| 20年以上も前になるでしょうか、たしか1983、4年頃だったと思います。知人のF氏によって「週刊バイク」という雑誌が発刊されました。雑誌とは言っても一般的なバイク誌ではなく、要するに「中古車売買情報誌」です。首都圏及び近郊のバイク販売店から中古バイクの在庫情報をもらって一覧掲載し、パーツメーカなどから若干の広告もとって、雑誌自体は無料化する試みでした。体裁はB5サイズで、最初は48〜64ページ程度の構成でスタートしました。
今でこそ「中古バイク売買情報誌」はたくさんありますが、これはその「ハシリ」というべきもので、おそらく初めての試みだったと思います。 たまたま、別の知人を経由して依頼され、このバイクの発刊前の作業を手伝ったのですが、なかなか面白かったように記憶しています。都内のバイクショップの多くは非常に協力的で、たくさんの在庫情報が集まりました。記事ページも作り、広告取りにも廻りました。大手メーカではHONDA、YAMAHAが創刊号から広告出稿、さらにヘルメットのアライやツーリングバッグのコロナなど10社程度の協賛を得ることができました。創刊号は無事完成し、ショップや一部書店などに配布されました。 でもこの「週刊バイク」、関係者からは好評だったにもかかわらず創刊5号目あたりで廃刊になりました。なんと言っても、数人のスタッフによる手作りで制作し、中古車情報集めにバイクで駈け回るといったやり方では、限度があります。F氏は雑誌作りはプロでしたが、小資本で事業をスタートし、周囲の好意と助力に期待する形で当面を乗り切ろうとしたのが失敗だったのかもしれません。そんなこんなで、目の付け所は良かったのですが、週刊誌ということもあってスタッフ一同は疲労困憊してしまい、どうにも続かなくなった次第です。 考えてみれば、今ならインターネットを使って簡単に出来るような企画です。事実ネット上には中古バイクの情報を流すサイトやオークションを行うサイトなどがたくさんあります。当時はまだFAXも普及していない頃で(NTTのミニFAXと言うサービスがありました)、遠隔地のショップから効率的に正確な情報を集めることは、非常に難しかったのです。中古車情報のデータベースも、パソコンを使わず、手作業で行ったのです。 また雑誌を作るにしても、今ならパソコンDTPで簡単に版下をレイアウト、制作できます。当時は、全て写植で作ったのですから、大量の中古バイク情報をレイアウト・構成する作業の面倒さは、想像を絶するものでした。 「週刊バイク」の発刊・廃刊の経緯は、時の流れを感じさせてくれます。 |