが、1枚の256MBのメモリースティックPROで十分に間に合いました。
 出力画素数を130万まで落としてもよいのなら、SONY「DSC-U10」も悪くありません。「DSC-U10」なら、64MBのメモリースティック1枚で1280×960dotの画像が180枚以上撮影できます。200万画素の「DSC-U30」と比較すると明らかに画質は落ちますが、旅行の記録画像としては十分な水準の画像が得られる上、携帯性では圧倒的に優位です。ブリュッセル、パリの街で「DSC-U10」で1週間ほど連日200枚程度撮影しましたが、バッテリーやメモリ容量を気にすることなく、非常に軽快に大量のスナップを撮影できました。画質についても、街角スナップには十分だと感じました。
 さらに手持ちのコンパクトデジカメの使用例を続けるなら、200万画素のCASIO「EXLIM EX-S20」あたりも、海外旅行での携帯に利便性が高いでしょう。ともかく電源ONから一瞬で撮影できるので、撮りたいものがあった時にサッとポケットから出して撮影することができます。シャツの胸ポケットやジーンズの前ポケットにも楽々入れておけるこのシリーズの製品は、もともと小型デジカメの代表的な存在でしたが、EX-S20になってマクロ機能やレンズシャッターが搭載され、単焦点メモカメラとしての使い勝手が大幅に向上しました。パンフォーカスなので遠景描写に若干の不満がありますし、マクロの使い勝手にも問題はありますが、街中のメモ撮影用途には最高です。実際に冬の北京で大量のスナップ撮影に使いましたが、良好な操作感で楽しく撮れました。画像1枚あたりのデータ量は大きめですが、256MのSDカードを使えば最高画質で200枚以上撮影できます。

 こうして見ると、旅行用デジカメの撮影可能枚数を検討するときには、画像1枚あたりのデータ量はむろん、最高画質以外の撮影モードでの画質に関しても情報を集めておくことが重要になります。
 いずれにしても、個人的には海外旅行に持っていくデジカメは、撮影画像のデータ容量が適当な「高画質の200万画素機」「小型軽量の300万画素機」あたりが適していると考えています。200〜300万画素クラスのデジカメなら、256MB程度のメディアを1〜2枚持参すれば、毎日かなりの枚数(50〜100枚程度)を撮影するとしても、パソコンなどのストレージ機器を持たずに1週間〜10日程度の旅行をすることが可能です。例えばCFカードやSDカードなら256MB(または128MB×2)でも1万円を大幅に下回る価格で購入できるので、妥当な出費だと考えます。
※ ここで挙げたデジカメを使って実際に海外で撮影した画像は、サイト内で公開しています。


■レンズの画角とズームの必要性

 「海外旅行では風景写真を撮る機会が多いので、広角寄りのズームレンズを搭載した機種が向いている」…などという意見も多く見られます。しかし個人的には、レンズの画角など何ミリでも構わないし、ズームだってあってもなくてもどちらでも良いと思います。基本的には、「でかいズーム機」よりは「小型の単焦点機」を選択すべきでしょう。同程度のサイズ・重量の機種で、ズーム機と単焦点機がある場合は、好みで選んでください。
 私は、個人的には「広角系の単焦点レンズ」のカメラが好きです。だからKodak「DC3800」などは、スナップ撮影目的ではすごく使いやすい機種です。SONY「DSC-U30」も、DC3800と同じく33ミリの広角系単焦点で、スナップや風景写真には向いています。Fiji「FinePix F402」も単焦点レンズ機ですが、こちらは広角系ではありません。しかしDC3800よりもさらに軽量で接写にも強く、旅行向けの機種と言えます。まあ私の場合、ズームレンズを搭載している機種でもそれなりに使うし、単焦点カメラならそれが35oでも40oでもそれなりに工夫して使うということです。画角にも光学ズーム搭載の有無にも、あまりこだわりません。

 海外旅行における携帯時の利便性を考えれば、私にとっては、レンズの画角やズームの有無などという問題よりも、小型、軽量、高画質、長バッテリ寿命、良好な操作性、堅牢性…などの各スペックのバランスがとれていることの方がずっと重要です。デジカメの好みや撮影目的に個人差はあるでしょうが、こうした基本スペックのバランスを見た上で、レンズの画角に対する好みやズームレンズの必要性などを考え合わせて選ぶのがよいと思います。
 例えば、画角が28oからの高倍率ズームを搭載しているからといって、例えば「DiMAGE7」のようなバカでかいカメラを持って海外の街を歩く気にはなりません。むろん、ボディとレンズを併せると1Kgに達するようなデジタル一眼レフなど、持ち歩くのは真っ平です。「極端に高画質の写真を撮影することが目的」という場合を除けば、海外旅行で必要以上に大きなカメラを持って歩く理由はないはずです。安全上の問題や荷物の軽量化の必要性を考えれば、海外旅行には、携帯しやすく操作性の良いカメラを持っていくべきでしょう。

■緊急用に「写ルンです」を有効活用する

 これは要するに、「バッテリー切れなのに、充電できる状況にない」「単三電池を使い切ったのに、電池を売っている店がない」といったケースへの対応の問題です。また、「デジカメが故障した」というケースも考えておいた方がよいかもしれません。
 私は海外旅行時の緊急撮影用として、「写ルンです」のような銀塩タイプの使い捨てカメラ(レンズ付きフィルム)を持っていくことをお勧めします。特にアジアの辺境地帯などを旅行する場合、40枚撮りタイプを2個ぐらいバッグの隅にでも入れておくと安心です。急に電池が切れたケースや、安いゲストハウスに泊まるなどしてバッテリー充電用の電源を使えないケースなどで、慌てて単三電池を売っている場所を探すよりも、「写ルンです」で撮る方が現実的な解決法です。それに「写ルンです」なら、落としても壊してもダメージが小さい…というメリットもあります。適当な相手に渡して「自分を撮ってくれ」と頼むときでも、そのまま相手が持ち逃げしても悔やむことはありません。そして、万一デジカメが壊れたり盗難にあったりした場合などでも、予備の「写ルンです」があれば写真を撮り続けることができます。

 「写ルンです」で撮った画像は、そのままスキャンしてCD-ROMにデータを焼いてもらうことができるので、帰国後にデジカメ画像と同じように扱うことが出来ます。「写ルンです」で撮影したフィルムをスキャンした画像は、下手な200万画素機の撮影画像よりも画質がいいかもしれません。「写ルンです」の撮影画像データ化とその画質については、こちらを参照して下さい。
 なお、「写ルンです」のようなレンズ付きフィルムではなく、安価で軽量な「銀塩コンパクトカメラ」と数本のフィルムを非常用として持っていくのも1つの手です。銀塩コンパクトは最近ではかなり安価になり、AF機構とズームが付いたカメラが、量販店の安売りで1万円以下で購入できたりします。
 ともかく、電源に関する情報がない場所や電力供給状況が安定しない国など、辺境地域へ行くほど銀塩フィルムカメラの方が安心して使えます。私はかつてバックパッカースタイルでアジアの辺境地域を安宿に泊まりながら数ヶ月に渡って旅行したことがありますが、部屋にコンセントなど無い宿も多かったですね。現在でも、また同じスタイルで旅行をするのなら、デジカメではなく銀塩コンパクトカメラを持って行きます。デジカメは、あくまで「文明圏」を旅行する時に使う道具です。逆に言えば、ニューヨークやサンフランシスコ、バンコクや香港などに1ヶ月滞在する…という旅行なら、バッテリーや電源周りのパーツや記録メディアなど、あらゆるものを現地調達できるので、どんなデジカメを持っていっても構わないわけです。

■持ち込み台数にも注意

 国によっては、無税で持ち込めるデジカメの台数に制限がある場合があります。「2台以上の持込には関税がかかる…」という国があるので、注意してください。さらに、特に制限がなくても、いかにも高価な新品の一眼レフデジカメなどを持ち込むと、税関で根掘り葉掘り聞かれるケースがあります。私は銀塩一眼レフを2台持っていて、アメリカのシカゴの税関で用途などをしつこく聞かれた経験があります。要するに「売るために持ち込んだ」…と見られる可能性があるということです。
従って、複数台のデジカメを持っていく場合には、相手国の税関手続きについてよく調べておく必要があります。また、出来るだけ「使い込んだ手回り品」という感じで持ち込む方が、トラブルが少ないと思います。




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