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MPEG-4カメラの魅力

■MPEG-4カメラで遊ぶ

 最近のデジカメは、大半の機種が動画撮影機能を備えています。実際に動画を撮影するどうかは別にしても、デジカメさえあれば誰でもムービー撮影を楽しむことができます。
 一方で、デジタルビデオ(DV)カメラの小型化も進んでいます。500gを切る機種まで登場し、デジカメ並みの携帯性で日常の動画記録に使えます。小型MPEG-2カメラも登場しました。さらにこれらDVカメラの一部は、CCD画素数のアップに伴って、かなりの画質で静止画を記録することが出来ます。
 ということは、静止画像の撮影が主でたまに動画を楽しむのならば高機能デジカメを使えばよいし、逆に高品質の動画を長時間撮影することが主目的でたまに静止画を記録したいのならばデジタルビデオを使えばよいわけです。

 さて、こうした状況の中でシャープの「インターネットビューカム VN-EZ5」や「eggy」、そして松下電器「D-snap」などに代表される「MPEG-4動画カメラ」についての評価は、けっして高くありません。というのも、多くの人が「MPEG-4カメラは静止画の画質も半端、動画の画質も半端」と感じているからでしょう。確かに「VN-EZ5」、「eggy」ともに動画は160×120dotまたは320×200dotであり(D-snapは176×144dot/360×240dot)、画質も荒く、とても家庭用の大画面TVで楽しめるようなものではありません。記録時間も、DVと比較すれば短いものです。
 現行のMPEG-4カメラは、概ね静止画撮影機能も低いと言えます。例えば「VN-EZ5」静止画は130万画素であり、これは現行のローエンドデジカメ、または一世代前の主力機種に相当する水準のものです。「eggy」や「D-snap」にいたっては一世代前のVGAデジカメの機能しか持っていません。

 しかし、MPEG-4動画に関しては、DVカメラ等との単純な画質比較では判断できない大きなメリットがあります。それは「データ容量が極めて小さい」という点です。
 DVの動画のデータ容量は、10秒間で10MB以上に達します。デジカメの動画機能で撮影した320×240dot程度の動画についても、フォーマットにもよりますが10秒間で1MB近くに達します。それに較べてMPEG-4動画なら、10秒間で100KB以下にまで落とすことができるのです。MPEG-4ファイルをWindowsの標準動画フォーマットであるAVIファイルと比較すると、約1/10にまで圧縮することができます。実はこのデータ量の差、すなわち圧縮率の差は、そのまま帯域の違いでもあり、Web上のデータとして扱えるかどうかの差にもなるのです。
 要するに、MPEG-4カメラで撮影した動画はデータ量が小さいので、パソコンのHDDの中にたくさん貯め込んでおくことができます。また、それをいつでもWebサイトで公開できるのです。

 MPEG-4は、あくまで「インターネット上での配信」を目的とした動画圧縮フォーマットであり、ISDNのような比較的狭い帯域の回線利用時でも、ストリーミング再生が可能となります。これは、他の動画圧縮方式では事実上不可能なことです。
 ADSLやCATVなどのブロードバンド回線が普及しつつありますが、今なお多くのユーザーがせまい帯域の回線を利用しています。また、ADSLやCATVとは言っても、500K〜1Mbit/s程度のブロードバンドでは、MPEG-2はむろん、サイズの大きなAVI動画のストリーミング再生は無理でしょう。そんなところから、Web上で利用するにあたってMPEG-4動画の有効性は非常に高いものがあります。
 さらに、インターネット配信など考えない人にとっても、MPEG-4カメラを日常的に持ち歩くのは、十分に楽しいことです。

■「ムービーキャプチャー・デバイス」で動画スナップ

 シャープ「VN-EZ5」やDoCoMo「sggy」、松下電器「D-snap」などのMPEG-4カメラを手にすると、「動画スナップ」という、新しい楽しみ方を体験出来ます。小さく手軽になったとは言え、DVではちょっと大げさに感じるのが「散歩のお供」的な使い方です。その点、小さなMPEG-4カメラなら、散歩に持ち歩くのにバッチリ。
 ジャケットのポケットにでも剥き出しで突っ込んでおいて、これはと思う被写体をパッっと動画で撮影するのです。道端の子猫、風に舞う落ち葉、スケートボードで遊ぶ少年…など、心の琴線に触れるシーン(動きのあるシーン)を、短い動画で記録してみましょう。
 MPEG-4でスナップした動画は、160×120dotと画面サイズは小さく、しかもけっして画質がよいわけでもありません。でもそこには、静止画にはない「臨場感」があるのです。音声も入ると、ますます臨場感が高まります。この独特の臨場感は、絶対に静止画にはないものです。

 小型MPEG-4カメラは、スチルカメラともビデオカメラとも異なる使い方が出来るのです。それは「ムービーキャプチャー・デバイス」とでも呼ぶべきかもしれません。身近な情景を片っ端から撮影し、パソコンの中に貯め込んでおけば、いつでも撮影時の情景を再生して楽しむことができるのです。そして、Webサイトで公開するのも簡単です。

■MPEG-4ビュアーで楽しむ

 データ量が小さいMPEG-4動画は、液晶モニタ付きのMPEG-4カメラやMPEG-4再生専用のビュアー、そしてWindowsCEマシンやザウルスなどのPDA/モバイル端末で長時間動画を再生することが可能です。
 自分で撮影したオリジナル動画を楽しむだけではなく、TV番組などを録画して、電車の中でゆっくりと見ることができます。英会話の番組などをMPEG-4動画で録画しておけば、いつでもどこでも勉強することが可能です。
 VN-EZ5やD-snapはMPEG-4リアルタイムエンコード機能を持っているので、AV入力したTV番組を直接MPEG-4動画に変換して記録することができます。また、Windowsメディアエンコーダなど、既存の各種フォーマットの動画をMPEG-4動画に変換するソフトも簡単に入手でします。

 いろいろな楽しみ方ができるMPEG-4動画、あなたも楽しんでみませんか?


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