« 無謀な人生 | メイン | 真夜中に聴きたい50曲 (5) »

2009年07月23日

●真夜中に聴きたい50曲 (4)

(4)STEPHEN STILLSJESUS GAVE LOVE AWAY FOR FREE」(スティーブン・スティルス:愛よりも自由を)

 私はCSN&Yが大好きですが、そのCSN&Yの中でスティーブン・スティルスがどのようなポジションにあったのか、スティーブン・スティルスが作ったバンドMANASSAS(マナサス)の演奏を聞くとよく理解できます。

 MANASSASというバンドは、2枚しかアルバムを残していません。「JESUS GAVE LOVE AWAY FOR FREE」が収録されているファーストアルバムは、1972年にリリースされました。発売時にはアナログ2枚組みのレコードで、バーズ出身のクリス・ヒルマンがマンドリンで参加するなど、一流のミュージシャンを集めてレコーディングされ、ロック、R&B、フォーク、ラテン、カントリー、ブルース等、様々な音楽のエッセンスを詰め込んだコンセプト・アルバムとなっています。片面ごとに「THE RAVEN」「THE WILDERNESS」「CONSIDER」「ROCK & ROLL IS HERE TO STAY」と4つのサブタイトルがついており、各面には同じ傾向の曲がまとめてあります。とは言え、全体としては格調の高いカントリー・ロックのアルバムとして芯の通った仕上がりとなっているのが素晴らしいですね。あくまで個人的評価ですが、1970年代後半以降のロックを中心とした音楽の方向性を示唆する作品が収められている、この時代を代表する珠玉のアルバムだと思います。

 「JESUS GAVE LOVE AWAY FOR FREE」は、アナログ版の1枚目のA面に収録されており、スティーブン・スティルスのボーカルとサビの部分のコーラスがとても美しい、カントリーテイストたっぷりの叙情的な曲。邦題としてつけられた「愛よりも自由を」というタイトルは興を殺ぎますが、ともかくいい曲です。

 どうでもよい話ですが、「MANASSAS」というのは実在するヴァージニア州の地名であり、南北戦争の激戦地としてよく知られています(こちらを参照)。スティーブン・スティルスは曲名や曲のモチーフに実際の地名を使うのが好きで、上述したアルバムの4つのサブタイトルは全て実在の地名です。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL: