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2010年03月23日

●真夜中に聴きたい50曲 (19)

(19)Steve EarleI'm Nothin' Without You」(スティーヴ・アール:I'm Nothin' Without You)

 何度も書いているように、私が好きなミュージシャンの大半は70年代から活躍していたシンガーやグループが多いのですが、例外的に90年代以降に初めて聴いてファンになったミュージシャンもいます。その一人が、いまやオルタナ・カントリーの重鎮として知られるスティーヴ・アールです。

 1986年にデビューしたスティーヴ・アール、名作と評価が高い88年発表の3rdアルバム「Copperhead Road」など、90年までに4枚のアルバムをリリースしましたが、ドラッグが原因で逮捕、収監されます。そして彼は、出所直後の1995年に「Train A Comin'」で再出発しました。今回ピックアップした「I'm Nothin' Without You」は、この「Train A Comin'」に収録されています。
 この「Train A Comin'」というアンプラグドな雰囲気を持つアルバムには、エミルー・ハリスがアルバム「WreckingBall」でカバーした名曲「Goodbye」が含まれており、この曲は以前エミルー・ハリスのところで紹介しました。そして、今回ピックアップした曲「I'm Nothin' Without You」は、同じアルバムの中の「Rivers Of Babylon」とともに、エミルー・ハリスがコーラスで参加しています。エミルー・ハリスはその後、「El Corazón」や「The Mountain」など、スティーヴ・アールの多くのアルバムに参加しています。オルタナ・カントリーの世界での、二人の絆がわかります。
 もっともスティーヴ・アールの音楽をオルタナ・カントリーという言葉で括ってしまうのは抵抗があります。全般的にカントリーの影響が強いものは当然ですが、バリバリのロック・サウンドもしっかりと聴かせてくれるし、「Goodbye」のようなフォークの影響が強いアコースティックでシンプルなメロディも持ち味です。ちなみに、「Train A Comin'」は、96年のグラミー賞の「Best Contemporary Folk Album」部門でノミネートされています。

 「Train A Comin'」に続いて翌96年に出した「I Feel Alright」も好きなアルバムです。収録されている「You're Still Standing There」では、やはり私が好きな女性シンガー、ルシンダ・ウィリアムスとの息の合ったデュエットを聴くことができます。そして97年の「El Corazón」では、本格的なアメリカン・ルーツロックのサウンドを聴かせてくれます。「Taneytown」あたりを聞いていると、これはザ・バンドか…なんて思っちゃいます。

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