eggyを買え! 〜最後のアジテーション 2002/2/5
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私は、決して「NTT DoCoMoの回し者」ではありません(笑)。別にeggyを賞賛したからと言って、誰が褒めてくれるわけでもお金をくれるわけでもありません。でもD-snapを使ってみて、あらためてeggyのコストパフォーマンスに感心したので、久しぶりにeggyについて書きます。
「eggyのコストパフォーマンス」と書きましたが、コストパフォーマンスという考え方は、eggyに関しては絶対に誤りです。eggyについて語る時、多くの人が1万円以下の実売価格を想定して「トイデジカメ並の値段からすると高性能」という評価をします。私は、D-snapとeggyを比較して、現時点なら同じ販売価格であっても機能面でeggyに軍配を上げます。要するに、D-snapが4万円で、eggyも4万円だっとしても、あえてどちらかを選べと言われたら、私はeggyを購入するかもしれません。ただしこれは、「動画デジカメ」としての機能を評価しての話です。
以下、主にD-snapとの比較で、eggyの機能と特徴をあらためて見直してみましょう。
■動画の画質
動画に関しては、eggyとD-snap、そしてVN-EZ5の間に、大きな差はありません。しょせんはMPEG-4動画です。しかしeggyの動画は、D-snapと較べるとCCDを採用している分、ノイズ感の少ない滑らかな動画です。さらに、D-snapはむろんVN-EZ5と較べても、暗い場所での撮影に圧倒的に強いというメリットがあります。当たり前の話ですが、動画撮影時にはストロボが使えません。となると、照度不足の場所できれいに撮影機できるeggyの機能は、現行のMPEG-4カメラの中ではピカ一です。
■静止画の画質
静止画の画質に至ってはeegyは、D-snapをはるかに凌駕します。D-snapの静止画は、トイデジカメの中で比較しても、決してよいものではありません。特に光学系の質が悪い感じがします。
eggyもそれほどよい光学系を使っているわけではありません。周辺部の歪みも周辺光量の落ちもあります。しかし、eggyの発色はおおらかで大変好ましいものです。解像度感はD-snapとほぼ同じでも、表現力ははるかにeggyの方が上です。
数年前のCCD搭載高画質VGA機の雰囲気を残すeggyの静止画は、D-snapのようなレベルの低過ぎるカメラではなく、100万画素クラスのデジカメと比較してもある程度は比較対象となるものです。つまり、Web用途を含めて、日常の記録用途には十分な画質です。
そしてeegyにはストロボが搭載されていませんが、これは何のデメリットにもなりません。D-snapのような「使えないストロボ」が付いているよりも、暗い屋内でノンストロボで撮影できるeggyの方が、はるかに便利です。間違ってストロボを焚いて、他人を驚かせたり不愉快にさせたりしなくても済みますから。
■CCD vs CMOS
撮像素子としてD-snap及び他の多くのトイデジカメが採用するCMOS、そしてeggyが採用するCCD…これはもう決定的とも言える機能差です。eggyとD-snapの動画と静止画の画質にかなり差が出るのは、既に見てきた通りですが、これはeggyがCCDを採用しD-snapがCMOSを採用しているからです。そして、この撮像デバイスの差が決定的に出るのは、動画のところで書いた「暗い場所」での撮影機能です。一般的には、CMOSの感度はCCDの1/5程度です。その分、CMOSは電気的に増幅せざるを得ません。だから暗い場所での撮影はノイズが増えます。ともかく照度不足の場所で動画も静止画も美しく撮れるのは、CCDを採用しているおかげです。
■外部AV録画機能
たしかに、これはD-snapやVN-EZ5にはあって、eggyにはない機能です。でも私は、この機能を使わないので、そこに価値を見つけることができません。あくまで「動画・静止画デジカメ」として機能を評価しているのです。
仮にAV録画機能をD-snapのアドバンテージとするのなら、eegyの方には「モバイル通信・ネットブラウズ・メール端末」という機能があります。これは、D-snapにもVN-EZ5にもないアドバンテージです。双方が相手にない機能を持っているわけですから、機能面での優劣はつけられません。
■最悪のデザインだが…
「モノ」としてのデザインを見た場合に、eggyとD-snapでは比較になりません。…D-snapの方のが上です。いまだに私は、eggyのおもちゃっぽいデザインは「最悪」だと思っています。チャチな上に、まったく所有欲をくすぐらない代物。D-snapはむろん、VN-EZ5だってeggyよりは遥かにマシなデザインです。
でも、このeggyのおもちゃっぽいデザインが、実は大きなメリットになるというのは、購入して使い込んで、はじめてわかったことです。
まずeggyのデザインは「カメラらしく」ありません。従ってカメラで撮影されていることを相手に意識させないで済みます。さらに、そこにeggy独特の撮影ポジションが加わります。顔の前に構えるのではなく、上から液晶画面を覗き込みながら胸の前で構えるため、撮影時に相手に対して威圧感を与えません。いかなる場面でも、さりげなく撮影できます。カメラを向けた時の相手の反応を読みにくい海外旅行時の撮影などでは、これは決定的なメリットです。
そしてボテッと大きなeggyのサイズも、撮影時のメリットにつながります。一定の質量があり、しかも両手でしっかり構えるので、手ブレしにくいのです。歩きながら撮影する時にも便利です。
■eggyは使える!
デザイン以外にも、eggyには不満点はたくさんあります。特に電源投入後の起動が遅い点は、かなりイライラします。
こうした機能面での問題点を踏まえても、依然としてeggyは魅力的です。D-snapと比較すれば、動画・静止画の撮影機能面で、eggyには絶対的なアドバンテージがあります。VN-EZ5は明らかにeggyよりも全ての面で高機能ですが、それでも「相手に意識されないで撮影できる」という点では、eggyの方が使いやすいのです。
結局のところ、eggyは「日本のデジカメ史上に突然変異のように現れたあだ花」とでも言うべき、特異な存在です。まさに、オルタナティブ・デジカメです。eggyのような製品が「500円」で販売されていること自体が、奇跡と言ってもよいかもしれません。
ただし、DV動画やMPEG-2動画との比較でeegyの動画の画質を論じる人や、200万画素以上のデジカメと比較してeggyの静止画の画質を論じるような人には、eggyは全く無価値なものでしょう。別に論争する気はありません。確かに、eggyの動画も静止画もたいしたことはありません。そう思う人は、DVカメラや高機能デジカメを買えばよいだけです。
でもDVカメラは、まだまだMPEG-4カメラのようには気楽に使えません。DVで撮影した動画は、eggyで適当に撮った動画のように、簡単に編集し、簡単にWebにアップすることはできません。世の中はブロードバンド環境のユーザーばかりではありません。MPEG-4動画ならば、そのままWebにアップしても、ISDNレベルの接続環境の人にも見てもらえます、MPEG-4動画ならば、サーバーのスペースが10〜20MBしかなくても、大量の動画をアップできるのです。
そして高級デジカメはeggyよりもはるかに高画質の静止画が撮影できますが、気軽に長時間の動画撮影はできません。最近のデジカメの動画機能はeggyよりも高画質かもしれませんが、MPEG-1やAVI、MotionJPEGなど、短時間でやたらとメモリを食う代物です。Webにアップするのも一苦労です。
■今のうちにeggyを買え!
eggyは、「使える動画デジカメ」です。バンコクやニューヨークの街を徘徊する時にポケットに放り込んで歩けば、目につくものを片っ端から動画や静止画でバンバン撮影できます。フラッと入った暗い照明下のクラブやレストランの中でも、バッチリ鮮明に撮影できます。しかもさりげなく…。フル充電のバッテリー1本と64〜128MBのCFカードで、ほぼ1日中撮影を楽しめます。予備のバッテリーを持って歩けば、さらに余裕を持ってタップリと撮影することができます。予備のバッテリーを購入する時には、安いeggyをもう1台購入すればよいのです。
なぜ、こんな時期にあえてeggy礼賛文を書いたのか…、それはeggyがまもなく購入できなくなるからです。2002年2月現在、既に製品サイクル上からは終盤に来ています。おそらく最後の在庫処分の段階です。街で見かけなくなるのは時間の問題です。あと1ヶ月もすれば、もう買えなくなるはずです。本当にラストチャンスです。
むろん、eggy2が発売される可能性は高いでしょうし、D-snapやそれに続く高機能機も商品化される可能性があります。SONYの小型MPEG-2カメラ「DCR-IP7」のような製品も増えてくるでしょう。でもそれらは、絶対に1万円以下では買えません。eggyのような高機能動画カメラが安く買えるのには、それなりの背景と理由があるのです。
現在eggyは5,000円以下で買えることも多いのです。場所によってはもっと安いはずです。このチャンスに買わない手はない…と思います。もし5,000円程度で見つけたら、2台まとめて買っちゃいましょう。
今後新製品が出ても、1万円以下で購入したeggyは十分に長期に渡って使えるはずです。安いがゆえに、どこにでも持ち出して、壊れるまで徹底的に使い倒せばよいのです。
私がeggyを購入して、約1年が経過しました。この1年間、eggyで遊び倒しました。海外旅行にも何度も持っていきました。日常生活の中でもたくさんの動画を撮りました。こんな面白いカメラ、こんなに楽しんで使ったカメラは、過去に例がありません。
まだeggyを購入していない方、まだ遅くはありません。ぜひ買って遊んでください!
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