« グリニッチヴィレッジの青春 | メイン | 真夜中に聴きたい50曲 (19) »

2010年03月17日

●真夜中に聴きたい50曲 (18)

(18)Harry NilssonEverybody's Talkin」(ハリー・ニルソン:うわさの男)

 いわずと知れた、映画「真夜中のカーボーイ」の主題歌として1969年に大ヒットした曲です。フォークシンガー、フレッド・ニールの曲のカバーで、歌詞といい曲調といい大好きなのですが、この曲が非常に好きなのは、曲自体の良さ云々よりも、やはり「真夜中のカーボーイ」という映画を思い起こすからでしょう。
 「真夜中のカーボーイ」という映画に対する想い、また高校時代に見たこの映画が自分の人生にどんな影響を与えたかについては、数年前にこちら(2004年10月8日/11日)に詳しく書いたので、ここでは繰り返しません。ともかく、私がアメリカという国に強い興味を抱き、その後70年代と80年代にニューヨークに住むきっかけとなった映画の1つであることは確かです。

 この曲を作ったフレッド・ニールは、アメリカのフォーク・シーンでは有名なシンガーです。昨日の日記にボブ・ディランの恋人だったスーズ・ロトロの回想録「グリニッチヴィレッジの青春」について書きましたが、ここに書かれている1950年代末から1960年のグリニッチヴィレッジのフォーク・ソング復興運動の中で、重要な役割を果たしたシンガーでもあります。ボブ・ディランに多きな影響を与えただけでなく、CSN&Yのスティーヴン・スティルスやデビッド・クロスビーなど多くのフォークロックシンガーにも影響を与え、スティーヴン・スティルスは、自分のアルバムの中でEverybody's Talkinをカバーしています。

 何でも、「真夜中のカーボーイ」の主題歌にこの曲が決まったのは偶然だったとのことですが、自分の中でこの曲は、映画の内容とあまりにも一体化しています。「真夜中のカーボーイ」という映画を思い浮かべると、グレイハウンド・バスに乗るジョン・ボイドの姿とバックに流れるこの「うわさの男」が条件反射のように思い出されてしまいます。ハリー・ニルソンの軽妙な歌い方が、よくマッチしています。

 「真夜中のカーボーイ」で使われた曲と言えば、ジョン・バリーが作ったメインテーマ「Midnight Cowboy」も忘れられません。Ferrante & Teicherが演奏するこの曲の哀愁を帯びた旋律は、映像全般を流れる雰囲気にぴったり合っています。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL: