■三里屯の夜
夕食を終えると外は真っ暗、寒さは一段と厳しい。食事で体が暖まったところで、賑わう前門一帯を少し散策し、タクシーに乗って王府井に向かう。
夜の王府井は、ネオンが煌々と輝き、実に賑やかである。零度以下の気温にも関わらず、歩行者専用となった広い道路いっぱいに人が歩いている。いくつかの巨大なショッピングセンターやデパートにも入ってみたが、ここはもう銀座あたりの専門店街と変わらない。いや、ショッピングセンターの規模と品揃え、そして人出が多いことは、銀座以上だろう。ブランドショップが並び、スターバックスコーヒーなども飲める。6〜7年前に上海を訪れた時にも驚いたが、北京の発展振りはそれ以上の驚きだ。というのも、上海やシンセンは経済特区として発展してきたわけだが、北京はどうも「社会主義の中華人民共和国の首都」のイメージがあり、あまり華やかなイメージがない。ブランドショップの前でサンタクロースの衣装を着た店員が呼び込みをやっている…という北京の繁華街の姿には、かなり新鮮な衝撃を受けた。
裏通りに入ると、昔ながらの露天街があり、こちらもまたすごい賑わいだ。ともかく人の多さには驚きである。屋台の店を冷やかしたり、胡同(フートン)をうろつくのも楽しい。しかし、いかんせん寒いのである。あまりの寒さに王府井散策を切り上げて、飲みに行くことにした。行き先は、外国人向けのカフェやクラブが立ち並ぶ三里屯(サンリートン)である。
タクシーに15分ほど乗ると三里屯に着いた。歩道に面してカフェやクラブが並び、どの店もまぶしいほどネオンサインが輝いている。人通りも多いが、呼び込みも多い。開けたドアからは生バンドの歌声やカラオケの歌声が聞こえてくる。呼び込みに誘われるままに、小さな店に飛び込んだ。客は圧倒的に外国人が多く、しかも白人ばかりである。メニューも全て英語だ。外国製の主要なビールの銘柄が何でもあり、カクテルの種類も豊富である。あまりうまくない生バンドの演奏を聴きながら、ポップコーンをつまみ、ビールを飲む。中国人バンドの演奏を聴きながら飲んでいると、何だか中国にいる感じがしない。かといってアメリカやヨーロッパのクラブやカフェとも雰囲気が違うし、日本のライブハウスの雰囲気でもない。不思議な感覚である。
| 王府井界隈 |
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| 王府井界隈 |
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| 王府井界隈の露店 |
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| 王府井界隈の露店 |
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| ショッピングセンター |
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| 夜の三里屯 |
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| 夜の三里屯 |
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| 三里屯のクラブ |
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