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2010年11月02日

●真夜中に聴きたい50曲 (24)

(24)Lynyrd SkynyrdSaturday Night Special」(レーナード・スキナード:サタディ・ナイト・スペシャル)

 ソフトな曲が続いたので、ここら辺でヘヴィでストレートなロックで、自分に「カツ」を入れてみようと思います。

 ルーツ系のロックが好きで、オールマンやザ・バンド、CCRあたりが好きな私ですから、サザンロックの雄などとも呼ばれるレーナード・スキナードが嫌いなはずはありません。しかし、すごく好きか…と問われると、実はそれほど好きなバンドでもありません。アルバムは3枚持っているだけだし、そのアルバムもあまり聴く機会がありません。レーナード・スキナードは、サウンドとして全く洗練されていないし、その「洗練されていなさ」「荒削りさ」があまりに意図的な感じがして(アル・クーパーが緻密に計算したサウンドでしょう…)、何となくピンと来ないバンドです。偏見を承知で言えば、例えばオールマンやザ・バンドの持つ繊細さが感じられません。だから、別に嫌いではないけどあまり興味が無い…というのが個人的なレーナード・スキナードに対するスタンスです。もう1つは、レーナード・スキナードのデビューは1973年、全盛期は1970年代の半ばからメンバーが事故死する1977年までであり、オールマンやザ・バンド、CCRよりかなり後の世代のバンドです。自分がいちばん洋楽の影響を受けた中学校高学年から高校時代前半あたりにはまだ話題になっていないバンドだったし、20代後半以降から真剣に多様な音源を漁り始めたルーツミュージック系のサウンドとも多少ズレていたため、あまり聴く機会がなかったこともあります。

 まあ、そんなことはどっちでもいいのですが、レーナード・スキナードのサウンドがある種非常に「懐かしい音」であることは確かです。そして今回紹介する「Saturday Night Special」は、サザンロックなどという後付けのジャンルを超えて、「70年代のロック」の持つ本質的な「シンプル」で「ピュア」なロックサウンドと、時代のメッセージを伝えてくれるロックの原点のような曲で、けっこうお気に入りです。
 「Saturday Night Special」は、75年に発売されたサード・アルバム「Nuthin' Fancy」に収録されています。アル・クーパーによるプロデュースから離れたこのアルバムは、全体的にストレートでヘヴィな雰囲気を持っており、サウンドもドライブ感溢れるものになっています。名曲「Free Bird」が収録されたデビューアルバム、演出されたニール・ヤングとの確執で知られる有名なセカンドアルバムと較べても、この「Nuthin' Fancy」は個人的にかなり気に入っています。
 このアルバムの1曲目に収録されて、ヒットしたのが「Saturday Night Special」。Saturday Night Specialとは、当時(現在も)アメリカに広く出回っていた「品質の悪い安物の銃」のことです。アメリカでは土曜日の夜に犯罪者によって粗悪な拳銃が密造されたり犯罪に使われたりしたことから、この言葉が使われるようになりました。そして、この「Saturday Night Special」という曲には、安直に銃を手に入れて犯罪に走ることに対する警鐘のようなメッセージが込められています。しかし、だからといってメッセージを噛み締めながらじっくりと聴く曲では全くありません。個人的には、この曲が流行った当時の自分や社会状況を思い起こしながら、懐かしいサウンドに浸るために、時々聴きたくなる曲…なんです。

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