●真夜中に聴きたい50曲 (12)
(12)Al Kooper&Stephen Stills&Mike Bloomfield「Albert's Shuffle」(アル・クーパー&スティーヴン・スティルス&マイク・ブルームフィールド:アルバートのシャッフル)
アル・クーパー、スティーヴン・スティルス、マイク・ブルームフィールドと言えば、あの名アルバム「Super Session」です。このアルバムの素晴らしさやセッションの経緯などについては、多くの人が語っているので、私が個人的に付け加えることもありません。
さて、「Albert's Shuffle」はリマスター盤で聴くべきです(現在はリマスター盤しか購入できないと思いますが…)。リマスター盤には2002年にリミックスされた「Albert's Shuffle」が、ボーナストラックとして収められており、これが何とも素晴らしい。デジタル技術を駆使したリミックスによって、40年前の録音が、指が弦を擦る音やギタリストの息遣いまで聴こえるような臨場感溢れる演奏として再現されています。私は古い演奏は何でもリミックスすればいいとはけっして思いませんが、この「Albert's Shuffle」に限っては、昨今のデジタル技術がもたらした恩恵にため息が出てしまいます。
リミックス版で聴く「Albert's Shuffle」のマイク・ブルームフィールドの名演奏は、あくまで本物の「ブルース」ではないものの、ある種陶酔するようなギター演奏の真髄を楽しむことができます。まさに「真夜中に聴く曲」として、ぴったりです。それにしても、「Super Session」全体を聴いて、これがとても40年前の演奏だとは思えません。時代を超えて、いい音楽はいい…と素直に思わされてしまうアルバムです。