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1万円台デジカメの実力    〜リコー「Caplio G4」試用レポート     2004/3/26

 2001年のコラムですから3年前になるでしょうか、「激安! 13,800円の実力」というタイトルで当時型落ち品として格安で販売されていたオリンパス「CAMEDIA D-360L」(130万画素機)をレポートしたことがあります。当時としてはよく写るデジカメでしたが、さすがに現在では画質面でも機能面でも、現役機種として日常的に使うのは苦しいかもしれません。
 そして3年が経過した今回、同じように型落ちの格安デジカメを使う機会があったので、レポートしてみたいと思います。


■購入の経緯

 友人の女性から「デジカメを買いたいけれど何がいいだろうか」という相談を受けました。条件は2つで、「ともかく安ければ安いほどいい。2万円以下が希望」「Webサイトにアップするお菓子の写真を撮るために使うのでマクロ撮影機能に優れていること」…というものです。
 実売2万円以下で買えるデジカメ…ということで候補に挙がったのが、平均して15,000円前後で購入できるコニカミニルタ「DiMAGE X20」と、16,000円前後で購入できるリコー「Caplio G4」の2機種でした。X20はお散歩用スナップカメラとしては最高で、15,000円はかなりお買い得です。一方G4は、サイズが大きめという感じがしますが、300万画素機だし、なんたってマクロ撮影機能は最高です。
 どちらにしようか迷いましたが、「お菓子の画像を撮る」…という目的があったので、「Caprio G4」の購入を勧めました。ネットショップで最安値が16,900円でした。それにしても、型落ちの不人気機種とは言え、発売後まだ半年ちょっとしか経っていません。1万円台半ばとは、ほとんどトイデジカメの価格です。兄弟機の「G4 WIDE」は28ミリからの広角ズーム搭載という絶対的なアドバンテージがあるので値落ちが少ないようですが、G4の方はこれといった特徴がない点で損をしてます。

■使ってみたら…

 注文した翌日に送られてきたG4を早速借りて、撮影してみました。
 ボタン配置やズーム操作など、操作性はごく普通です。大きめに感じる厚みのあるボディは、見た目はともかくグリップ性は悪くありません。しっかり構えて撮ることができます。モードダイヤルの中央に電源ボタンがあり、慣れないうちはシャッターボタンと押し間違えやすい感じです。
 高速起動とタイムラグの短さは、言うことなし。レスポンスがいいので、気持ちよく撮影できます。フォーカスのスピードも速く、フォーカス精度もかなり高いと思います。
 MENUボタンを押して選択する機能メニューについては概ね他機種と同じですが、G4に関してはメニューボタンをあまり使わずに撮影できます。まず、ダイヤルボタンでシーンモードを選択できるので、たいていの撮影シーンはこれで対応できるでしょう。そして、非常に便利だと思ったのは「ADJ(アジャスト)ボタン」。このADJボタンを押すと、「露出補正」「ホワイトバランス」「ISO感度」の順に、矢印キーを使っての変更ができます。露出補正をトップに持ってくるあたり、よく考えられた操作体系だと思います。
 その他、マニュアルフォーカスモードを搭載していたり、マルチ(256分割)/中央重点/スポットと、測光方式を選択できたり、実はかなり多機能なデジカメです。じっくり使い込むと、かなり面白いかもしれません。
 バッテリーは単三を2本使用するタイプで、ニッケル水素電池を使えば旅行時などにはいちばん安心で使い易いタイプです。リチウムイオン電池も使えます。
 あと気になる所といえば、SDカードを出し入れする部分のフタの開閉がちょっと不自然。なんとなく壊れやすそうな感じですね。そうそう、屋外撮影時には液晶モニタの輝度不足も感じます。

■画質は…

 CCDは1/2.7インチの334万画素、35mm換算で 35〜105mmの光学3.4倍ズームを搭載しています。いずれも、このクラスのコンパクトデジカメとしては標準的なスペックです。
 で、実写サンプルを掲載しますが(いずれもフルオート)、写りの方はほぼ申し分なし。高めの彩度ながら、比較的自然な発色です。シャープさも十分で、光学系はかなりよいと思います。ノイズが出やすい青空部分などを見ても、気になるようなノイズはありません。「申し分のない写り」という評価は、1万円台半ばという実売価格を前提としていますが、いやもうこの値段のデジカメでこれだけ撮れれば、文句はありません。
 ※サンプル画像は800×600dotにリサイズしました。レタッチなしの画像です。


 そして何と言ってもマクロ、もう昔からリコー製品のマクロには定評がありましたが、このG4も1cmマクロが搭載されています。さらに特筆したいのは、マクロモードにしなくても通常モードで30cmまで撮影できる点です。日常の撮影では、シームレスに30cmの距離まで撮影できれば、ほぼマクロモードは不要でしょう。実に便利です。
 マクロの実写サンプルですが、基板のチップ部品を撮影してみました。距離は約2pです。



■全体的な感想

 G4は、よいデジカメです。画質も操作性も、特に難をつけるところがありません。これ1台あれば、今回のようなちょっとした商品撮影用途には最高だし、旅行などに持っていっても十分に使いやすいと思います。オールマイティな製品ですね。
 こんなデジカメが1万円台半ばで購入できるとは、なんだかもったいない気がします。ユーザにはよい時代ですが、メーカーは厳しいですね。

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