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2008年10月21日

●今さら、K100D…

 久しぶり(なんと1年ぶり)の日記ですが、これまた久しぶりにデジカメの話です。

 デジカメが趣味ってわけではないにもかかわらず、「デジタル・ガジェット好き」の延長で、2002年頃から毎年数台のデジカメを購入してきました。他人に譲ったものを除いて、現在も十数台のデジカメが手許にあります。
 そんな中で、ここ2年間ほどは常用するデジカメが決まってきました。まずは、海外出張・海外旅行時も含めて、コンパクトカメラを1台だけ持っていくシチュエーションなら、これはもうGRD(初代)に決まりです。一時、Coolpix P5000に浮気をしましたが、結局GRDに戻りました。1000万画素になったGRDⅡも発売されていますが、特に興味なし。800万画素の初代機で十分です。
 GRDは、手ぶらで歩くときにポケットに放り込んでおくには多少重くて大きいけれど、28mmの画角、操作性と画質のバランスは、もう自分の「眼」「手足」に近く、ここ2年間近くはGRD以外のデジカメを持って歩くことは考えられないくらい。いつでも取り出せるように裸に近い状態で普段持ちのメッセンジャーバッグに入れているので、外装も傷だらけになってきましたが、機能面ではトラブル知らず。充電済みの格安の互換予備バッテリー2個(rowa製:なんと2個で1140円)を加えた3個のバッテリーと2GBのSDカード(上海問屋の高速格安品をちゃんと認識)2枚持っていけば、1週間以内の海外旅行で街歩きをしながら1000枚ぐらい撮影するのに不自由はありません。充電器もストレージも持たずに行けます。ともかく、この初代GRDだけは、完全に使い潰すところまで使ってやろうと思っている次第。

 そして、最近けっこうよく使っているのが、デジタル一眼のPENTAX K100D。何をいまさら古いデジイチ…という感じですが、仕事以外ではデジタル一眼をまず使わない私が、ここのところK100Dを時々通勤や散歩に持ち歩いています。
 デジタル一眼は、仕事用にNikon D80をけっこう長く使っていて、つい先日D90を買い増したところ。一応仕事に必要なレンズ(…と言っても常用しているのは17-50mm/F2.8、18-200mm F3.5-5.6、24mm F2.8、Micro 60mm F2.8…の計4本だけです)が揃っていますが、このNikonのシステムを普段趣味で使うとか、散歩や旅行に持ち歩くことはまずありません。
 でも、以前どこかで書いたように、私は80年代にフリーライターをやっていた頃、取材用にPENTAXのカメラを使っていたせいで、当時のマニュアルレンズが何本かあり、それをデジイチで使ってみたかったこともあって、K100D-Sが発売されて旧に安くなった100Dのボディだけを、昨年夏に購入していました。で、M50mm/F1.4やF1.7なんかでしばらく遊んでいたのですが、すぐに飽きて、ここのところはお蔵入りしていました。

 ところが、半年くらい前でしょうか、デジカメ関係の掲示板をボンヤリ見ていたら、TAMRONの「17A」が銘玉だなんて話で盛り上がっていてビックリ。それで「17A」で検索したら、かなり前からいろんなところで絶賛されていたのに非常に驚きました。しかも、オークションなどでも人気のレンズだそうです。その17A(35-70mm/F3.5)という安物のズームレンズは、私も持っているだけでなく、個人的に非常に思い出深いレンズなのです。

 思い起こせば、1982年から83年にかけてニューヨークに滞在し、その後半年間ほどグレイハウンドバスで全米を回りながらあちこち撮影した時によく使ったのがTAMRONの17Aです。当時アメリカへ持っていたカメラはメインがPENTAXのMX、そして予備のボディに中古のME、レンズはM50mm/F1.4とM135mm/F3.5、そしてM28mm/F3.5の3本(フィルタ径を49mmで統一)、それに追加したのが当時発売されたばかりのTAMRONの17Aでした(ちなみにコンパクトカメラは、オリンパス「XA」を持っていきました)。当時はすごく貧乏だったので(今も貧乏かも…)安いレンズしか買えず、TAMRONの17Aと言えば3万円前後で買える最廉価版の標準ズームであり、まさに貧乏人向けのレンズでした。でも、アメリカに滞在中いちばん便利に使ったのがこの17Aでした。F値が通しで3.5であったことで、MXというマニュアルカメラでも、とても使いやすいズームでした。

 で、ネットで17Aが絶賛されているのを見て、昔の機材箱からこの17Aを探し出して(幸いカビもないし、ピント/ズームリンクの回転もスムーズ)、K100Dにつけて撮影してみました。そうしたら、これがけっこうイケるんです。まず、K100Dに付けたときの大きさ、鏡胴の太さ、そして重量のバランスがいい。ズームリングとピントリンクも、慣れているせいか実に回しやすい(純正レンズとは回転方向が逆ですが)。さらにこの17A、あらためてよく見れば、けっこう無骨でかっこいいデザインのレンズです。
 70mm側にしておけば、マット面でのピント合わせも、とても見やすいですね。M50mm/F1.4と較べても、ピントが合った時にマット面でスッと画像が浮かび上がってくる感じがはっきりしていて、ピントの山が掴みやすい。70mm側でピントを合わせたら、ズームリンクを回して画角を決め、後はお約束のAE-Lボタンを押して適正露出になるシャッター速度を計測、その後シャッター速度で露出補正をしてシャッターボタンを押す…という、K100Dでマニュアルレンズ撮影時の一連の動作も、慣れればけっこう素早くできます。2年以上前に発売された製品について今さらコメントするのもなんですが、このPENTAXの「ハイパーマニュアル」というか「実絞り測光」は実に便利な機能で、昔MEなどのAE機で日常的に絞り優先で撮影していた時と全く同じ感覚で、旧レンズで自然な撮影ができます。こうした機能を搭載したPENTAX技術陣の良心を感じます。私は「レンズの互換性」なんてものにはこだわらない方ですが、こうして旧いマニュアルレンズで遊べるカメラがあるのも、それはそれで楽しいですね。

 しかも17Aで撮影した画像も、悪くない。ネット上のあちこちで「銘玉」なんて絶賛されているほどのものか…とも正直思いますが、でも絞り開放からかなりシャープだし、F4まで一段絞れば、まあ文句のないシャープさ。シームレスで望遠側25cmまで寄れるマクロも使いやすいし、発色もナチュラル。私は、K100Dのキットレンズを持っていない…というか、PENTAXのデジタル専用レンズを持っていないので、それらとは比較できませんが、F5.6まで絞った画像なら、最近のレンズ、例えばD80に付けて仕事ではいちばんよく使っているTAMRONの大口径レンズ17-50mm/F2.8と較べても、シャープさに遜色はありません。開放~F4あたりのボケ具合も、けっこう素直です。昔の安レンズでこんなにきれいに撮れるのは、確かに楽しいかも。

 話は飛びますが、私は「純正レンズ」なんてどうでもいいと思っています。上述したTAMRON AF 17-50mm/F2.8なんかは実売4万円以下なのに、純正レンズにも負けないほどよく撮れる、非常にコストパフォーマンスが良いレンズだと思うのですが、仕事で使っているとTAMRONというだけで一段低く見る人もいます。でもTAMRONが、グループ企業のSONYをはじめ、NikonやPENTAXなど大手カメラメーカー向けに純正レンズを大量にOEM供給している事実は、よく知られていること。COSINAなんかも同じ。レンズなんてメーカー純正にこだわる必要はまったくありません。

 話は17Aに戻りますが、そんなわけで、K100D+17Aで構えた時のバランスの良さ、そしてピントリンクとズームリンクを回す…という懐かしい操作の楽しさ、35mm換算で約50-100mmという半端な焦点距離の面白さ…にちょっとハマった私は、今年の春頃から時々、17Aを付けっ放しのK100Dを外出時に持ち出すようになりました。50-100mmは、ボディ内手ぶれ補正の効果を実感できる焦点距離だし、街角スナップはむろん、猫撮りにも女の子のポートレート撮影にも、草花や虫などのマクロ撮影にも好適で、何でも撮れちゃいます。

 また、こうしてK100Dなんて二世代前の機種をあらためて使ってみると、レンジ感があって全体的に尖ったところのない素直な描写は捨てたもんじゃないし、印刷するわけではないので600万画素CCDの解像度にも別に不満はありません。
8GBのSD入れておけば、JPEGなら3000枚以上(999枚までしか表示されませんが…)、RAWでも700枚以上撮れます。バッテリーの持ちもいいし…。でも、単三のeneloopを4本入れたK100D本体+17Aの合計約1Kgの重量は、散歩に持ち歩くにはやっぱりちょっと重いかも。ボディがあと200g軽ければ…と思います。後はカメラ内RAW現像機能が欲しいなぁ。そうなると気になるのは、PENTAXの新しい小型軽量機「K-m」です。K-mにも実絞り測光機能が引き続き搭載されているようなので、もう1台PENTAXのボディを買ってもいいかも。私の場合、ファイダンー覗いて、ピントリンクを回して…という操作感を楽しんでいるわけだから、ライブビューもいらないですし…。

 そういえば昔、同じTAMRONの40A(35-135mm F/3.5-4.5)という、結局あまり使わなかった安いレンズも購入した記憶があるので、探してみようと思います。ただ、今回書いたTAMRONの17Aに限らず、ネットを見ていると旧いレンズを過大評価する向きがあるようですが、私は昔のマニュアルレンズにそこまでの思い入れもないし、本当の評価もわかりせん。そんなわけで、まあそのうちに飽きるかもしれませんが、当分はK100D+17Aの組み合わせで遊べそうです。近々、クアラルンプールへ行く予定があるので、持って行こうかなぁ。

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