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クレジットカード不正使用事件    2001/5/25 ■事件の発端 　実は私のクレジットカードに関して、ちょっと面白い出来事がありました。 　今年の1月分のクレジットカード（Master Cardと提携している国内大手銀行発行のカード）の請求明細書の中に、遣った覚えのない請求金額があったのです。海外の見慣れない会社からの請求でしたが、金額は589.4ドル（日本円で約7万円）です。それで、早速カード会社に対して「私はこんなお金使った覚えがない」と異議を申し立てました。 　カード会社にこの明細に相当するインボイスまたは私のカード使用を証明する「控え」を送ってくれるように依頼したところ、「MasterCardに元請求書を送ってくれるように依頼するので1ヶ月ぐらいかかる。その間に請求明細書にある金額は口座から落ちてしまうが、私どもの会社でその金額を立て替えておく」…という誠意のある対応をしてくれました。 　さて、数日前にそのMasterCardからのインボイスが、カード会社経由でで送られてきました。「WEB HOSTING」という、その名の通りアメリカのレンタルサーバー会社からのインボイスです。要するに誰か知らない人が、私の名前とカード番号を使ってレンタルサーバーを借りる「ホスティングサービス」を申し込んだのです。この会社自体は、サイトを見ても普通の会社らしい。インボイスには確かに、私の名義のカード番号と住所、申込者として私の名前が書いてありました。ただし、連絡先のメールアドレスは私の知らないものであり、電話番号も微妙に変えてありました。直接私に連絡が来ないように小細工したのでしょう。 ■犯人はロシア人？ 　「WEB HOSTING」社からのインボイスには、その人間が取得したドメイン名の記載がありました。「droch**.net」というドメイン名です。また連絡先のメールアドレスは「y_kunista@mail.ru」となっていました。 　そこでまず私は、「droch**.net」とうドメインの取得者をドメインサーチで調べてみたのです。すると「Kunitsa, Vladimir」という名前の人が取得しています。「ウラジミール」ってロジア人の名前だぜ…って思い、何となく面白くなってきました。そういえば、「y_kunista@mail.ru」っていう連絡先のメールアドレスの「.ru」ってロシアです。 　次は、「droch**.net」というドメインが何に使われているかです。そこでブラウザに「http://www. droch**.net」と入れてみたところ、思った通りポルノサイトです。しかも大規模な有料ポルノサイトでした。 　そのポルノサイト（英語版）には、BBSが設置してありました。そのBBSは書き込み者のIPアドレスが表示されるタイプです。BBS上のやり取りの中で、管理者らしき人物が質問に答えている部分があります。そこに表示されていたIPアドレスを調べてみました。なんと、それはロシアのプロバイダのIPでした。これでどうやらはっきりしました。私はロシア人にクレジット番号を不正使用されたらしいのです。うーん… ■電子商取引に潜む危険 　今度は「ロシア人」と「クレジットカード」というキーワードで、googleで情報検索を行うと、こんなニュースが出てきました。「昨年末から今年3月ころにかけて、ロシア人のハッカーグループが世界の電子商取引関連市場から大量の個人データを盗んだ」。このニュースの元ネタはCNNのニュースのようです。詳しくするために、CNNニュースサイトで直接検索しました。すると、「ロジアのハッカーグループによって盗まれたクレジットカードは100万人分以上」とか、「CDのオンライン販売会社から30万人分の顧客データが流出してばら撒かれた」…などのニュース報道がありました。 　私のクレジットカードが最初に利用されたのは今年の1月です。どうやら時期的に見てこのロシア人ハッカーグループの被害にあった可能性があります。 　私は複数枚のカードを所有しており、かなりの頻度でクレジットカードを利用します。年に数回は海外で使いますし、また海外通販も頻繁に利用しています。海外サーバーのホスティングサービスも利用しており、このクレジットカードで決済しています。国内外でのクレジットカードの利用時に個人データが流出する危険性がある話は、よく聞いてはいました。何でもお店でオンラインで使う「CAT端末」にチップを埋め込むという話もTV番組で見たことがあります。しかし、こうした形で自分の個人データがあっさりと流出して使われるとは思っても見ませんでした。 　こうした事情が判明した後、カード会社に連絡してカードの番号を変更してもらうことにしました。幸いなことに、私のカード会社とMasterCard間の話もついたようで、結果的に金銭的な被害を蒙ることを食いとめることができました。 　むろん、判明したロシアのプロバイダには利用者の照会をするつもりです。ともかく私の名前でサーバーを借りてポルノサイトを運営しているロシア人（らしき人物）には腹が立ちます。このサイトをなんとか潰せないかと、いろいろと考えているところです。

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