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2009年05月21日

●新インフルエンザについて思うこと…

 5月21日午後3時現在で、国内の感染者数は計277人とのことですが、そんなに少ないわけはないでしょう。実際には、国内で既に数千人の感染者がいるように思います。
 発熱外来以外の一般開業医での発熱患者の診療を開始した神戸市などでは、開業医らに対して、簡易検査で患者からA型インフルエンザの陽性反応が出た場合でも、詳細(PCR)検査をする市環境保健研究所に検体を送らないよう指示したそうです。要するに、検査がパンク状態にあるわけです。つまり、現時点で、感染者の総数把握は事実上不可能…と言った状態です。参考URL:http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-844.html

 さらに関西以外の地域では、相変わらず渡航歴がない人のPCR検査はやっていません。
 私事ですが、私は11日の月曜日に定期検査のために慶応病院に行きました。入り口でアンケート用紙を配布しており、「過去10日以内に37.5度以上の体温になったことがあるか?」「過去10日以内に北米地域への渡航歴があるか?」という2つの質問に答える…というものです。ちなみに、私は風邪気味であり、37.3度の熱がありました。また、北米地域ではないですが、アジアから帰国して12日目の発熱でした。その旨を主治医に告げたところ、「じゃあ大丈夫ですね」の一言で、通常のインフルエンザの検査すらしませんでした。

 新型インフルエンザ患者の症例統計によれば、感染者の約20%程度は微熱以下の発熱に留まっているそうです。つまり私は、状況から見ても新インフルエンザに感染している可能性があるにもかかわらず、一定の条件に該当しない…という理由だけで、検査をしようとはしませんでした。

 私は、最初から一般開業医からの検査依頼を事実上受け付けていない関西以外の地域、特に関西地域と人の往来が多い東京では、相当数の感染者がいるものと思っています。

 もう1つ、今回の新インフルエンザのパンデミックによって、日本の経済が受けるダメージは、計り知れないものがあります。現時点でも、既に数兆円の経済損失があるというのですから、これが患者数が数千人とでもいうことになれば、さらに莫大な経済損失と国際的な信頼失墜につながります。そんな状況の中で、政府は感染者数を正確に把握して、それを公表したくはないでしょう。かなり意図的に、WHOに報告する感染者数を少なくしているような気がします。ただし、数字をいじる形ではなく、意図的に「詳細検査をしない状態」「検査できない状態」を作り出すことによって…です。

 ともかく、新インフルエンザいつ強毒性に変化するかわからない状況なのですから、私たち国民も、医療の最前線で起きている事実だけはきちんと把握しておいた方がよいと思われます。政府や厚労省の発表など聞いていても、狂乱状態のマスコミの報道を聞いても、医療現場で起こっている事実は絶対にわかりません。
 その点、ドクターが発信するBlogの中には、信頼できるものがたくさんあります。今回の新インフルエンザ騒動で、私は以下のような医師Blogに注目しています。
「新小児科医のつぶやき」
「勤務医 開業つれづれ日記・2」
「ぐり研ブログ」
「天漢日乗」

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