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2009年07月29日

●真夜中に聴きたい50曲 (8)

(8)Jethro TullLocomotive Breath」(ジェスロ・タル:ロコモティブ・ブレス) 

 最初からアメリカの音楽ばかりが続いていますが、これは無理も無い話。私の世代でロックが好きとなると、やはりアメリカの音楽の影響が大きくなるのはやむを得ません。とは言え、中学生の頃から、ツェッペリンやクリーム、ジェフ・ベックなどに代表されるブリティッシュロックにも大きな影響を受けたことも確かです。一方で、ビートルズとローリング・ストーンズには、ほとんど興味がありませんが…

 さて、今回の紹介するジェスロ・タルは、イギリス出身のロック・バンドです。強いてジャンル分けすれば「プログレッシブ」に近いのでしょうが、キング・クリムゾンやイエス、ELPやピンク・フロイドといった代表的なプログレッシブ・ロックのバンドに共通するサウンドとは、かなりテイストが異なる楽曲が多いかもしれません。ブルース・ロックの一面も持っていますし、アコースティックで叙情的な曲もたくさんあります。
 ジェスロ・タルと言えば、イアン・アンダーソンが超絶的なテクニックで奏でるフルートが印象的ですが、ロックミュージックとフルートという楽器の組み合わせは、非常に珍しいものです。他にマンドリンやオルガンなど多彩な楽器を駆使したバラエティ豊かなサウンドを聞かせてくれます。
 ジェスロ・タルのデビューは1968年で、ビートルズやストーンズが後期とは言えまだ活躍していた時代でもあり、ツェッペリンは全盛期でした。ディープ・パープルが結成された年でもあります。そんな初期のロック全盛時代にあって、ジェスロ・タルの存在感は独特のものでした。他のロックバンドに類を見ないサウンドのオリジナリティは当時から高い評価を受け、瞬く間に世界的な人気バンドとなります。

 まあ、ジェスロ・タルが熱狂的に好きなわけではないのですが、もともとプログレッシブ・ロックが好きなこと、そして高校時代に聞いてそのサウンド非常に印象に残ったバンドであることなどから、彼らの曲の中には何曲か好きな曲があります。
 そして、彼らの曲の中で個人的に最も印象的で好きな曲が、今回紹介する「Locomotive Breath」(ロコモティブ・ブレス)です。1971年にリリースされた4枚目のアルバム「AQUALUNG」(アクアラング)に収録されました。「蒸気機関車のあえぎ」と訳されるこの曲は、力強いリズムと覚えやすいメロディライン、そしてフルートのソロと、ともかく印象的な曲です。そしてこの曲は、彼らのライブの定番ともなっています。
 ちなみにアルバム「AQUALUNG」は、翌1972年にリリースされた「THICK AS A BRICK(ジェラルドの汚れなき世界)」とともに、彼らの最高傑作の1つでしょう。Bonus Trackには、彼らの代表作である「Living in the Past」や「Bouree」などの名作が含まれています。

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