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著作権について     2004/2/5

 この「WS30の世界」というサイトは、他のニュースサイトやメーカーのプレスリリースのページなどに対してリンクを貼っています。時々メールで、「もし無断リンクをしているなら著作権法違反ではないか」という指摘を頂きますので、私の見解を説明しておきます。

 私は「無断リンク」を著作権法違反とは判断していません。むろん、この「WS30の世界」というサイトは、リンクフリーです。…というよりも、ネットで情報を公開するにあたって、「リンクフリー」以外の選択肢はない…というのが私の判断です。そしてこうした見解は、単に個人的判断というだけではなく、一定の法的な裏付けを持っていると考えています。
 リンクの問題に関しては、「読売新聞」対「デジタルアライアンス」「産経新聞」対「連邦」等の問題が記憶に新しいところです。ちなみに、読売新聞」対「デジタルアライアンス」の係争では読売新聞が敗訴し、東京地裁によって「見出しに著作権はない」…と判断されています。
 サイトの読者の方からメールを頂いたことを機会に、こうしたリンクの問題について、私の考えと判断の根拠を記載しておきます。

 「リンクは自由」という判断は、基本的には「社団法人著作権情報センター」の見解に沿ったものです。「マルチメディアと著作権」というページには、次のように記載されています。ちょっと長いですが、引用します。

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 リンクを張ることは、単に別のホームページに行けること、そしてそのホームページの中にある情報にたどり着けることを指示するに止まり、その情報をみずから複製したり送信したりするわけではないので、著作権侵害とはならないというべきでしょう。
 「リンクを張る際には当方に申し出てください」とか、「リンクを張るには当方の許諾が必要です」などの文言が付されている場合がありますが、このような文言は道義的にはともかく法律的には意味のないものと考えて差し支えありません。ホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しており、そのことはホームページの作成者自身覚悟しているとみるべきだからです。
 ホームページに情報を載せるということは、その情報がネットワークによって世界中に伝達されることを意味しており、そのことはホームページの作成者自身覚悟しているとみるべきだからです。リンクを張られて困るような情報ははじめからホームページには載せるべきではなく、また載せる場合であっても、ある特定の人に対してのみ知らせようと考えているときは、ロック装置を施してパスワードを入力しなければ見られないようにしておけばよいだけのことではないでしょうか。
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 私は、「リンクしないで下さい」という記載がある一部のサイトについても、リンクをすることがあります。それは「リンク禁止」という表示には有効性がない…と判断しているからです。要するに私は「無断リンク」を行うことがあります。
 「無断リンク」について著作権法との関係で考えると、問題となるのは「複製権」と「公衆送信権」です。この点に関しては、「Cyber Law Japan」というサイトの中のこちらのページから引用しておきます。

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 リンクを張る行為は、閲覧者が自分でリンク先のURLをキーボードで打ち込む手間を省き、自動的に打ち込んだのと同様にリンク先に飛べるようにしているだけであり、リンク元はリンク先のコンテンツを自分のサイトにコピーしているわけでもなければ、リンク元が一度自分でコピーしてから、閲覧者に対し当該コピーを送信しているわけでもありません。したがって、複製権侵害には該当しません。
 また、リンク先の公衆送信権を侵害しているわけでもありません。リンク先のウェブが閲覧者の端末へのコンテンツの送信を許可しているからこそ、閲覧者リンク元のリンクをクリックすることにより受信ができるのです。
 リンク先が特定の閲覧者にのみ閲覧ができるという形にしたければ、例えばIDとパスワードを要求すれば済むはずです。このような措置を講ずることができるにもかかわらず、これを講ずることなく、単に無断でリンクを張ったと言うだけで違法視するのは、実質的に見ても不当であるというべきでしょう。
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 なお、この問題に関しては、やさしく説明しているこちらのページなども参考になるでしょう。

 さらに、「転載」と「引用」が異なる点も明示しておきます。「転載」は基本的に著作権を侵害します。しかし、「引用元を明示した引用」は、著作権には触れません。
 最後に、各所で問題になっている「新聞の見出しには著作権がはあるか」…という問題については、いくつかの判例によって「著作権はない」と判断します。

 …以上が私の判断の概略です。ちなみに私は、こうしたネット上のソースだけから判断して、無断リンクを行っているわけではありません。たまたま私はネット関係の仕事、著作権に関わる仕事をしてることもあって、実際に弁護士に話も聞きましたし、関連する文献も読みました。こうした点を総合的に判断した上で、部分的に「無断リンク」を行っています。むろん、このサイトが商業目的ではない「完全な個人サイト」である点も、あらためて確認しておきます。


 実のところ、私はこうした法律論よりも「インターネットの精神」を大事にしたいと思っています。表現の自由なんてご大層なことを言い出す気はありませんが、「どんな弱い立場の人間でも自分の意見を自由に発言でき、それを読んだ人間がまた自由に反論できる」…、こうした状況を創出することこそが「インターネットを利用する意味」だと私は考えています。とりわけ商業目的ではない場合、人権に配慮し、他者の意見を批評する際のマナーを守る限りにおいては、「リンクは自由であるべき」と信じています

 見解を明示しましたので、今後この件に関してのメールにはお返事を差し上げません。


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