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2009年07月25日

●真夜中に聴きたい50曲 (6)

(6)Leon RussellA Song For You」(レオン・ラッセル:ア・ソング・フォー・ユー)

 レオン・ラッセルは、70年代に一世を風靡した「スワンプ・ロック」の代表的なミュージシャンです。スワンプ(swamp)とは湿地や沼地を意味し、転じてアメリカ南部の湿地帯を指す言葉として使われています。私は既に書いたオールマンをはじめ、ザ・バンド、CCR、マーシャル・タッカー・バンドなど、俗にサザン・ロックとして括られるサウンドが大好きなんですが、この「サザン・ロック」と「スワンプ・ロック」は、かなりテイストが近い部分があります。事実、レオン・ラッセルのサウンドはブルースやソウルミュージックの影響を強く受けていますが、サザンロックの大御所であるザ・バンドのメンバーがカナダ出身であるのと同じく、レオン・ラッセルも南部とは無関係なLA出身です。ソロデビュー前は、ジョー・コッカーらとともにイギリスで活動していました。
 さて、「スワンプ・ロック」と「サザン・ロック」のテイストに似ている部分があるとは言っても、レオン・ラッセルのサウンドはあくまで独特なもの。彼の持つオリジナリティを最もよく現しているのが、1971年にリリースされたレオン・ラッセルのソロ第2作の「レオン・ラッセル・アンド・ザ・シェルター・ピープル」。サザン・ロックをベースにしながらも、よりポップでメロディを重視したサウンドの曲が並んでいます。

 で、今回挙げた「A Song For You」は、音楽ファンなら知らない人のいないレオン・ラッセルの代表曲とも言える名曲で、1970年に発売されたファースト・アルバムに収録されています。このファーストアルバムには、ジョージ・ハリスンやエリック・クラプトンも参加しており、70年代のロックシーンに全体に大きな影響を与えたもの。
 「A Song For You」はカーペンターズやレイ・チャールズなどがカヴァーしており、特にカーペンターズ版でこの曲を知った人は多いかもしれません。でもやはり、「A Song For You」はレオン・ラッセルのあの「ダミ声」で聞いてこそ味があります。そしてこの曲もまた、私が好きな「古きよき時代のアメリカ」の光景を思い浮かべる曲です。

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