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サウス・ストリート・シーポート界隈を歩く

 ロワーイーストサイドの一角、イーストリバーに面したサウス・ストリート・シーポート(South Street Seaport)は、18、19世紀にニューヨークの海の玄関口として賑わった港です。陸上交通が発達した20世紀に入り、港としては機能しなくなりましたが、現在、ウォーターフロントの歴史的な史跡「Historic Seaport District」として保存・復元されています。




フォトエッセイ Vol.1

フォトエッセイ Vol.2


 一帯はノスタルジックな雰囲気を大切にした風致地区としてレンガ造りの倉庫街や市場が保存され、かつて馬車が行き交った石畳の道路も復元されました。ピア17にはボードウォークに囲まれたショッピングセンターもあり、マンハッタンの中の観光名所のひとつとなっています。ニューヨークを訪れたことのある人は、帆船が係留されている「フルトン・マーケット」一帯をよくご存知かもしれません。
 この、サウス・ストリー・トシーポートを訪れる人の多くは、ピア17を中心とするショッピングセンターへ行くだけのようです。しかし、ピア17付近の喧騒を一歩離れると、静かに飲めるビアパブや小さいけれど落ち着いた雰囲気のレストランなどがたくさんあり、散歩にはもってこいの一帯です。また、WALL St近辺のビジネス街にもに近いことから、仕事を終えたビジネスマンなどが集う、カジュアルなお店もたくさんあります。アップタウンやビレッジ、SOHOなどとは全く異なる、ゆっくりとした時間が流れる一帯なのです。
 このサウス・ストリート・シーポートへ行くには、地下鉄のFulton Street駅が一番近いのですが、今回はSOHOから歩いてみましょう。約20分の散歩です。

 若者や観光客で賑わうSOHOの中心部を外れて東へ歩くと、BOWERY通りにぶつかります。1980年代までは「酔っ払いの街」などと呼ばれた荒れた地域でしたが、最近では拡大し続けるチャイナタウンの一部に飲み込まれようとしている一帯です。
 さて、そのBOWERYを南下して歩きましょう。ほどなくCANALにぶつかります。このBOWERYとCANALの交差点はチャイナタウンの中心部でもあり、いつも賑わっています。ここからイーストリバー方面を望むと、マンハッタン・ブリッジが目の前です。CANALを渡って、さらにBOWERYを南下します。このあたりはゆるやかな下り坂で、5分も歩くと徐々に中国語の看板が減り、何やら閑散とした雰囲気になってきました。坂を下りきると、今度は左手にブルックリン・ブリッジが見えて来ます。いよいよ、サウス・ストリート・シーポート界隈へとやってきました。
 ブルックリン・ブリッジから続く高架道路をくぐると、BOWERY通りの名前は、PERALに変わります。そのままPERLを南へ歩けば、すぐにFULTONにぶつかります。しかし、ここはブルックリン・ブリッジの脇の歩道をイーストリバーに向かって歩いて行きましょう。
 ここはもう、サウス・ストリート・シーポートの一角なのです。

※写真は全てFuji「FinePix1500」で撮影。


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