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2009年11月18日

●真夜中に聴きたい50曲 (11)

(11) Lucinda WilliamsI Lost It」(ルシンダ・ウィリアムス:I Lost It)

 女性シンガーの曲が続きましたが、もう1人続けて女性シンガーソングライターの曲をピックアップします。
 今回取り上げたルシンダ・ウィリアムスは、日本では何故か「玄人筋の評価だけが高い」シンガーです。アメリカでは、現代最高の女性シンガーソングライター…に近いほどの高い評価を受け、広く大衆から支持されてグラミー賞も受賞しているにもかかわらず、日本ではあまり知られていない上、音楽好きの間で語られることもかなり稀な存在です(私の周囲の話だけかも…)。

 それはそうとして、今回紹介する「I Lost It」はルシンダ・ウィリアムス自身が作った曲で、彼女のいろいろなアルバムの中で歌われていますが、私が好きなのは「Car Wheels on a Gravel Road」に収録された「I Lost It」です。
 (9)のエミルー・ハリスの「Goodbye」のところで触れたスティーブ・アールも参加している「Car Wheels on a Gravel Road」は、個人的には文句なしに彼女の最高のアルバムで、厚みのあるサウンドは、土臭いアメリカン・ルーツロック、サザンロックとして聴いても、非常に良い雰囲気を出しています。ただ、個人的な好みで言えば、独特の鼻にかかった声と歌い方がくどい感じがする時もあるので、「Car Wheels on a Gravel Road」の中でもっともストレートに歌っている「I Lost It」が私の好みというわけです。フルボリュームで聴くと、とても気持ちがいい曲です。

 「Car Wheels on a Gravel Road」以降、彼女は「Essence」「World Without Tears」と、次々ヒットアルバムを出し、アメリカの音楽界で頂上へと上り詰めていきます。そして最近では「WEST」などがけっこういい味を出してはいますが、私は「Car Wheels on a Gravel Road」以上に惹かれるアルバムはありません。
 むしろ私は、「Car Wheels on a Gravel Road」以前、セカンドアルバムの「HAPPY WOMAN BLUES」が好きです。このアルバムは1980年に発売された彼女の2枚目のアルバムですが、このアルバムで初めて彼女のオリジナル曲として「I Lost It」が収録されています。ここでは「Car Wheels on a Gravel Road」に収録された「I Lost It」とは全く違う楽曲と言ってもよいぐらい、カントリータッチの軽妙な曲調で歌われているのですが、これはこれで悪くありません。それにしても「HAPPY WOMAN BLUES」のアルバムジャケットのルシンダ・ウィリアムスの写真、すごく可愛いくて好きです。

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