WS30/SLIMの魅力 2001/1/22
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WS30/SLIMは小さなデジカメです。最近のデジカメは200万画素以上が一般的で、ハイエンド機では400〜500万画素にまで達していますが、WS30/SLIMはわずか35万画素です。35万画素と言えばVGA(640×480dot)サイズの画像しか撮れません。
でも、小さくてバッテリーは長持ち、ポケットやカバンの隅にでも入れておけば、いつでも取り出してパチリと写真を撮ることができます。100万画素、200万画素以上のデジカメで得られるような美しい画像は撮れませんが、笑顔の子供の表情や、心に留めておきたい風景などはちゃんと写し撮ることができます。
いつまでも残しておきたい表情や風景をWS30/SLIMで撮る…すごく高画質ではなくても、記録には残してくれるのです。WS30/SLIMは「トイデジカメ」と呼ばれるジャンルのデジカメの中では、しっかりとした基本機能を備えています。低価格・ロースペックのトイデジカメだとバカにしないで、35万画素機で遊んでみましょう。新しい「写真の世界」が開けるかもしれません。
サイズと重量
旧WS30は電池を除いた重量が80gで単三電池2本を入れて100g強、単四2本のSLIMはそれよりちょっと軽いという感じです。小型サイズに適度な重量感で手頃な重さです。電池抜きの重量だと軽すぎて、かえって収まりが悪いほど。 サイズについては、申し分ありません。前面投影面積は、旧WS30/SLIMともにほぼ名刺サイズ。どちらもシャツの胸ポケットにすっぽり収まります。旧WS30の方がちょっと厚みがあって、その分前面投影面積が小さい。SLIMはそれより薄くて少し大きいといった差です。突起の少ない直方体デザインで、カバンやポケットなどへの収納性にも優れています。
省電力
これが最大のメリットと言ってもいいでしょう。CMOSで液晶モニタなし…と省電力を極めた設計ですが、それにしても旧WS30なら単三アルカリ電池2本で1,500枚以上、SLIMも1,000枚以上撮影できるのは驚異的です。
一度電池を入れると、交換時期を忘れてしまうほど。あくまで目安程度ですが、電池残量が液晶表示されるのもいいですね。
バッテリー
オモチャデジカメの大半がアルカリ電池オンリーですが、WS30/SLIMともには2次電池をサポートしています。しかもニッカド、ニッケル水素のいずれもが利用可。これはうれしい。
記録可能枚数
内蔵メモリはフラッシュメモリを8MB、電源をOFFにしても記録画像は消えません。JPEG圧縮されたVGA画像を最大127枚記録できます。これなら1日持ち歩いて撮りまくっても大丈夫です。 オモチャデジカメの大半が2MB以下、ライバル機であるカシオの「LV-10」が4MBというメモリ容量であることを考えれば、かなり大容量のメモリを搭載していると言えます。また、同じ8MBを搭載しているライバル機も増えてきましたが、多くはJPEG記録ではなくBMP形式での記録なので、記録枚数が30枚以下のものが多いのです。
マクロ
約20センチまで寄れるマクロモードを搭載しています。雑誌の表紙などを撮影すると、細かい文字まではっきりと読めるレベル。このクラスのカメラではマクロモードのない機種が多いのでうれしい機能ですね。しかも、マクロの画質は非常によいと思います。
なお、標準モードでも60センチまで寄れるので、たいていの被写体は標準モードでOKです。
約15cmの距離でマクロ撮影
ストロボ
旧WS30/SLIMともに、GN2.5という光量の少ないストロボを搭載しています。3mまで有効となっていますが、実際の夜間屋外撮影の結果では、光の届く範囲はせいぜい1〜2mと思った方がよいでしょう。 逆に近距離でストロボを発光させると、被写体は白飛びしてまともに写りません。1〜1.5mの距離で人物を撮影する…といったシチュエーション以外では、あまり使い途がありません。
ストロボOFF設定が可能なので、室内などでストロボを発光させたくないときに便利です。なお、オートモードでは、日陰の屋外など意外に明るいところでも自動発光します。だから私は、散歩しながら街角撮影をする時には、必ずストロボをOFFにしておきます。
シャッター速度
旧WS30が1〜1/10000秒、SLIMが1/2〜1/10000秒という、上位機種並みの電子シャッターを搭載しています。速い方の1/10000もすごいけど、低速側のスローシャッターが有効です。蛍光灯照明下の屋内などで、ノンストロボでそこそこの画像が得られるのもこの「1秒(旧WS30)」と言う低速シャッターのおかげですね。
光量の足りない場所で撮影する時は、何かの上にカメラを置いてセルフタイマーで撮影する…という手があります。これだと、かなり暗い店の中や街灯の明かり程度の夜間の屋外でも十分に撮影可能です。むろんミニ三脚でもあれば言うことはありません。
光学系
口径は小さいもののマルチコートのガラス製非球面レンズを採用しています。そのせいで、逆光撮影時などには、ゴーストやフレアの少ない比較的クリアな画像が得られます(極端な逆光状態やレンズに光が直接入る場合はフレアが発生します)。
操作性
旧WS30/SLIMともに、操作系としては電源ボタン、MODEボタン、SELECTボタン、マクロ切り替えスイッチの4つしかありません。ボディ上部の液晶表示も合わせれば、特に添付マニュアルを読まなくても操作できるレベルです。
その他
三脚穴:このクラスのカメラとしては三脚穴が付いているのは画期的です。セルフタイマーも備えているので、自分を入れた記念写真もOKです。
レンズ部の突起:ボディ前面のレンズ部は5o程度の突起となっています。収納時にはフラット性が損なわれるけど、この突起をうまく利用すれば自作のコンバージョンレンズなどを取り付けられる可能性があります。
付属ケース:旧WS30には質感が高くクッション性に優れたブラックのケースが付属しています。SLIMにも実用的でおしゃれなケースが付属。ハンドストラップも付属しています。いずれも実際に使ってみて実用面では問題無し。愛用しています。
価格
オープン価格です。2001年半ばには旧WS30はほとんど入手できなくなりました。WS30 SLIMは、2002年6月現在でもまだ購入することが可能です。高いところで9,800円、安いところでは6,000円程度で売られています。店による価格差はあまりないようです。
ライバルの各種おもちゃデジカメよりも若干高値の設定ですが、その充実した機能と添付ソフト、USBケーブル、専用ケース、電池などの付属品を考えれば、妥当な価格設定でしょう。ちなみに、ほぼ同程度の機能を持つFUJI「DS-10」は、パソコン接続キット無しで定価39,800円でした(4年前)。
※ 詳しい仕様は日立マクセルへ
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