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幸福のコイン、ペニー銅貨と「ギザ十」    2002/7/5

■ギザ十を集める人々

 この画像は、昭和27年発行の「ギザ十」です(CP2500で撮影)。むろん私が生まれる前のコインです。
 私は「ギザ十」を集めています(笑)。いや…、別に意識して集めているわけではありません。最近の駅の切符の自動販売機などは、この「ギザ十」を通さないので、これだけが返却口に落ちてくるのです。それでよく見ると、「ギザ十」ってわけです。こうして自販機で使えない「ギザ十」をオフィスのデスクの引き出しに入れておいたら、知らないうちに溜まった…というわけです。
 「ギザ十」とは、昭和26年から昭和33年まで製造された、ヘリに溝が刻まれた古い十円玉のことです。この溝は全部で108本あるそうです(小学校の頃に遠足のバスガイドさんから聞いた記憶があります)。昭和31年だけは発行されていません。この「ヘリに溝が刻まれた古い十円玉」のことを「ギザ十」と呼ぶことを知ったのは、10年ほど前のことです。私が子供の頃には「ギザ十」などという呼び方はされていませんでした。
 「ギザ十」には愛好家というか、収集家がたくさんいるようです。「ギザジュウクラブ」を始め、収集家のサイトがたくさんあります。13,000枚以上集めている人がいるのには驚きました(なんと13万円分ですね…笑)。
 「ギザ十」が手許にくると「幸運の印」といって喜ぶ人も多いようです。この「ギザ十」とよく似た存在に、アメリカの古いペニー銅貨(1セント銅貨)があります。

■幸福のコイン

 アメリカ人にとってのペニー銅貨は、「ラッキー・ペニー」などとも呼ばれ、「幸運のコイン」とも考えられています。アメリカントラッド・ファッションの定番でもあり、日本で女子高生が履いていることでも知られるスリッポンタイプの靴、ローファーは、「ペニー・ローファー」とも呼ばれます。ローファーのフロント部分の飾りの隙間にペニーを挟み込んで、日本のお守りのように使うことから、こう呼ばれるようになりました。また、道に落ちているペニーを拾うとラッキーなことがあるとも言われています。それも、年式が古ければ古いほうが幸運なんだそうです。ただし、ただ落ちているだけではダメで、「ヘッズ」状態、つまり表向き(リンカーンの顔の面が上)じゃないといけないそうです。ジョン・トラボルタ主演の映画「グリース」の中でも、この話が歌われていました。
 映画と言えば、「THE FIVE PENNIES」(邦題「5つの銅貨」)という映画をご存知の方は多いでしょう。ルイ・アームストロングなども出演し、同名のサウンドトラックは、ジャズのスタンダードナンバーにもなっています。映画の中で歌われる「5つの銅貨」という歌は、「希望、夢、踊り、笑い、愛」を5枚のペニーに例え、この5枚のペニーを手に入れたときに本当の幸せになれるんだ…と歌っています。アメリカ人がペニーを幸運のコインと考える理由がこの映画にあるのか、逆にずっと昔からペニーが幸運のコインだと言われていたからこの映画が作られたのか…、詳しいことはわかりません。
 そんなわけで、アメリカには「ペニーの収集家」という人たちがけっこういます。

■ペニー・コレクション

 現在使われているペニーが、いつ頃から発行されているのかは知りません。ただ、1940年代、50年代には、ペニー硬貨で遊べる「ペニー・アーケード」という一種のゲームセンターが全米のあちこちにありました(現在はディズニーランド内に再現されています)。スロットマシンなどが置いてあり、当初は全てペニーだけで動くマシンだったとのこと。…ってことは、第二次世界大戦の頃には既に現行のペニーがあったことは確かです。
 ところで私も、そのペニーのコレクションを持っています。むろん、これも意識して集めたものではありません。アメリカで生活したり長期旅行をした経験のある方はわかると思うのですが、ペニーって、けっこう溜まって困るものです。短期間の旅行なら、ホテルやトイレのチップなどに使えばいいのですが、ホテルのチップでも大量に置くのは失礼なもの。ましてや滞米生活が長くなるとやたらと増えるペニーの使い途に困るのです。
 で、ある時私はニューオリンズに行きました。観光の街であるニューオリンズはスーベニアショップが多く、特に南北戦争時代の日用品なんかをお土産として売っています。古戦場で掘り出されたライフルの弾丸(薬きょう)なんてのも売ってます。南北戦争時代の硬貨や紙幣もたくさん売ってます。そんな中に、古いペニーをたくさん売っている店を見つけたのです。1940年代あたりののペニーを、10セントとか20セントで売っているのです。
 それを見てから私は、手許にあるペニーを年代順に1枚づつ集めようと思い、1980年以前のペニーを全て年代順に1枚づつ集めました。集める…といっても、自然に手許に溜まったペニーを時々チェックしていただけです。手持ちのペニーでいちばん古いのが何年のだったかは忘れましたが、確か1950年頃のペニーまでは持っていると思います。
 そういえば、アメリカで流通しているペニーを良く見ていると、カナダ硬貨のペニーが混ざっているから面白いですね。ニューヨークなどでは、だいたい10〜20枚に1枚がカナダコインです。表にはリンカーンではなくエリザベス女王が、裏にはメープルリーフが刻印されていますが、ちょっと見ではわかりません。お釣りなんかに混ざって流通しているのですが、受け取るとチップなどでこっそり使ってしまうようです。

■ペニー・クラッシャー

 ペニーの収集といえば、もう1つありますね。あのアメリカの観光地には必ずある「ペニー・クラッシャー」で潰した記念コインです。まずは潰すためのペニーを1枚入れ、料金としてクォーター(25セント)を2枚入れ、大きなレバーを手で回して模様を刻印するヤツです。あの機械は、「ペニー・スーベニア」「ペニー・プレス」などとも呼ばれています。
 私もいくつか持っています。「ペニー・クラッシャー」って、ひと頃よりは見かけなくなりましたが、それでも目立った観光地や博物館、水族館などには必ずあります。ニューヨークならエンパイアステートビルの展望台、シアトルならスペースニードルの展望台などにたくさん置いてあるし、シカゴならシアーズタワーの展望台にも置いてあります。サンフランンシスコはフィッシャーマンズ・ワーフで何台も見かけます。私の持っているペニーで貴重なモノは、ニューヨークのセントラルパークの中にあるZoo(動物園)で潰したヤツです。これは1980年代の半ばには撤去されちゃったので、けっこう貴重かも…と思ってます。  このクラッシュしたペニーの専用ホルダーを売っているサイトを見つけました。通販でも購入できるそうなので、2つほど買ってみようと思っています。
 また、クラッシュしたペニーの収集家はアメリカ人にもたくさんいるようで、専門サイトがたくさんあります。特定のテーマで集めている人もいますよ。


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