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2008年11月08日

●EeePC 901X

 今日もデジタル・ガジェットの話。今回はパソコンです。9月に購入して、面白く使っているのが、あの「EeePC 901X」です。

 UMPCと呼ぶのかNetbookと呼ぶのか、この手のPCが流行る中、「イジる楽しさ」を考えれば、選択肢はおのずと「EeePC 901X」に決まり(実はMSIの「U100」とどっちを買おうかとかなり迷いました)。選択の決め手は、カタログスペック上とは言え、8.3時間というバッテリー駆動時間。ビックカメラのネットショップで20%ポイント付きの54800円と、実質4万円台前半だから、安いものです(このポイントでタイガーの新製品の電気ケトルを買いましたが、その話は後日…)。

 購入して即、誰もがやる「EeePC 901Xのお約束事」となっている簡単チューニングをしました。
 まずはメインメモリを2GBに増設(上海問屋で4000円弱)、うち512MBを「ERAM」というソフトを使ってRAMDISKに割り当てます。そしてTEMPファイルをRAMDISKに書き込む設定に。次に16GBのSDHCカード(これも上海問屋で4000円弱)を挿して、HITACHIのドライバソフトを使ってHDD化。さらに901用のタッチパッドのドライバをASUSのサイトからダウンロードしてインストール。…以上のように手を加えた上で、CドライブのWindowsの軽量化を図ります。MyDocumentをDドライブにしたり、使わないソフトをアンインストールしたり、不要なFontを削ったり、いろいろやってCドライブのSSDをなんとか2GB近くを空けます。これらのチューニング方法は、全てネット上に詳細な情報があります。
 そして、私の場合はDドライブにMicrosoft Office XP Proをインストール。これは外出先でWordで原稿を書いたり企画書を作ったり、いつものフォーマットで作成されたExcelのデータやPowerPointの企画書を確認したりするため。その他、FTPソフトやエディタ、メールソフト、画像ビュアーや動画プレヤーなど、個人的に必要なソフトを適当にインストールして、普通に使えるノートPCが一丁あがりです。そのうち、DドライブのSSDをさらに大容量化するかもしれませんが、今のところはこれで十分です。外付けの光学ドライブは、どうしても必要なときはLAN上のPCのドライブをネットワークドライブにして使うので、これも不要。
 Atom 270にメインメモリ2GBの組み合わせは、予想以上に軽快。Microsoft Officeもサクサク動きます。SSD12GBとSDHC16GB併せて合計28GBの外部記憶容量は、サブ機として使う限りは十分過ぎるほど。さらにいつも8GBのUSBメモリを2本持ち歩いているし、必要に応じてポータブルHDDを使えばいいので、オンラインストレージなんて面倒なものは不要です。
 キーピッチは、最初はすごく狭く感じましたが、慣れればワープロなどもけっこう普通に打てます。1024×600ドットの半端な画面も、Web閲覧や文書作成に使う限り、それほど違和感はありません。

 出先でのネットアクセスは、WiFiが基本。私の場合は、YahooBBとFonが頼り。私がいつも生息している池袋や中野なら、マクドナルドかルノアール、JR駅のBecksあたりでの利用がデフォルト。山手線の内側は、Fonと乗り入れているLivedoorのアクセスポイントがかなり使えます。

 こんな環境で、現在はEeePC 901Xを毎日カバンに入れて持ち歩いています。公称のバッテリー駆動時間は8.3時間ですが、時々ネットに繋ぐ程度であとはオフライン利用中心なら、正味で5時間半は持ちます。この駆動時間は、丸1日の外出ならACアダプターの携帯はほぼ不要ということ。ただ、ACアダプターを持ち歩かないとなると、逆に自宅用以外にオフィス用にもACアダプターが欲しくなります。そこで、Amazonで「POWERLINK MINI PLS12AS」を約2500円で購入しました。純正のACアダプターよりも熱くならないし、使い勝手もいいですね。実際に、海外(220V地域)でも問題なく使えました。

 ところで私の周囲(IT、広告、出版業界が多い)では、仕事でモバイルPCを持ち歩いている人の大半がThinkPad派かLetsnote派のどちらかに分かれます。IBMがLenovoになっても、モバイルタイプに関してはThinkPad支持派はかなり多い。上位モバイル機種に関しては独特のキータッチは健在、頑丈でトラブルが少なく、海外サポートも充実…といったイメージがあるからでしょう。Letsnoteは、やはり光学ドライブ搭載の軽量機種に人気があります。次いでVAIOと東芝が少数派で、富士通やNECはまず見かけることはなく、最近ではDELLやHPを持っている人の方が多いかも。あとは、ごく稀にAirMacを見かけるぐらい(かく言う私はヒネクレ者なので、NECの軽量B5ノート「LaVie Jシリーズ」を2代に渡って使ってますが…)。
 そんなわけで、会議の席上などで見ていても、性能の劣る安っぽいNetbookなんかを机の上に出す人は誰もいません。そんな中で、会議などで私がおもむろにEeePC 901Xを出すと、多くの人が興味深そうに「それって使えます?」なんて聞いてきます。まあ、どこかに「こいつ何を安物のノート使ってるんだ?」という侮蔑の眼差しを感じたりましますが、それがまた面白いので、わざと見せびらかして周囲の反応を楽しんでいる部分もあります。

 使える・使えないの実用性の判断は、どんな目的で使うか、どんなアプリを使うか…という前提があってのことですから、一概に答えようがありません。でも、私がモバイルPCを持ち歩く際の主な使用目的は、外出先で原稿や企画書の原案を書くこと。間違ってもこのEeePC 901Xでデジタル一眼レフで撮ったRAW画像を扱うことはないし、複雑な画像処理をするわけでもない、動画のエンコードをするわけでもありません。一方で、Word、Excelは十分に使えるし、会議の時には15ピンのD-subでプロジェクタに接続して、XGA画面でPowerPointでのプレゼンも可能です(1024×600画面でPowerPointの作成・編集はきついですが)。オフィスソフトの動作速度にも、チューニング後の外部記憶用メモリ量にも不満はないし、キーピッチと画面サイズは慣れの問題。実際に約2ヶ月間ほぼ毎日使ってみた感触では、私自身は普通に仕事に使えるノートPCだと認識しています。メセンジャーバッグに放り込んで毎日持ち歩くには、あと200g軽ければ…とは思いますが、バッテリー駆動時間を考えれば、まあ納得です。実売5万円以下のチープなマシン、しかもHDDを内蔵していないマシンでも、用途を絞ればここまで実用的に使えること自体が、とても面白いことです。

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