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現時点でコンセプト可能な… 「使い切りデジカメ」

 さて、「使い切りデジカメ」の話の続きです。「撮ってもEG」は画質も使い勝手も全く話になりませんでしたが、ではどの程度のスペックならレンズ付きフィルム代わりの「使い切りデジカメ」がコンセプトできるのか、少しまじめに考えてみましょう。


■カメラ部のスペック

 候補となるカメラのスペックイメージは、三洋電機の「DSC-R1」とアクシアの「iX-130」の中間あたりのものでしょう。撮像素子には有効画素数が120〜130万画素程度のCCDを使い、固定焦点、スタンバイ時間が短く電源を入れるとすぐに撮影可能状態になるものです。
 私は、トイデジカメから400万画素機までいろいろと撮影してみましたが、120〜130万画素あたりの機種なら、ほぼ「レンズ付きフィルム」に匹敵する画像を撮ることが可能だし、トイデジカメと較べて悪条件下での撮影に強いですね。だからコストパフォーマンスを考えれば、画素数はこのあたりで十分でしょう。CCDではなくCCD並みの感度とダイナミックレンジが実現できるのならCMOSでも構いませんが、まだちょっと難しいようですね。

 背面の画像再生用液晶モニタは要りません。その代わり視野率の高い光学ファインダーをつければいい。小型の液晶で撮影枚数だけをカウント表示してください。光学系はF2.8で十分です。
 レンタル用ですからメモリは内蔵タイプにして16MBで十分、1280×1024dotの画像を約40枚(レンズ付きフィルムの40枚タイプと同等)撮影できればOKです。それなら、あまり圧縮率を上げなくてもよいでしょう。
 一切のマニュアル設定機能は不要です。むろん、液晶モニタがないのですから再生モードも不要。画質の切替も要りません。基本的には電源スイッチ、シャッターボタン、そして現在の「撮ってもEG」にはない、ストロボのON/OFFとマクロモードを用意できると理想です。
 さらにオートストロボの発光量が、撮影距離に連動するとよいですね。 
 液晶モニタがなければ、このデジカメは単三2本で1000枚近く撮影できるはずです。個人的には単三2本型は好きですが、レンタルデジカメですからリチウムイオン電池の方がよいでしょう。フル充電で40枚分撮れればよいのですが、2週間ほど放っておかれることも考えれば、単三1本分(1500〜2000mAで連続500枚撮影)ぐらいの電力容量は必要でしょう。それでも、現行の「DSC-R1」よりは小さくできるはずです。液晶モニタもないのだから、重量はバッテリー込みで150g程度に抑えられるはずです。

■ビジネスモデル

 「使い切りデジカメ」となると、撮影画像を無駄にする形で、捨てられたり壊されたりする可能性があります。だからこそ「撮ってもEG」は原価を抑えたチープなスペックのカメラにせざるを得なかったのでしょう。
 しかし、上に挙げたようなスペックのカメラを作るとなると、どうしても実売価格ベースで1万円台の後半、下手すると製造原価でも1万円近いものになるかもしれません。そうなると、現状の「撮ってもEG」のようなビジネスはまず無理でしょう。
 しかし、現時点で「レンズ付きフィルム並の画質と使い勝手」を実現するためには、最低この程度のスペックが必要です。ではどうすればよいか…
 とりあえあずは、いちいち身分証明書をコピーした上で会員カードを発行し、その上で会員にレンタルする形でデジカメを貸し出せばよいと思います。確かに、これでは「使い切りデジカメ」のビジネスコンセプトとしては一歩後退する形になります。しかし、最近の一般の人はレンタルビデオ店などでこうした手続きに慣れています。会員になる手続きを短時間でできる仕組みにし、全国どの店でも借り出せるようにすれば、過渡期的にはビジネスとして成立するでしょう。
 そして、上記のスペックのデジカメが、今回の「撮ってもEG」並みのコストで製造できるようになった時に、完全な「使い切りデジカメ」にすればよいのです。やはり、まともなスペックのカメラをレンタルすることを、まず考えて欲しいですね。
 ちなみに、レンタル料金は40枚のプリント付きで、現在と同じ1,980円にしましょう。  さて、ユーザが扱うプリント端末ですが、基本的にはプリント用紙やサイズも含めて現行端末と同等のものでよいと思います。ただ、RGB補正は不要、「明るくプリントする」、「暗くプリントする」のガンマ補正だけでいいと思います。

 最後にカメラ本体は、上記のスペックを持つユニット部全体をぐるっと取り外し可能な外装で覆います。所有者が変わるたびに外装を交換するのです。いかがでしょうか…


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