WS30の世界はオルタナティブ・デジカメサイト。デジカメ、MPEG-4動画、PCの話題、サブカル系の駄文コンテンツをどうぞ…
三洋電機「DSC-MZ1」の実写レポート

 「DSC-MZ1」を購入しました。多機能カメラもズーム搭載カメラも好きではありませんが、「CCDの性能は画素数だけではない」と豪語するこのカメラの魅力には勝てませんでした。ちなみに三洋電機製デジカメを購入するのは、まだ現役で使っている「DSC-X100」以来で久しぶりです。
 実際に使ってみると、機能の充実ぶりは想像以上です。特に、ほぼ完璧といってよいほどのマニュアル撮影機能を備えているのには驚きました。また、手持ち撮影で使える「ワイドレンジショット」も気にいりました。
 まだ使い込んではいない段階ですが、とりあえずのファーストインプレッションをレポートします。

    ※DSC-MZ1の詳しいスペックはこちらにあります。
    ※実写レポートNo.2はこちら、No.3はこちらです。


■デザイン
 基本的には従来の「マルチーズ」シリーズを踏襲したデザインですが、厚みが増しました。
 アルミ製のボディは思ったよりも質感がよくありません。これだけは、ちょっと期待外れです。見た目の質感は悪くないのですが、手に持って見ると全体的にペラペラしており、ちょっと安っぽい感じがします。同じアルミボディでも、FinePix1500のような厚み感がないし、DC3800のような質感もありません。前面はヘアーライン仕上げになっており、質感を出そうとした努力は認めますが、現実には金属製とは言えなんとなく薄っぺらな感じがします。あと、CFカードスロットのプラスチック製のフタの部分がチャチです。

■グリップ感
 全体的に見た、重量とサイズ、形状のバランスは悪くありません。
 いちばん気になるのは、「右手の位置」です。しっかりとホールディングするべく両手で構えた時、または右手だけで構えた時、右手の親指が液晶モニタ部分(液晶を保護する透明パネル)に触れてしまうのです。すると、液晶モニタ上に指紋や汚れがついてしまうことになります。背面左側のダイヤル部分が大きいので、液晶モニタが右の方に寄り過ぎている感じ。特に光学ファイダーによる撮影時には、親指位置が気になってしまいます。
 その点を除けばホールド性はよいと思います。夜景なども十分に手持ちで撮影が可能です。なお、前面のオレンジ色の樹脂部分は滑り止めとなって指にかかり、手ぶれをしにくいものとなっています。

■操作性
 基本的な撮影モードは上部のダイヤルで選択します。モニターのON/OFFと再生モードへの切り替えも、従来のDSCシリーズと同じ、上部にあるスライドスイッチで行います。また、使用頻度が高いストロボ発光モードの切替ボタンも上部に設けられています。
 細かい設定は全て、背面のモードボタンを押すと液晶画面の左端にメニューアイコンが並んで表示されるので、十字キーでメニューアイコンを選択してセットボタンを押す…という手順に統一されています。この操作性は一貫したもので、慣れれば覚えやすく、けっこう使いやすいものです。露出補正もメニューでバー表示が出るので、簡単に使えます。また、ワイドレンジ撮影もメニューアイコンで簡単に設定でき、いつでも使うことができます。十字キーの操作感も悪くありません。
 モードボタンとセットボタンは、位置も操作性も悪くないのですが、いかんせんボディからの出っ張り方がカッコ悪い感じ。もっとさりげないボタンにして欲しかった…。
 その他、強いて不満点を挙げれば、マクロモードの切り替えは専用ボタンを設けて欲しかった気がします。頻繁に使うので、いちいちモードボタンを押してから十字キーで選択してセットボタンで決定するというプロセスを踏むのが面倒です。

■ズームレンズ
 背面の右上部にあるズーミング操作ダイヤルは右手の親指で操作しますが、位置、感触ともに非常に使いやすいものです。ズーミングの速度はかなり遅めですが、まあこんなもんでしょう。私はあまりズーミング操作をしないので遅くてもOKです。
   むしろフォーカス速度が遅いのがちょっと気になります。「遅い」と言うほどのこともないかもしれませんが、ワンテンポ遅く感じるために撮影リズムに影響が出ます。
 キヤノン製の光学系でしょうか、小径レンズのわりにはなかなかシャープです。少し樽型の収差がありますが、気になるほどのことはありません。
 35oミリ〜98oのズームですが、広角側の焦点距離がもっと短ければなお魅力的だったと思います。私は短い方の35oを常用することになりそうです。長焦点側はポートレートにちょうどよい焦点距離ですね。

■起動/記録時間
 撮影画像の記録速度については、従来の三洋電機製デジカメと同様、「爆速」という言葉にふさわしいものです。記録時間は1秒程度でしょうか、これなら文句はありません。連射機能などはすごいものですが、私には特に使い途がありません。
 ただし、ズームレンズを装備したせいで、電源投入直後のスタンバイ時間はかなり長くなりました。電源スイッチを入れるとズームがせり出して、撮影スタンバイ状態になるまでに4〜5秒はかかります。
 このカメラに「ズームは不要」と思うのは私だけではないでしょう。ズームがなければ起動時間が速くなるだけでなく、もっと小型・軽量化できたと思います。

■動画撮影機能
 私は「DSC-MZ1」を、あくまで静止画カメラとして使っています。動画撮影機能についての感想は、こちらをお読み下さい。

■その他
 ポリシリコンのTFT液晶モニタは画面サイズも大きく、明るくて屋外でも見やすいものです。
 バッテリーは単三型のニッケル水素電池2本です。バッテリー関係の充実度は特筆もの。1700mAのニッケル水素電池が同梱される他、充電器は4本充電タイプでしかも海外で使用できる100〜240VのAC電源対応型です。本体には放電機能を備えています。
 バッテリー寿命については、こちらで報告しています。  USBケーブルも同梱されるので、1台目のデジカメとして購入するユーザーにはありがたいでしょう。
 ともかく、これ1台あれば、あらゆる用途と利用場面で使えそうなデジカメです。

■実写画像
 DSC-MZ1の実写画像を掲載します。撮影日は非常に明るい曇り空で、しかも正午頃、ほとんど陰影がない状態です。あまりよい撮影条件ではありません。
 解像度は1600×1200で、圧縮率はFINEです。全てレタッチ無しで、640×480にリサイズしました。  全体的に、200万画素カメラとしては、高い解像度感と階調表現能力を持っていることは間違いありません。ただし、一見してのシャープネスはあまり感じません。300万画素出力が可能ですが、日常利用においてはほとんど不要でしょう。
 目玉機能でもある「リアルカラーイコライザー」については、面白そうですがまだ試していません。
 なお、縮小していないオリジナル画像については、こちらにサンプルを用意しましたので確認してください。

まずは、ごく普通に公園のアジサイの花を撮った画像です。もう少し派手な色合いになるかと思いましたが、抑え気味のトーンです。


小さな池の水面を撮影しました。


マクロで撮影した花です。ここでは鮮やかな発色を見せています。


明暗の差がある被写体です。この画像は普通にオートで撮影したものです。


こちらの画像が「ワイドレンジショット」で撮影したものです。


普通にオートで撮影した画像の、中央部の白い屋根の部分を拡大してみます。屋根瓦が並んでいる部分が白くツブれています。


次にワイドレンジショットで撮影した画像の、中央部の白い屋根の部分を拡大してみます。屋根瓦が並んでいる様子がきれいに再現されています。


夕暮れ時、ネオンが点灯し始めた街角です。


暗い喫茶店の片隅です。背後に電気スタンドが光っている状況ですが、手持ちできれいに撮れています。


この画像は、ガラスとアルミ外壁のビルを撮影したもの。広角側で撮影していますが、少し「樽型」のレンズの収差が出ています。



Email Webmaster if your incur problems.• Copyright © 2001 yama. ALL RIGHTS RESERVED. Since 2001.1.22
※ 当サイトは Internet Explorer6.0 に最適化されています。