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August 30, 2005

海に行かなくなった夏

 私にとって、「夏は海」です。幼いころから毎年家族で訪れた静岡県の弁天島海水浴場、母親が私と妹をよく連れて行ってくれた知多半島の新舞子や内海の海水浴場、小学生の頃に親戚の家に泊まりこんで毎日通った三重県津市の御殿場海水浴場、ニューヨークの冷房のないロフトに住んでいた頃、地下鉄で毎日のように通ったコニーアイランドやロッカウェイビーチ、そして20代以降は友人とヨットに乗ったりバーベキューをして一夏を過ごした葉山の森戸海岸や人の少ない一色海水浴場、長者が岬での磯遊び。女の子と付き合っていれば、夏はいつも「海へ行こう」だけで事足りました。潮の香、ヤドカリやウミウシなどの磯の生き物、ビーサンで歩く焼けた砂の感触、海の家のまずい焼きそば、水着の女の子の歓声、そして沈む夕日にくっきり浮かぶ富士山のシルエット、葉山の中華料理屋「海狼」やフランス料理の「ラ・マレード・チャヤ」で友人と過ごした夜。「魚寅」も美味しかった…
 ところが、40代の半ばを過ぎたあたりから、海へ行くことがほとんどなくなりました。アウトドアでの遊びがが嫌いになったわけではないので、山やキャンプには行きます。海岸を車で走って、景色のいい場所で降りて海を眺めたりもします。でも、炎天下の海岸で、彼女と一緒に水着姿で1日ボンヤリ過ごす…というスタイルが、年をとるとともに億劫になってきました。
 海へ行かなくなる…ということは、私にとって「若さを失っていくこと」と同じことだったのかもしれません。数年前から、何となくそんなことを考えてきました。そして同時に、一つのプランが頭の中で形作られつつあります。
 それは、自分の住まいを海岸に移す…ということです。現在私は、まあ都心に近い場所に住んでいます。都市のライフスタイルは心底好きです。以前は、年をとったらもっと街中に住もうと考えていました。新宿とか池袋の駅から徒歩5分以内ぐらいに住もうと考えてきました。そんな私ですが、昨年あたりから「海の近くに住みたい」という気持ちの高まりを抑えきれなくなってきました。
 今、引越し先として考えているのは、やっぱり三浦半島あたり。都市の喧騒も感じられるし、都心にも比較的近い。当然ながら、完全に田舎に引っ込んでしまうと仕事に影響が出ます。とりあえず交通の便もいい厨子駅に近いところあたりで、本気でマンションでも探そうと思っています。秋から冬に決めて、来年の夏までに引っ越しできたらいいなぁ…と真剣に考えてます。

投稿者 yama : August 30, 2005 06:31 PM

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