歯がなくなった、さあどうしよう!  骨と歯の119番

骨と歯どちらが大事?
お口のなかの歯は、歯そのものだけでは噛むことが出来ません。歯は顎の骨(上顎骨・下顎骨)に歯根膜といういわばクッションを介し、しっかりと植わっていて始めて美味しくお食事をすることが出来ます。
この様に考えるとお口の健康は、骨と歯いずれに疾患が存在しても成り立たないことになります。


歯がなくなった場合の治療方法

@ブリッジ
欠損部に隣接する歯及びそれに続く歯を金属等で被せものにより結合し、
欠損歯の形態・機能を回復する。

金属冠の両脇には歯が存在する。
歯の欠損を補う為、両脇の歯を削り被覆している。
削った歯は二度と戻ることはない。

A取りはずし式の入れ歯


噛む力はブリッジ及びインプラントと比較するとかなり劣る。
味覚低下・発音障害が生じることがある。
異物感はかなり強い。

Bインプラント 欠損部に人工の歯根を植立し、人工歯根上部に歯を作成することにより
形態・機能を回復する。

インプラント上部構造(歯の形)を入れる手前の段階。
写真では、下顎両側に歯は存在していない。

インプラント上部構造を仮着けした状態。
患者は奥歯で噛める喜びをかみしめた。




骨がなくなった場合の治療方法

骨が喪失する原因としては、

@歯周病(歯槽膿漏)
A咬合性外傷(不良な噛み合わせ)
B抜歯後の不良肉芽(炎症性軟組織)の残存
C入れ歯による咬合圧
D不良な根管治療(神経の治療)

或いはこれらの複合が挙げられます。

GTR
歯の周囲組織(骨を含む)の再生療法
グラツキのある歯に対し歯周組織を再生することにより、残存させることを目的とする治療法。
@ 右下大臼歯の歯根分岐部の骨欠損。
歯石が歯根分岐部に入りこんでいる。
歯石は細菌の固まりである。
A GTR(歯周組織の再生)を行っている状態。
当部には、Emdogain®を使用。
この後に歯周を縫合する。

@' 右上犬歯と小臼歯の間の骨欠損、歯と歯の間の骨がくぼんでいる。
咬合性外傷(不良な噛み合わせ)により骨欠損が生じたのであろう。
A' GTR(歯周組織の再生)を行っている状態。
当部には、吸収性コラーゲン膜(Bio-Mend® . Calcitek社)を使用。
この後に歯肉を縫合する。
当病例では、噛み合わせの調整及び歯の連結固定も行っている。



GBR
顎堤の骨欠損部における骨の再生療法
歯を抜いた部分の顎の骨は様々な形態上の変化を起こします。とりわけ厄介なのが顎堤の狭小化です。顎堤が頬舌的・唇舌的に薄くなってしまう現象です。こうなりますと入れ歯は安定せず思うように噛めず、ブリッジは形態不良から物が詰まりやすい等の不具合が生じてきます。さらにインプラントは骨に人工歯根を植立するわけですから推して知るべし、すなわちインプラントはできません。
従って、歯の欠損部の骨の重要性は歯と同じ位といっても良いと言えるのではないでしょうか。
1. 左下犬歯が歯周病(歯槽膿漏)により抜け落ちてしまった。
歯茎の形も大きくクレバス状にえぐれている。
もちろん当部の骨欠損は非常に大きい。

2. GBR(骨の再生治療)を行っている状態。
右上大臼歯の後方(上顎結節)より骨を採取し、骨欠損部に移植を行っている。
さらに骨を安定させる為、膜(Bio-Mend®)で覆ってやる。

3. 約8ヶ月経過後の顎堤の状態(1との顎堤の形に注意)
明らかに骨が増大している。
患者は、当初よりインプラント(人工歯根)を希望していた為、インプラント手術(Spline® Calcitek社使用)を行う。

4. インプラント上部の歯が完成装着された状態。
GBRなくしては、インプラントができなかった症例である。
両側の歯は、いっさい削られていない。