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夜の街を撮っても楽しい…、SONY「サイバーショットU」    2002/7/23

 「デジカメは小型・軽量であるべき…」と独善的に断定する私としては、SONY「サイバーショットU DSC-U10」を使ってみないわけにはいきません。ともかく小さいので、シャツの胸ポケットに入れておいて、目に付くものを片っ端から撮影する…という使い方が楽しいデジカメです。「デジカメ」という言葉よりも、「イメージ・キャプチャー・デバイス」という言葉が似合いそう…
 「DSC-U10」は人気機種なので、たくさんのユーザーによるレビューが読めると思いますが、とりあえず私なりの使用感とサンプル画像をアップしておきます。
※ 後継機「DSC-U30」のインプレッションはこちらです。


デザインと感触

 SONY「サイバーショットU DSC-U10」は、130万画素CCDを搭載した重量87gの超小型カメラです。確かに手のひらに握り込めるほど小さいのですが、厚みがあるのでぽってりした感じ。87gと言っても電池とメディア込みの質量は約120g、シャツの胸ポケットに入れると多少「ずっしり感」があります。とはいえ、ポケットに入れて持ち歩くのに、何の負担もありません。究極の「お散歩カメラ」です。
 私が購入したのは「シルキープラチナシルバー」という本体色。アルミのボディに、見る角度によって白ともグレーともつかない微妙な色あいの塗装が施されていますが、特に高級感があるわけでもありません。安っぽい感じもしませんが、どことなく女性を意識した色調です。個人的には、もっとシンプルな金属色の方がよかったかも…。
 電池とメモリースティックへは同じ開閉部からアクセスします。開閉部は強度的にも機構的にもしっかりしたもので、安心感があります。
 ガジェットとしての面白さは、CheezSPYZの方が上って感じます。この「DSC-U10」、うまく言えないのですが「小さいけれども平凡」なデザインだと思います。サイズだけを見てもコンセプチュアルに作られたデジカメだってことはよくわかりますが、こうして形になってみると、デザインも機能も意外と平凡な感じ。シンプルで悪くはありませんが、「大人のガジェット」って感じはしません。しかし、コンセプトがそのまま形になって押し付けがましいEXILIMと較べると、あまり主張を感じないデザインがかえってGoodです。ほとんど直方体に近く、さりげなく小さい…、デジカメです。
 ところで「DSC-U10」は、私にとって「初のソニー製デジカメ」であり、「初めてのメモリースティック対応製品」です(笑)

■操作性

 操作性については、ほとんど文句はありません。操作系は非常にシンプルで、私は購入してから一度もマニュアルを読まずに使っています(私が購入したのは輸出用モデルなので日本語のマニュアルがありません…笑)。
 撮影に関する操作といっても、何もすることがありません。スライド式のレンズカバーを開けると電源が入って瞬時に撮影スタンバイ、あとはシャッターボタンを押すだけ…です。右手だけでカバーを開いて、そのまま片手で撮影できます。
 添付される8MBのメモリースティックなら、電源投入から撮影スタンバイまでの時間はまさに一瞬、32MBのメモリースティックでも、ほんの一呼吸(2秒以下)です。画像の記録時間も短く、これまた最高画質(1,280×960ドット)で1〜2秒程度。まさに気軽に連続スナップを楽しめます。32MBのメモステを使うと、最高画質で93枚撮影できます。私は32MBを2枚持ち歩いていますが、日常メモ用としては、これで十分です。
 シャッターの感触は、悪くありません。軽いけれども適度にストロークとクリック感があり、確実にシャッターを押したことを感じさせてくれます。
 1.0型という小さな液晶モニタは、さすがに発色もあまりよくないし、撮影画像の細部を確認するには画面が小さ過ぎて無理があります。反射型液晶で、フロントライトの点灯をメニュー上からオン/オフできます。反射型液晶なので、逆に明るい屋外での視認性は悪くないですね。直射日光下でも十分に見ることができます。いずれにしても私は、液晶モニタでピントを確認したり再生画像を楽しんだりしないので、画面が小さくても特に問題を感じません。光学ファインダー代わりにフレーミングの確認に使うだけなら、このサイズの液晶モニタでも文句はありません。
 撮影モード、再生モードを切り替えるスライドスイッチが上部にありますが、固さもほどよく、使いやすいものです。MPEG-1ムービーが撮影できますが、個人的には使わないので特に評価しません(末尾にサンプルムービーをアップ)。

 各種設定は、上下方向に動くコントロールボタンと、その左右にあるMENUボタン、EXECボタンの3つで行います。いずれも小さなボタンですが適当なクリック感があり、操作性面での問題はありません。MENUといっても、個人的には解像度の設定とかBEEP音のON/OFFぐらいしか使いません。ピクチャー・エフェクト機能なんてのもありますが、別に興味はありません。
 コントロールボタンをアップすると、ストロボのON/OFFを切り替えられます。ダウンするとシーンセレクションを切り替えることができます。小さなボタンなのに指先へのひっかかかりがよく、非常に操作しやすいのには感心しました。ストロボの設定は、電源をOFFにしても保存されるので安心です。
 後は、02m、0.5m、1m、無限遠の固定フォーカス設定ができるのが意外と便利で、これは使い途がありそうです。
 撮影時に、左手の指がレンズ部にかかりやすい点は要注意ですが、慣れれば問題は無いでしょう。小さいゆえの手ブレはありますが、ここまで小さければ条件によって手ブレするのは当たり前、気にせずバンバン撮りましょう。

■電源

 単四電池を2本使います。750mAの単四ニッケル水素電池2本と、2本タイプの充電器(海外でも使える240V対応)がパッケージされています。別売で急速充電器も用意されていますが、かなり値段が高いので、Nexcellの充電器でも使った方がよさそうです。
 ささやかな話ですが、付属の電池に単四が2本入る小さなケースがついてきたのはとても気に入りました。これは個人的にはヒットです。単四2本タイプのケースはあまり売ってないし、コンパクトでかっこよく使いやすいケースなので、予備電池入れとして愛用させて頂くつもりです。
 ところで私は、付属の電池ではなくGPブランドの700mAの単四ニッケル水素電池(1本200円)を「DSC-U10」に使ってみました。200枚ほど撮影したのですが、まだ十分な残量があります。カタログスペックでは750mAの電池2本で1000枚以上撮影できるとのことですが、実際にはストロボ使用率が10%程度で、時々再生したりしながら使うと付属の電池は300〜400枚でバッテリー切れになります。しかし、この枚数が撮れれば別に問題はありません。アルカリ電池も使ってみましたが、コンビニで販売している安い電池だと60〜70枚程度の撮影で電池切れになります。

■撮影時の感触と画質

 個人的に思う最大の特徴の1つは、レンズの画角です。私が購入に踏み切った大きな理由の1つが、35mmカメラ換算で33mmという広角寄りの焦点距離です。トイカメラも含めて、小型デジカメで広角寄りの画角を持っている製品が少ないので、この点だけでも十分に魅力的です。またF2.8と明るい点も秀逸です。画角33oでF2.8と言えば、私の愛機であるコダック「DC3800」と同じ。これはスナップには実に使いやすい画角と明るさです。こうして見ると「DSC-U10」は、「小型軽量・単焦点・広角」という、私が好みとするデジカメの1つの具体化例でもありますね。
 ホワイトバランスはオートのみ。ISO感度は100〜320の間で自動調整され、ノーストロボで夜景などを撮影する時には、自動的に最高感度までゲインアップされます。
 ストロボは50cmから使えるとありますが、実際に50cm前後の近距離で使用すると白飛び気味の画像になります。1m前後の距離で使うのが最も光の回りがよく、人物もきれいに撮れます。私はあまりストロボを使う方ではないので、ストロボの性能については特に不満はありません。ただ、30p前後の距離でもストロボが使えると便利だとは思います。
 また、レンズ前10cmからのマクロ撮影が可能で、手動でマクロモードに切り替える必要もありません。メモ代わりに使うには、非常に便利です。AFスピードは、マクロ時も含めてまあ速い方でしょう。

 画質については、ほぼ予想通りのもの。画素数相当の画質と言えますが、同じ130万画素機でもオリンパス「D-360L」やシャープ「VN-EZ5」あたりと較べると、さすがに解像度感の低い甘めの画質です。発色は比較的色乗りがよいものですが、かといって鮮やかというほどではなく、むしろ抑えめの色合い。レタッチを考えれば、まあ好ましい色調と言えるでしょう。
 また、これは私の所有するU10固有の問題かもしれませんが、室内など暗めの場所でノーストロボで撮影をすると、かなり沈んだトーンの画像になります。また、オートホワイトバランスはあまり安定したものではなく、ちょっとした光の条件の違いで色調の異なる画像になったりします。ダイナミックレンジはそこそこ広いようですが、撮影画像からはあまりレンジ感を感じません。ただ、暗く写った画像でも黒ツブレしていることは少なく、後からレタッチで救済できます。
 JPEG画像の圧縮率は高めで、1,280×960ドットの画像1枚あたりが300K程度。その分やはり階調表現は甘くなります。
 まあ、本体サイズと利用形態を考えれば十分な画質と言えるし、用途から見れば多少の画質の良し悪しなんてどうでもいい…って感じですね。

 デジカメに関しては、「小ささは七難を隠す」…という格言(?)が有効です。「DSC-U10」の持つ絶対的な機動力の前では、多少の欠点は些細なことに感じます。ここまで小さく、しかも「まともな画像」が撮れるカメラは、それだけで十分過ぎるほどの魅力があります。小さいゆえの手ブレはありますが、多少ブレていてもライブ感覚の画像が撮れる方が、ずっと楽しいですね。機能面ではいろいろと細かい不満点がありますが、「DSC-U10」に対して今以上の機能を要求する気にはなりません。
 小さくてよく写る「DSC-U10」は、あらためて「デジカメで写真を撮ることの楽しさ」を味わわせてくれました。当分は毎日持ち歩くことになるでしょう。



 「DSC-U10」の実写画像サンプルを掲載します(クリックするとオリジナルサイズの画像が表示されます)。

 さて、まずはオーソドックスに晴天の日中屋外画像です。画素数相当の無難な画像が得られます。

 次は、夜景と室内画像です。「DSC-U10」の「居酒屋デジカメ」としての適性(?)を判断するためのサンプルです。他サイトでは、この手の画像のサンプルが少ないのでアップしておきます。

 上段左から2枚は池袋の街の夜景を適当に撮影したものですが、ISO320まで自動的に増感されるので少しノイズが浮きます。でも、手持ち撮影でよく写っています。予想外に夜景がよく撮れるカメラです。左端の画像の画面左下部分は、レンズに指がかかったので少しボケてます(笑)
 上段右端の画像は薄暗い中華料理店の店内、下段左端は小料理屋のカウンターで撮影した画像です。少し手ブレしてますが、こんなシチュエーションの画像なら気になりません。よく写っていると思います。
 下段中は、ほとんどライトがない間接照明だけの暗い室内で、パソコンのモニタの明るさに頼った撮影です。この画像だけは、+20%のガンマ補正をしました。一見真っ暗に見えた部分も、しっかり写っています。
 下段右端は、ちょうど遊びに来ていた可愛いYukieちゃんをストロボで撮影しました。彼女の気立ての良さが表情に出ている画像です(笑)

 下段真中の画像以外は、一切補正を加えていません。シーンモードも使っていません。ネオンが輝く夜景はむろん、明るめの居酒屋店内なら問題なく手持ちで撮影できます。かなり暗く写った画像でも、つぶれてはいないので、後から補正が利きます。
 暗い場所での撮影に絶対的に強いeggyほどではありませんが、「DSC-U10」もまた暗所での撮影にわりと強いデジカメと言ってよいでしょう。夜景も屋内撮影も問題なくこなせます。思ったほど手ブレもしません。
 小料理屋ではさりげなく隠し撮りをしましたが、目立たず撮影できました。バーでは逆にみんなに見せて撮影しましたが、「カワイイ!」と大受けしました。ここらへんは「夜のデジカメ」としてはポイントが高いかも…です。

 結論としては、「居酒屋デジカメ」としての適性は高い!…と思います。夜の街を、「DSC-U10」を持ち歩いて楽しんでください。


 最後にオマケとして、「DSC-U10」で撮影したムービーのサンプルをアップしておきます。eggy等で撮影したMPEG-4ムービーと較べると解像感も低くあまりパッとしない画像です。またMPEG-1形式なので、画質の割にビットレートも高いですね。MPEG-4カメラを持っていない場合の緊急用として利用する程度でしょう。

     MOV00069.MPG






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