« K-mとR10 | メイン | ポケットラジオ »

2009年03月04日

●使えないR10

 最近毎日持ち歩いて撮りまくっているリコーのR10ですが、そろそろ「ダメ出し」をしようかと思っています。画質については、元々こんなもんだろうと思っていましたから、特に不満はありません。しかし、前に書いたように、AFの遅さとグリップの悪さは、もう耐え難い段階に達してきました。ポケットに入れておいて、何か撮りたいものがあった時に素早く撮影する…というスナップ用途には、全く向いていないカメラです。このR10、ちょっと前まで価格.comでは人気No.1になっていましたが、この使いにくいカメラなぜそんなに人気があるのか、理解に苦しむところです。

 思うに、R10を「よいカメラ」と思う人は、なんらかの形で「作品作り」にこだわる人なのでしょう。確かに、大人が持ってもそれなりにサマになるデザインですし、画質に関してはまあ水準を保っています。散歩時にネックストラップで首からぶら下げておき、道端の花でも撮りたくなったら、おもむろに両手で構えてアングルと撮影モードを決め、じっくりと撮る…、そんな人にとっては、このR10は満足すべきスペックなのかもしれません。そして、リコーの御用カメラマンと化しているT氏の影響も大きいのでしょう。
 まあ、裸でマウンテンパーカのポケットに放り込んでおき、気になる風景に出会ったらサッと取り出してパッと撮る…という私の用途にはもともと向いていなかった…ということになりそうです。

 むろん私も、R10が動体の撮影に弱いこと、AFが遅いことなどについては、購入前に知っていました。だから私は、子供の運動会の撮影など、動くものを撮ろうと思って購入したわけではありません。でも、道端をゆっくりと歩いている猫すら、追いきれないAFの遅さは、ちょっと頂けません。私がR10を買ったのは、海外での街歩き時のスナップ用途に使うため。ポケットに入れていたカメラをパッと出して街角の風景を一瞬で撮れなければ、意味がありません。安全上の問題からも、海外の見知らぬ街角で、バッグからのんびりカメラを取り出し、ゆっくり構えて撮る…ということはしたくないのです。

 で、結論として、このR10は「街角スナップ速写」用途には全く向きません。焦点を2.5mに固定するスナップモードなら、まあ使える場面もありますが、やはり近景・遠景を混ぜて撮影する状況では、フォーカス面の不満が残ります。そして、持ちにくさと滑りやすさは、もういかんともし難い。どんな場面でも、パッと取り出した瞬間に落っことしそうになるのがこのカメラです。いちいちグリップと背面の親指の位置を確認しないと、怖くて持てません。
 まったくもって、GRDという、グリップしやすく、単焦点ゆえにそれなりに速射性もある、とてもスナップに向いたカメラを作っているリコーの製品とも思えません。せめて、背面の無意味にデカい液晶を一回り小さくして、グリップ時に右手の親指がしっかり掛かる場所を作って欲しかった。

 結局、R10は購入早々早くもお蔵入りすることになりそうです。まあいっか、2万円で買った安カメラだし…。こんどはGX-200でも買ってみましょう。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL: